平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

「JR東日本の『京葉線快速問題』他人事ではない - 快速列車とは何か」を拝見して

千葉県の各自治体からの反発を招かないか

マイナビニュース、2024年2月3日付け、「JR東日本の『京葉線快速問題』他人事ではない - 快速列車とは何か」を拝見しました。

2023年12月31日付け、「JR京葉線、通勤快速など各駅停車化で不満続出 - 本当に『改悪』か」の続編的な内容です。

「JR京葉線、通勤快速など各駅停車化で不満続出」については、2024年1月13日付け、拙「JR京葉線、通勤快速など各駅停車化で・・・・・を拝見して」において、意見・感想を書かせていただきました。

今回は、「JR東日本の『京葉線快速問題』他人事ではない - 快速列車とは何か」について、同様に自分の意見・感想を書かせていただきたいと思います。

以下、「太字」は引用させていただいた部分、→は自分の意見・感想です。

 

快速がなくなり、所要時間が10分程度増えるだけで生活が崩壊し、発展機会が消失するとは、もともと東京圏の通勤には向いていないと思わせる。

所要時間が20分も増えるという報道もあったが、それは現行の通勤快速とその待避を行う各駅停車の比較で、待避なしで運行する各駅停車はもっと速い。実質10分の増加である。許容範囲のような気がする。

→ 千葉県、千葉市を筆頭とする、京葉線通勤快速廃止の影響を受ける外房線内房線の地域とは認識が大きく異なります。

沿線では「待避なしで運行する各駅停車はもっと速い」ゆえ、単に「実質10分の増加」とはまったく受けとめていません。

沿線にとっては、各駅停車列車だけでは意味をなさないのであり、そこに10分延長が加わることで一層エスカレートしています。

まず通勤快速という存在、設定があることが第一要件であり、その次に蘇我-東京の所要時間41分~42分という同時間確保がないと、沿線を納得させることはできません。

ただし、蘇我-新木場間が無停車であることについては、他の方からも一部、指摘がありますが、海浜幕張と新浦安の2駅だけは追加停車するのが妥当と思われます。

なお、通勤快速2駅追加停車の結果、蘇我-東京の所要時間が10分延びて各駅停車列車と同じ所要時間になってしまうかどうかはまた別の議論となります。

千葉県で声を上げている各自治体の気持ちを逆なでしないだろうかと気になるところです。

 

今回のダイヤ改正に対する評価も必要だろう。本当は新ダイヤのほうが便利で、このままにしてほしいという声だってあるかもしれない。

→ 「新ダイヤのほうが便利で、このままにしてほしいという声だってあるかもしれない」ことは事実です。

全員を満足させる施策はありませんので、利用者の影響の小さいのはどちらかということになります。

JR東日本側の、各駅停車化による平準化、沿線自治体の快速、通勤快速の必要性の声は既に分かっていますので、実際の利用者の様々な声を集計、集約してみたらどうかと考えます。

沿線利用者は、通勤時は全列車各駅停車がよいという声、快速は必要という声、通勤快速は必要という声、特急の必要性の声、それぞれを利用者主体に、沿線自治体とJR東日本が共同でアンケートをしてみたらどうかと考えます。

また、通勤時以外の快速の設定、土曜・休日の快速設定時間の拡大も同様です。

JR東日本側だけでのアンケート、沿線自治体だけでのアンケートでは参考にできません。

それぞれの立場での見解は分かっているので、それを主体に集計時に主情が入り込みやすくなり、アンケート実施側に有利な結論を出す可能性があるためです。

JR東日本と沿線自治体が合同、一体化してアンケートを実施、集計し、客観的な数値だけを把握することが第一です。

数値から分析する際には、両者は主情を入り込ませないよう、互いに冷静、協調することが重要です。

 

記事では幕張メッセで開催されるイベントの影響にも触れているが、イベントで集客する時間帯は快速が存続しているので大きな影響はない。イベント帰りの時間帯に快速がなくなるものの、それはむしろ混雑平準化の利点が大きいと筆者は考える。

→ 「イベントで集客する時間帯は快速が存続している」ということですが、快速の設定は10時台以降です。

10時台前の時間帯でも、イベント会場に向かっていくケースはあるのではないでしょうか。

また、「イベント帰りの時間帯に快速がなくなるものの、それはむしろ混雑平準化の利点が大きい」ということですが、イベント見学後の帰路は、混雑平準化を理解し、快速はなくても仕方ないと受け入れられるでしょうか。

海浜幕張でイベントを展開する事業者が、10時前と15時以降の快速がなくなること、さらに東京からの所要時間が増すことで、海浜幕張でのイベント実施を見直すという声に対しては、説得できるとは思えません。

