平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

京葉線の各停専用駅での乗りやすいダイヤと武蔵野線乗り入れとの両立を考える

京葉線の快速と各停、武蔵野線東京と海浜幕張の双方乗り入れ両立の解決策はあるか?

2023年8月26日付け、拙「武蔵野線大宮発着『むさしの・しもうさ号』増発の可能性を考える」の、京葉線版です。

東洋経済オンライン、2023年8月23日の「10両化は?武蔵野線『ちょっと気になる』疑問点」の中で提起された、京葉線内列車の運転間隔(5分待ちもあれば15分待ちもあるダイヤ)の部分について、今回は考えてみたいと思います。

 

京葉線の列車運転間隔統一よりも10分間隔運転を

「10両化は?武蔵野線『ちょっと気になる』疑問点」の中に「武蔵野線京葉線、列車の間隔統一できる?」の項目があります。

その中から一部を引用させていただきます。

(以下引用)

武蔵野線が直通する京葉線区間の各駅停車は、京葉線がおおむね15分おき、武蔵野線がおおむね20分おきに走っている。このため、市川塩浜葛西臨海公園・潮見・越中島の各駅と東京駅とを行き来する場合は、列車間隔が5分のときもあれば15分近くも開くこともあり、運転間隔のばらつきが目立つ。これはなんとかしてほしいという方は多いのではないだろうか。

線路を共用する区間では15分サイクル(例えば京葉も武蔵野も毎時4本ずつ計8本)、あるいは20分サイクル(例えば京葉も武蔵野も毎時3本ずつ計6本)のどちらかのサイクルに揃えることはできないのだろうか。

これについてJR東日本は「(中略)武蔵野線直通列車を15分間隔で運転するためには、武蔵野線内を1時間当たり8本運転することとなりますが、お客さまのご利用状況を鑑みますと供給過剰になるため、現段階で増発は検討しておりません」との回答であった。

ただ、武蔵野線全線を毎時8本にしなくても、西船橋始発の設定などで調整したり、逆に京葉線を20分サイクルに変えて本数を減らしたりするのもいいのではないか。(以下略)

(以上引用)

 

京葉線15分・武蔵野線20分サイクル、蘇我発着毎時4往復、快速も加わる運行での運転間隔のばらつき改善ができるか?

列車間隔が5分のときもあれば15分近くも開くこともあるのはご指摘のとおりと思います。

駅と時間帯によっては、快速と特急の退避のため20分以上開くケースもありました。

線路を共用する区間では15分サイクルまたは20分サイクルのどちらかのサイクルに揃えることの指摘に対する、JR東日本武蔵野線内毎時8往復設定が供給過剰との回答はまず受け止めざるを得ないと考えます。

 

武蔵野線は現在の10分間隔が望ましいダイヤです。

12分、15分間隔化しては混雑してしまいますが、逆に7.5分間隔化で本数を増やすのも輸送力過剰です。

従って、武蔵野線10分サイクルはそのままとして、京葉線の15分サイクルに見直す余地があるのではないかと考えます。

 

京葉線で東京-蘇我を各停のみ運行の10分間隔運転はどうか?

京葉線全駅の利便性を図るには、日中の快速設定を無くして全列車10分間隔の各停のみの運行がもっとも容易です。

特急退避によっては完全な10分間隔ダイヤにはならなくなりますが、全駅で10分サイクルのダイヤにすることができます。

武蔵野線列車が京葉線に乗り入れる方を、京葉線内快速とする逆の発想をすれば東京-市川塩浜(-西船橋)、海浜幕張-南船橋(-西船橋)の速達もできます。

 

この場合、東京-蘇我の快速速達が犠牲になるという別の問題が生じます。

もともと、各停専用駅と快速の設定、武蔵野線乗り入れによるダイヤのばらつき改善をすべて両立させることは困難な認識を持つことは必要と思います。

 

東京-蘇我を各停のみの10分間隔にした場合の課題と対応策は?

