平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

京葉線快速削減は幕張メッセの集客減や開催地再検討まで影響するか?

幕張メッセでのイベント集客力は京葉線快速があってこそ?

2024年3月ダイヤ改正後の快速削減は、海浜幕張を最寄り駅とする幕張新都心幕張メッセでの集客力への影響、競争力の低下、さらにはイベント開催地の見直し、再検討の話まで発展していると新聞各紙等で報道されています。

今回は、幕張メッセへの集客に際し、最寄りの海浜幕張駅まで東京からの快速設定が必要不可欠な要件かどうかを考えてみたいと思います。

 

東京-海浜幕張の、快速と各駅停車列車との状況比較

東京-海浜幕張は快速で所要30分、東京からの途中停車駅数は5駅(八丁堀、新木場、舞浜、新浦安、南船橋)です。

快速は途中の7駅(越中島、潮見、葛西臨海公園市川塩浜二俣新町新習志野、幕張豊砂)を通過します。

 

各駅停車列車(以下、「各停」)は最速37分、東京からの途中停車駅数は12駅です。

途中で後続の快速や特急に抜かれる場合、41分から45分を要します。

なお、特急は最速23分で、東京発は15時00分発までの6本、海浜幕張発の上りは11時台発以降の8列車が停車しています。

2024年のダイヤ改正以降、快速設定のない時間帯では、下りの場合、特急発車時間の15分前に各停が東京を発車すれば、海浜幕張まで特急通過待ちはなくなります。

 

所要時間と途中停車駅の心理

幕張メッセのホームページでアクセスを見ると、「JR京葉線海浜幕張駅』から徒歩約5分 (東京から快速利用で約30分)」と案内されています。

各停での所要時間は謳われていません。

約30分という近さ、短さを伝えたいことが伺えます。

 

京葉線列車の各停化によって、快速の所要30分が各停で37分へと、7分延びます。

これが、7分延びた「だけ」とJR東日本は受けとめ、快速復活を求める自治体、沿線事業者、通勤者等の利用者は7分「も」延びたという受けとめの違いがあります。

停車駅数で見れば、快速では途中停車駅が5駅「しかない」のに、各停では途中12駅「も」停車するという受けとめの違いです。

 

以前にも記しましたが、東京や新宿、上野からの東海道線横須賀線、中央線、東北線埼京線湘南新宿ライン総武線常磐線はいずれも快速列車があり、または中距離列車が快速の役目をしています。

その中に京葉線も加わっているわけですが、来春からは南武線横浜線京浜東北線同様、日中10時台から15時台を中心とする5時間のみの運行に変わります。

 

現在は東京から海浜幕張へ行く際、平日は8時53分から22時21分発まで快速があります。

土曜・休日は7時10分から快速があります。

海浜幕張から東京へは、平日は6時53分発から18時32分発まで、土曜・休日もほぼ同時刻で快速の設定があります。

 

京葉線の快速はステータスシンボル

極論ですが、仮に東京-海浜幕張が各停で所要30分で、現在の快速と同時間だったとしても、快速復活を求める人の満足感は得られないと考えます。

東京-海浜幕張が各停で所要30分ならば、快速なら20分台になるはずだから快速を設定すべきという考え方になると思われます。

すなわち、東京-海浜幕張が各停で所要37分では長すぎるということもありますが、それ以上に途中停車駅が12駅では多すぎること、さらに言えば快速という列車の設定と存在が京葉線に必要不可欠なイメージ、位置づけと思われます。

 

京葉線に快速の設定がないこと自体が、東京から海浜幕張を遠く感じさせ、移動時間を長く感じさせ、停車駅の多さも加わって足が向かなくなると、幕張メッセの事業者、イベント関係者は認識していると理解されます。

快速は、東京から海浜幕張を近くの位置に感じさせてくれるステータスシンボル的存在ということです。

 

JR東日本が快速復活を今後、再検討するとしたら

JR東日本は、10時台から15時台に快速があるからということでフォローしているわけですが、その前後にも快速の設定がないと幕張メッセには足が向かなくなると懸念することに、幕張メッセ事業者側との考え方の相違、ギャップがあります。

 

幕張メッセで大規模な展示会、会議、研修等を行なうことを決定するのは事業主催者側です。

幕張メッセでの開催決定の前提として京葉線の快速の存在があり、なおかつ現在の快速の運行時間と本数があってこそという前提要件、絶対要件があるならば、JR東日本としても東京-海浜幕張の列車利用、収入を失うことになります。

それは日中の5時間快速だけではフォローにならないということです。

 

東京-海浜幕張の輸送に関して言えば、JR東日本は今後の順序として、まず土曜・休日の快速運転時間帯の拡大、現状ダイヤに少しでも近づける快速拡大を検討することが先決と思われます。

休日ダイヤは通勤を考慮しなくて済む分、復活検討はしやすいと思います。 

 

次に平日の快速の検討になりますが、通勤時間帯の事情があるため、幕張メッセ関連の東京-海浜幕張間のみではなく、東京-蘇我全線一体の中で考えることになります。

最終的には現状同様の快速運転時間拡大にどこまで近づけるかになります。

 

快速復活によって再び快速に利用が集中し、各停が閑散化することにJR東日本の苦慮があるわけですが、その点は列車ダイヤは現状維持とし、列車編成両数を武蔵野線と合わせての8両化、東金線乗り入れ編成に合わせての6両化等が考えられます。

すなわち、快速と各停の列車編成、運用を分けるということです。

10両編成のまま各停の本数を減らして輸送量を調整することは、平準化を目指す方向性と異なります。

 

幕張メッセまでの列車と車の状況比較

海浜幕張駅の1日の乗車人員は2022年度で52,058人となっています。

先ほどの幕張メッセのホームページで「お車でお越しの方」の幕張メッセ駐車場収容台数は「普通 5,500台、大型 120台、自動二輪車 50台」と案内されています。

その他にも周辺の駐車場も計9か所の案内が併記されています。

 

京葉線東京-海浜幕張は片道571円、往復1,142円(ICカード時)、京葉線1編成10両での座席数は510席、立席を含めて1,582人定員です。

幕張メッセの普通車の駐車料金は1日1,000円です。

 

幕張メッセの一日の来場者数のうち、列車利用と車利用の状況や割合も知りたいところです。