平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

幕張新都心アクセス 日中の武蔵野線は全列車南船橋乗換でも仕方ないと受けとめるか?

日中の武蔵野線からの海浜幕張直通は南船橋乗換でも仕方ないか?

昨日の拙「京葉線快速削減は幕張メッセの集客減や開催地再検討まで影響するか?」の続編です。

東京駅から海浜幕張のアクセスには、幕張メッセを中心に、快速が必需であるということに昨日、触れさせていただきました。

読売新聞2024年1月5日の記事において、「メッセは行きづらいと思われると、イベントも減ってしまう」「集客に影響する。イベント開催地としての再検討をせざるを得ない」という関係者、イベント主催者の言葉が紹介されています。

また、幕張メッセの「来場者は年間600万~700万人に上るという」ことも書かれています。

メッセが行きづらいこと、集客に影響するのは、東京から海浜幕張への快速が終日にわたって設定されないことが要因であること、10時台から15時台の快速運行だけではフォローできていないことを改めて感じさせます。

 

海浜幕張のアクセスは東京からの京葉線とは別にもう一つ、武蔵野線があります。

武蔵野線下り列車の運行は、西船橋から東京方面を主体としながらも、半数は南船橋方面への設定となっています。

船橋側は、南船橋止まりの設定を主としている中で、一部は海浜幕張まで延長運転している形になっています。

 

武蔵野線海浜幕張直通列車削減の経過

京葉線の快速は当初、南船橋を通過していました。

2002年12月1日のダイヤ改正時に京葉線の増発及び輸送体系の変更が行なわれ、千葉みなと駅とともに南船橋京葉線快速の終日停車駅に追加されました。

これに伴い、データイム武蔵野線海浜幕張折り返し列車が南船橋折返しになりました。

また、京葉線の各駅停車列車を海浜幕張折り返しとしました。

 

データイム武蔵野線海浜幕張直通列車廃止の背景とは?

武蔵野線から海浜幕張へ、平日通勤時や朝夕・夜は海浜幕張への直通需要はあるが、日中は直通需要がなかった結果ということでしょうか。

とすれば、日中の南船橋止まりは仕方ない、京葉線快速の南船橋停車はそのフォローだからという見方はできます。

ただし、もう一つ、事情はあると思います。

データイム京葉線快速が海浜幕張蘇我で各駅停車となり、東京-蘇我の各停列車が東京-海浜幕張の運転に変わります。

その結果、京葉線武蔵野線の両方とも海浜幕張折り返しとなることは二重となり、JR東日本にとって好ましくなかったと思われることです。

そのため、快速の南船橋停車により、武蔵野線列車の海浜幕張直通を南船橋で打ち切ったと想定されます。

あくまで想定であり、武蔵野線からの海浜幕張直通需要がデータイムには実績が少なかったかどうかは定かではありません。

 

武蔵野線船橋止まりと海浜幕張直通列車の現況を見る

現在の武蔵野線船橋止まりの列車と、海浜幕張まで延長の列車との運行状況を比較してみました。

なお、ここでは西船橋新習志野止まりの列車は除きます。

平日の南船橋止まりは29本、海浜幕張延長列車も29本で同数でした。

休日は、南船橋行き38本、海浜幕張行き17本で、南船橋止まりが倍以上の運行でした。

 

上りの武蔵野線列車では、平日の南船橋始発は24本、海浜幕張始発25本でほぼ同数でした。

休日の南船橋始発は36本、海浜幕張始発16本で下り同様、南船橋始発が倍以上でした。

 

平日、休日とも10時台から15時台までは南船橋止まり列車だけの設定で、海浜幕張直通はありません。

一方、2024年3月ダイヤ改正京葉線に残存する快速は10時台から15時台だけ設定されており、日中5時間だけ東京-海浜幕張を速達します。

日中の海浜幕張への速達または直通の便宜は、京葉線快速と武蔵野線とでは正反対のダイヤになります。

 

船橋止まりの武蔵野線列車から京葉線乗換でのホーム構造

南船橋駅のホームの構造は、1番線が海浜幕張直通列車発着、4番線が海浜幕張側から来た東京及び武蔵野線西船橋への列車発着用です。

1番線と隣り合う2番線、4番線と隣り合う3番線は、それぞれ海浜幕張側は行き止まりの線路配置となっています。

 

武蔵野線船橋止まりの列車は、南船橋駅では13時頃までは2番線に発着し、13時以降は3番線発着です。

その結果、13時以降、武蔵野線船橋行きで海浜幕張に行く際は、階段等を使っての対向ホーム移動が伴います。

同様に、13時頃までの間、海浜幕張側から南船橋始発の武蔵野線に乗り換えの際は階段等での対向ホーム移動となります。

 

南船橋駅は2面4線構造ですが、中央の2番線と3番線は行き止まり式で、海浜幕張側への線路はつながっていません。

これが仮に2面3線構造で、中間の線路を両側から囲う構造であれば終日、階段を使わずに、中間ホームに停車した列車の両側ドアを開くことで、乗り換えはあっても階段は使わずに済みますが、そこまでの設備投資は今後とも行なわないと思われます。

 

幕張新都心アクセス 日中の武蔵野線は全列車南船橋乗換でも仕方ないと受けとめるか?

千葉市及び幕張メッセをはじめとする事業者、イベント主催者の方々は、東京-海浜幕張の快速復活に神経を集中されていますが、それとは別に、武蔵野線船橋止まりの列車を海浜幕張まで運行することについても関心を持ってもよいように思います。

来場者600万人以上の幕張メッセがある最寄りの海浜幕張駅にとって、東京発着の京葉線快速存続が最重要課題であることは理解しますが、武蔵野線からのアクセスは南船橋止まりでも後回しでよいでしょうか。

武蔵野線列車が日中すべて南船橋止まりでは海浜幕張訪問客には不便であり、さらに南船橋駅での乗り換え階段が加わることは、幕張メッセイベント関係等にとって明らかにマイナスです。

とくに休日の海浜幕張始発の武蔵野線は、9時13分発の後、16時52分まで7時間39分の間、直通列車がない状況です。

千葉市及び海浜幕張を最寄りとする事業者、イベント主催者武蔵野線船橋側の列車について、主体を海浜幕張発着にして、南船橋止まり列車はごく一部の例外的な少数運行にする働きかけをJR東日本に行なってもよいのではないでしょうか。

 

また、幕張メッセのホームページ、鉄道アクセスの中で、埼玉県からは南浦和から約50分で南船橋に着き、南船橋で乗り換えて海浜幕張へ約7分と案内されています。

つまり、南船橋乗り換えを前提とした案内です。

しかしながら、海浜幕張直通列車が朝夕及び夜には運行されているのですから、直通列車で約57分ということは併記してもよいように思います。

 

千葉市をはじめ、海浜幕張駅周辺の事業者の方々には、東京-海浜幕張蘇我)の快速終日運転継続が緊急課題ではありますが、武蔵野線海浜幕張直通による幕張メッセ等での動員、集客効果も検証してみる余地はあるのではないでしょうか。