この場合の課題点は3つあります。

① 京葉線内相互間利用で快速設定がない不便さ

② 京葉線から外房線内房線直通列車まで各駅停車となることでの、房総地区での所要時間が延びること

③ 海浜幕張蘇我が現在の日中4往復から6往復に増えることでの輸送力過剰

以上の3点です。

 

①については、東京-蘇我の快速の所要時間は約42分、快速退避のない各駅停車で約50分であり、8分差です。

停車駅数としては快速が途中9駅、各駅停車が同16駅停車で、全列車各駅停車にすると7駅多い停車となります。

所要8分差、7駅多い停車駅をどう見るかによります。

なお、総武快速線の東京-蘇我は途中10駅停車、所要約50分です。

武蔵野線の東京乗り入れ列車、海浜幕張を快速化し、市川塩浜-東京で快速運転をするのが効率的と考えます。

 

②については、外房線内房線沿線から、京葉線経由でなく総武快速線経由にせよとの声が高まるのは明らかです。

東京-蘇我で各停のみ運行というのは、平日日中と休日全般を基準としたものです。

平日朝夕のラッシュ時について、外房線内房線から京葉線への直通列車で快速設定を行なうことにより解決を図ってはどうかと考えます。

 

③については、海浜幕張蘇我の15分間隔ダイヤが10分間隔となり、しかも10両編成なので輸送力過剰という議論です。

海浜幕張蘇我の利用状況はそれほど低いのでしょうか。

JR東日本管内での1日あたりの通過人員は144,593人で、京葉線は東京、舞浜側の利用が多いとはいえ、第7位に位置しています。

2022年度の乗降人員(以下、単位:人)を見てみると、海浜幕張87,792、検見川浜26,022、稲毛海岸34,318、千葉みなと28,316、蘇我54,194となっています。

参考までに、海浜幕張以西の一部の駅を見てみると、新習志野21,118、南船橋39,172、二俣新町9,970、市川塩浜14,112、潮見23,304、越中島8,808の状況もあります。

「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」(国土交通省国土政策局・令和4年度から)

 

これらの数値をどう受け止めるかによりますが、輸送力過剰ならば、武蔵野線西船橋海浜幕張の乗り入れ列車を蘇我まで延長し、東京-蘇我の10分間隔の各停を蘇我行きと海浜幕張行きの交互設定として、京葉線海浜幕張行きは同駅で武蔵野線からの蘇我行きに接続とする方法はあります。

それにより、蘇我発着毎時6往復は変わらないものの、半数は武蔵野線8両編成となる分、輸送力は幾分か調整できます。

ただし、蘇我側から見れば東京行きと府中本町行きの交互運行よりも、全列車東京行きの方がよいということになり、武蔵野線蘇我延長は現実的でないと思われます。

蘇我から10分毎に東京行きという分かりやすいダイヤ効果と、快速の各停化とのバランスになります。

快速を継続し、日中の蘇我発着を4往復のままとするならば、現在のダイヤの継続しか選択肢はないと思います。

東京-市川塩浜では京葉線の各停が毎時4往復、武蔵野線直通が同3往復、計7往復です。

これを両者合わせて8.5分間隔運転、かつ蘇我側15分間隔にすることはできません。

また、快速通過駅の運転間隔が、場合によっては20分以上開くことも生じるのは避けられないところです。

京葉線東京-市川塩浜での相互間利用では、最大12分待てば列車が来ること、3分から5分待って武蔵野線列車も加わるなら、列車を待つ時間が短くなって運が良かったと思うしかないということになります。

 

自分で理想ダイヤを組もうとしたものの、うまく出来ませんでした。

京葉線の特急と快速と各停、そこに加わる武蔵野線の東京-市川塩浜と、南船橋海浜幕張蘇我側の列車本数調整、快速通過駅の長い待ち時間の解消と分かりやすいダイヤ、南船橋蘇我での貨物列車等、多岐の列車があり、京葉線ダイヤを組む難しさを再認識しました。

 

(※記載にあたり、2023年8月23日の東洋経済オンライン記事「10両化は?武蔵野線『ちょっと気になる』疑問点 2023年で開業50年『謎の構造物』やダイヤの事情」を参考にさせていただきました。)