快速が各駅停車に変わって利用者は増えるか、列車混雑は平準化するか
京葉線快速削減関係の話の続きです。
今回は、京葉線の利用状況について見てみました。
まず、京葉線はJR東日本路線の中でどの程度の利用状況位置にあるかを見てみます。
「JR東日本 路線別ご利用状況(2018~2022年度)」の「京葉線 東京~蘇我、市川塩浜~南船橋(西船橋経由)」によると、一日平均通過人員の多い路線順として、京葉線は在来線としては第7位の位置にあります。
第1位から第6位は、①山手線、②埼京線、③東海道線、④横浜線、⑤総武線、⑥根岸線となっています。
ちなみに第8位以下は、⑧南武線、⑨中央線、⑩武蔵野線、⑪高崎線、⑫東北線、⑬青梅線、⑭常磐線、⑮横須賀線、⑯川越線、⑰外房線の順で続いていきます。
京葉線の直近5年間の平均通過人員は以下の状況です。
〇 2018年度181,483人
〇 2019年度179,786人
〇 2020年度116,090人
〇 2021年度124,527人
〇 2022年度144,593人
2022年度の144,593人は、2019年度179,786人に対して80.4%、2018年度181,483人に対して79.7%です。
2022年度の1日平均の乗車人員
次に、京葉線各駅の1日平均の乗車人員を見てみます。
京葉線利用者だけの数値ではなくJR東日本の駅としての全体数です。
〇 東京346,658人
〇 舞浜63,906人
〇 新木場60,442人
〇 海浜幕張52,058人
〇 新浦安47,382人
〇 蘇我29,462人
〇 八丁堀27,391人
〇 南船橋21,123人
〇 稲毛海岸18,519人
〇 千葉みなと15,354人
〇 検見川浜13,870人
〇 葛西臨海公園12,560人
〇 潮見12,718人
〇 新習志野11,330人
〇 市川塩浜7,342人
〇 二俣新町5,058人
〇 越中島4,807人
こうして見ると、快速通過の潮見、新習志野、市川塩浜、二俣新町、越中島の5駅は、京葉線の駅全体の中では乗車人員が低い方になっています。
来春の快速の各停化、各停専用駅の乗車機会の増加により、宅地開発、産業施設、商業施設等の沿線開発に変化が起こるでしょうか。
そこまではまだ時間がかかるとすれば、JR東日本の快速の各停化施策は、停車列車本数が多くなることによって、他の交通機関から京葉線に転移するとか、今後の沿線開発が進んで利用が見込まれるということよりも、全列車各停化による列車全体の混雑平準化が主眼ということになりそうです。
不動産広告等の世界では、東京駅まで所要〇〇分という、通勤快速を前提とした東京駅までの所要時間の短さが謳えなくなることにより、方向性を変えて、快速通過駅が列車本数増により乗車機会が増加がすることによる宣伝、販売促進の方向になっていくでしょうか。
日中の快速は来春ダイヤ改正時は存続するので、快速自体は通勤と無縁とは言え、快速での東京までの所要時間で謳うのかも興味深いところです。
そうした面での変化も見守っていきたいと思います。