一般の人や他の鉄道ファンとも異なった次元?の京葉線の見どころ案内です
京葉線を題材にすることが多くなり、「お前は京葉線によほど不満や恨みでもあるのか?」と言われそうですが、京葉線に対する想いは逆です。
高架橋から東京湾が見える解放感は、他の路線からは得られない貴重なものがあるからです。
京葉線が開業する前までは、明石海峡が見える山陽線で通勤する人がうらやましく思いましたが、1990年3月10日の京葉線東京-蘇我全線開業後は京葉線からの東京湾車窓に癒されます。
今回は、京葉線で好きなポイント京葉線の自己流ベストテンです。
鉄道設備主体の独断と偏見の内容であり、他の人には何の参考にもならない内容ですが、単なる自己満足ということでご寛容ください。
1 東京湾車窓
高架橋から連続して東京湾が見える車窓は京葉線だけのものです。
葛西臨海公園の観覧車、舞浜のモノレールも見どころ。
2 荒川、江戸川、旧江戸川、砂町運河の鉄橋
本来なら上記4箇所単独で上位の順位にしたいところですが、10位までの制約と鉄道設備のこだわりで、心苦しくも一括させていただきました。
鉄橋から見る東京湾はさらに広大です。
とくに荒川は広い幅があり、砂町運河に長い曲線橋梁も見応えがあります。
市川塩浜-西船橋は高谷(こうや)支線、南船橋-西船橋は二俣支線の通称名で呼ばれています。
南船橋から西船橋へ向かう武蔵野線列車は、高架橋の京葉線本線と高谷支線の上を行く二重高架橋として繋がっていて、一段と高い位置からの車窓が得られます。
越中島から地下トンネルを抜けて急勾配で地上に出るとすぐ左手に、越中島貨物駅への分岐線の線路が分かれます。
ここを正規に接続させ、電化して越中島貨物駅から総武線亀戸-平井-新小岩-新金貨物線-金町という列車が走らないかと夢を描きます。
5 幕張豊砂駅の上下ホームの高さ相違と貨物ヤード跡地の名残
京葉線はもともと貨物専用線として計画され、幕張豊砂付近に操車場が計画されていました。
京葉線本線から操車場への貨物列車出入りに支障しないよう、本線の上り線を高架にして立体交差化する構想でした。
海浜幕張駅の上り線脇には、貨物駅へ下っていく路盤が見えますが、今はソーラーシステムが置かれています。
幕張豊砂駅の上りホームだけ高架橋になっているのは貨物線立体交差の名残です。
6 稲毛海岸-千葉みなと間の、元千葉貨物ターミナル用(都川信号場)に残る貨物線退避用下り線高架橋
元々、本線の上り線が立体交差の高架橋を走行していましたが、貨物列車の出入りは蘇我経由で、この立体交差は活用されないまま、千葉貨物ターミナルも廃止されました。
高架橋は現在、下り貨物列車の待避線として活用されています。
7 千葉みなと-蘇我の貨物列車退避線の跡地スペース
千葉みなとから蘇我に向かう際、上下線の間に貨物列車退避用の引込線跡が、一度も活用されないまま残っています。
上り線の海側にも貨物列車用スペースが架線柱の幅から感じ取れます。
8 新木場の東京臨海高速鉄道との接続線
団体列車が時折通過する程度ですが、羽田空港への連絡線が着工すれば列車が多く走るはずです。
順序として、東京駅からの羽田空港ルートを2031年度頃までに整備し、そのあとでりんかい線接続が計画されるかどうかです。
開通すると旅客列車だけでなく、東海道線から蘇我、越谷貨物ターミナルへの貨物列車も短絡できるようになります。
そのためにはJR東日本が東京都所管のりんかい線買収という課題も残っていますが、完成したら楽しみは増えます。
9 新習志野駅付近の京葉車両センター
高架橋から見下ろせます。
常磐線松戸車両センターのような、本線からはほとんど見えない遠隔地から比べれば列車内から十分観察できます。
10 南船橋駅の未使用の通過線跡地
京葉線の上り本線の海側に、通過列車用の路盤があります。
また、行き止まりとなっている2番線は、新習志野方面に向けて接続ができるよう、路盤が完成しています。
いずれも未使用ですが、京葉線の貨物列車構想の名残を感じさせます。
以上、毎日通勤で乗っている人には当たり前の光景でも、京葉線の連続した高架橋からの車窓解放感は、東京近郊の他の路線では得られない財産です。
筆者は日頃、東京へは常磐快速線または東京メトロ千代田線経由ですが、時間に余裕があれば迂回してでも京葉線で向かいたいくらいです。
とくに空気の澄んだ冬の青空、遠くに見える富士山、秩父連山、筑波山は、表現は過剰ですが生きている喜びを再認識し、悩みなどどこへやら、明日への活力を与えてくれます。
冬の晴れた日の午前、京葉線上り列車での進行左手、東京湾側車窓をお勧めします。