列車混雑の平準化、快速通過駅の乗車機会増加、列車全体の所要時間短縮が主体
京葉線快速削減に関して、2023年12月22日にJR東日本千葉支社長の定例記者会見が行なわれました。
内容については新聞各紙や各種のネット情報で取り上げられています。
今回は、JR東日本千葉支社長の記者会見をはじめ、同支社の担当者の話も含めてJR東日本の考え方、内容を整理したいと思います。
各紙の記事の中から印象に残った箇所を中心に、記事の一部を引用させていただきます。
(以下引用)
◆ 千葉日報記事から
上り通勤快速電車は乗客が各駅停車に比べて7割程度にとどまる。逆に夜の下りは通勤快速に集中しており、各駅停車への乗換駅となる新木場で混雑が発生している。
土沢支社長はダイヤ改正の主な目的に(1)混雑のばらつきを標準化(2)快速通過駅の乗車チャンス拡大(3)各駅停車の所要時間短縮―の3点を挙げた。
~中略~
「上り通勤快速を最大4本設定していた時代もあったが、利用状況が芳しくなく、一昨年のダイヤ改正で現在の2本にした」と経緯を説明するにとどまった。
◆ 毎日新聞記事から
「京葉線を使いやすく便利にするという強い思いを持って考えた案。理解をいただくことに専念したい」
~中略~
通勤快速の利用客数が同時間帯の各駅停車に比べ7割程度であることを挙げ「各駅停車に利用客が集中しているので、混雑を平準化する」と説明。幕張豊砂や新習志野など各駅停車しか止まらない7駅の利用客の利便性向上や、各駅停車の所要時間の短縮(最大7分)などメリットを挙げた。
◆ 朝日新聞記事から
通勤快速は起点の蘇我駅から東京メトロ有楽町線と乗り換えができる新木場駅までノンストップ運行しており、所要時間は東京―蘇我間では朝は平均14分、夕夜間帯は19分ほど増える。
~中略~
「乗客を分散させることで、利便性向上を図ることが目的」(広報担当)と説明する。京葉線の現状の乗車率はコロナ禍前と比べて7~8割にとどまっているが、朝夕の通勤時間帯の快速は混雑状態となっているという。
◆ 東京新聞記事から
蘇我-東京間の上りの所要時間は通勤快速では約42分だが、各停だと56分ほどになる。
JR千葉支社担当者は「平日の朝夕の利用客数はコロナ禍前の7割までしか回復していない。快速・通勤快速の通過待ちがなくなると、運転を等間隔化することができ、車両の混雑は緩和されるメリットがある」と説明する。
◆ 読売新聞記事から
〇 「京葉線をより便利に使いやすくという目的で考えた案。きちんと説明して実施したい」
~中略~
種別によって混雑の程度にばらつきがあり、平準化する狙いがあると説明。午前7時台の蘇我駅では、東京方面に向かう通勤快速の利用は各駅停車の7割ほどだという。
~中略~
ダイヤ改正を撤回する可能性を問われると、「狙い、目的をご理解いただくことに専念する」と述べた。
(以上引用)
引用させていただいた箇所は以上です。
なお、他にも情報はありますが、ここで引用させていただくことは省略します。
JR東日本千葉支社の総合的な見解と新聞記事での情報を整理する
〇 平日の朝夕の利用客数はコロナ禍前の7割までしか回復していないこと。
ただし、朝夕の通勤時間帯の快速は混雑していること。
〇 ダイヤ改正の目的として、列車混雑の全体的な平準化、快速通過駅の乗車機会の拡大、各停の所要時間短縮の3点があること。
〇 快速と各停の一元化、快速の各停化により、各停が快速・通勤快速の通過待ちがなくなることで各列車の等間隔化運転が可能となり、混雑が緩和されること。
〇 上り通勤快速を4本設定していたときの利用が芳しくなく、現在の2本にした経緯があること。
〇 現在の朝の上り通勤快速の利用は各駅停車(以下、「各停」)の7割程度であること。
〇 上り通勤快速の時間帯前後の各停に利用客が集中しているので、混雑を平準化すること。
〇 夜の下りは通勤快速に集中しており、各停乗換駅の新木場で混雑が発生していること。
〇 幕張豊砂や新習志野など快速が通過する7駅の利用客の利便性向上や、各停の所要時間の短縮(最大7分)の利点が生まれること。
〇 通勤快速の各停化により、東京―蘇我の所要時間は、上りは14分、下りは19分ほど増えること。
〇 ダイヤ改正の狙いや目的を、地域に理解いただくことに専念すること。
十分ではありませんが、おおよそ以上の内容かと受け止めました。
JR東日本千葉支社の見解に対しての論点
〇 京葉線の現状の乗車率はコロナ禍前と比べて7~8割にとどまっていること。
ただし、朝夕の通勤時間帯の快速は混雑状態となっていること。
〇 上り通勤快速の時間帯前後の各停が混雑していることについて、各停の混雑とは、京葉線通勤時全体の各停の話か、通勤快速の前後時間帯の特定した話かどうか。
〇 通勤快速以外の、通常の快速においても快速より各停が混雑しているのか、または同等の混雑状況か、快速と各停との比較においては快速が混雑し、各停の方がまだ空いているのか。
〇 所要時間は東京―蘇我間では朝は平均14分、夕夜間帯は19分ほど増えることについてのコメントはなかったこと。
JR東日本の列車混雑平準化、各停駅の利便性向上、通過待ちがなくなることでの時間短縮を理解・協力してほしいということで受けとめるか。
〇 快速の通過待ちはなくなるが、特急退避は残ることについてはやむを得ないと受けとめるか。
以上ですが、今回は論点整理にとどめ、各種の課題と解決法の筆者の意見は別の機会とさせていただきたいと思います。
(※ 記載にあたり、2023年12月21日から23日までの、千葉日報、毎日新聞、朝日新聞、東京新聞、読売新聞の各記事を参考にさせていただきました。)