東京-海浜幕張は快速で30分、各駅停車で約40分、10分差ではありますが、快速というステータスシンボルがあってこその話であり、快速がないと海浜幕張のイベント関係の方々には受け入れられない現実への説得力を持たないことに難しさがあります。

 

いろいろ事情はあるだろうが、民間企業のJR東日本がそこまで配慮すべきかどうかはまた別問題だ。千葉県の言うことを聞くなら、「埼玉県の言うことも聞いてくれ」「川口駅宇都宮線を停めてほしい」など、他県からも言いたい放題できりがない。

→ ごね得はよくないという注意喚起と思われます。

鉄道側には各地から様々な声が寄せられ、相反する要望で、あちら立てればこちら立たずの状態にもなります。

前回も感じましたが、鉄道側の立場や事情や、状況を考えることも必要、一方的に鉄道を非難するのはどうかという鉄道側へのフォローが感じとれます。

ただし、要望ということでは変わりないものの、宇都宮線の川口停車と京葉線快速問題とを同類に扱うのは、一つの事例ではあっても無理があると考えます。

列車通過線に新駅を設置する話と、既存の駅を通過する快速の設定とを同次元で捉えるには次元が違い過ぎると思われます。

 

京葉線の上り快速が外房線内房線からやってきて、蘇我駅の時点で満員だった場合、京葉線内で停車しても乗れない。

→ 蘇我駅の時点で満員だった場合は乗れないということですが、一年を通せばそのような日が何日かはあったとしても、上り通勤快速の乗車率が7割程度という状況の中では、はたして蘇我駅で満員で乗れない話を持ち出すのはどうかと感じます。

 

コロナ禍を経て乗客数全体が減ると、乗車機会を増やすために停車駅を増やそうとする。ホームで次の電車を待つ時間が短いことはサービスアップになる。その結果、すべての駅に停車したほうが良いとなる。これが京葉線ダイヤ改正に結びつく。快速を廃止する理由は、乗客の偏りが減ったからではないか。

→ 論点は、一日の乗車人数の多い駅と少ない駅とを同類化して、全駅にわたって「乗車機会を増やす」「ホームで次の電車を待つ時間が短いことはサービスアップ」という考え方により、通勤快速を各駅停車化したことが問題になっている点です。

2022年度の1日平均の乗車人員でいえば、舞浜63,906人、新木場60,442人、海浜幕張52,058人、新浦安47,382人と、越中島4,807人、二俣新町5,058人、市川塩浜7,342人とをすべて同列で見るのかどうかです。

他の鉄道ジャーナリスト等の方々も指摘していますが、快速と各駅停車との緩急接続の適正化が求められ、平準化を主眼に一律各駅停車化するのは10分程度の所要時間の延びが許容範囲という鉄道側の認識ゆえに混乱を生みました。

通勤快速が7割しか乗っていないこと、前回の通勤快速削減で反対意見が表面化しなかったことから、今回も通勤快速を削減しても大丈夫だろう、通勤時は快速を無くそうという結論が先にあったのではないかとも感じられます。

通勤快速の海浜幕張と新浦安の停車追加、または蘇我海浜幕張間通過の快速化、通常の快速化等は、どこまで検討されたでしょうか。

通勤快速の海浜幕張と新浦安の2駅の停車追加、または南船橋を加えた3駅停車がない限り、沿線理解は難しそうです。

また、

2~3駅追加停車によって所要時間が各駅停車と大差がなくなってしまうかどうかも留意事項です。

 

快速の設定の考え方、不動産との連携はセオリーであり、快速運転にふさわしいまちづくりを行わないと快速は消える。これは京葉線沿線だけでなく、どの路線でも起きることだ。

→ まちづくりは駅によって周辺の事情や開発の展開が異なります。

「快速運転にふさわしいまちづくりを行わないと快速は消える」というよりも、「まちづくりの進まない駅、乗車実績の少ない駅では、快速は通過する」という方が受けとめられるかと思います。

 

京葉線快速について様々な意見から今後の姿を見い出す糸口の一つとして

今回の内容は、拙「JR京葉線、通勤快速など・・・・・」の意見・感想に続くものですが、京葉線について自分も種々考えるきっかけをいただいたことは確かであり、その点に関して末筆ですがありがたいことと思っています。

今回の件も含め、様々な意見を聞きながら、京葉線が今後、利用者にとって良い方向に向かう糸口になればと思います。

 

(※ 記載にあたり、2024年2月3日付け、マイナビニュース「JR東日本の『京葉線快速問題』他人事ではない - 快速列車とは何か」を一部引用及び参考にさせていただきました。)