平行普通列車

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JR東日本社長2024.4.9定例記者会見 京葉線の新聞記事を読み解く

京葉線に関する社長の言葉と新聞記事から今後のダイヤ改正、快速復活を読み解いてみました

産経新聞、2024年4月9日付け「京葉線今秋にもダイヤ改正か 『来年度待たず柔軟対応』JR東日本の喜勢陽一新社長」の記事を拝見しました。

2024年3月ダイヤ改正後の京葉線について、通勤快速の各駅停車化による混雑平準化、沿線地域からの速達要望に対する丁寧な対応等についての内容です。

今回は、社長会見で語られた言葉及び全般的な記事内容から感じたことを書かせていただきたいと思います。

 

以下、太字は新聞記事からの引用、は筆者の感想、【】は便宜上の小見出しです。

 

【ダイヤ再改正の実施時期について】

(引用) 京葉線のダイヤ再改正について、沿線自治体などとの対話を重ねたうえで来年度のダイヤ改正を待たず、柔軟に対応する方針を明らかにした。

~中略~

再改正は早ければ今秋になるとみられる。

→ 沿線から快速復活要望が強いことから、2025年春のダイヤ改正を待たず、早ければ今秋(2025年10月?)にダイヤ改正を行なうと見られます。

一刻も早いダイヤ改正を求める地域への思いは受けとめているものの、6月・7月の改正は改正準備期間として困難である意味合いも含めたと思われます。

そのため、夏休み期間終了までは現ダイヤで進むこととなりそうです。

京葉線通勤快速利用者にとっては、ダイヤ改正が今秋では遅すぎるか、来春よりはよいと思うか、人それぞれ受け止め方が異なってきます。

 

【各駅停車の混雑率の平準化について】

(引用) 改正前、通勤快速があった前後2本の各駅停車の混雑率について「改正前には80%から140%だったのが、改正後は110%。一定の平準化された数字が出ている」と明かした。

JRは快速縮小の目的の1つに「混雑の平準化」を挙げていた。ダイヤ改正で各駅停車が増えたことで乗客が分散したとみられる。

→ 京葉線ダイヤ改正の趣旨の一つである、通勤快速の各駅停車化により、混雑の平準化、乗客の分散化が図られたことによる一定の効果に触れています。

そのことと通勤快速廃止の考え方はさておき、JR東日本としてはひとまずこの前置きが重要であることは、鉄道会社の立場を思えば理解できるところではあります。

 

【全体の輸送量について】

(引用) 「正確なデータではないかもしれないが、全体の輸送量はほぼ変わらず、ボリューム的に下がっている」

→ 「全体の輸送量はほぼ変わらず」ということは、通勤快速の利用者はそのまま京葉線の列車に移行したと受けとめられます。

ここで、京葉線「全体の輸送量はほぼ変わらず」ということの中には、各駅停車列車への移行だけでなく、同じ京葉線を経由する特急への移行も「京葉線全体」に含まれるという受けとめ方もできると思います。

実際に、一部の通勤快速の時間帯に特急が走ることになりました。

また、京葉線から総武快速線への転移もさほどなかったという受けとめ方もできます。

はたして通勤快速利用者は京葉線各駅停車に移行したのか、特急にはどの程度移行したのかも知りたいところですが、その点に触れると通勤快速を特急化したかったのかとの議論に発展するため、JR東日本は特急のことには触れたくなかったとも思われます。

通勤時間全般から見れば特急移行よりも各駅停車列車移行の方が多く、各駅停車通勤をせざるを得ない以上、これを受け止めて各駅停車を利用するしかなかったということに帰結するでしょうか。

また、総武快速線転移がさほどではなかったとすれば、京葉線新木場での乗り換え需要が多いことを裏づけたようにも感じます。

 

【沿線地域への対応(事前説明)について

(引用) 今後の改正のあり方については「速達性に関する沿線地域の皆さまの要望は受け止めている」との認識を示した。その上で「地域との丁寧な対応を通じ、一定の成案ができたら来年度のダイヤ改正を待つまでもなく柔軟に対応する」と述べた。

→ 事前に地域説明をしなかったことで混乱をきたしたことは確かであり、JR東日本もその点は身をもって体感したはずです。

事前に地域説明をすることで反対の声が上がり、ダイヤ改正ができなくなるとの懸念もあったかと思います。

2024年秋のダイヤ改正前に際しては、JR東日本は前回の教訓から沿線に対し事前周知、情報提供を図る必要があり、少なくとも「納得はしないが理解はする」よう、JR東日本は尽力してほしいところです。

 

【通勤快速の復活について

(引用) 通勤快速の復活を前提に対応するわけではないとの考えも示した。

→ 通勤時の列車種別として、必ずしも通勤快速での復活ということではないということを感じさせます。

すなわち、通勤快速ではなく快速としての復活か、または同じ通勤快速であっても蘇我-新木場間を無停車でなく海浜幕張、新浦安などに停車するようなことも考えられます。

最終的に、通勤快速の復活でない限り納得しないという沿線自治体をいかに説得できるかにかかります。

一方、一部の鉄道ジャーナリスト関係等の方々も指摘しておられますが、大手私鉄では当然のように実施している各駅停車と快速との接続連携による棲み分け、両立化を2024年秋の改正で京葉線ではどこまで行なうかが注目されます。

具体的には、海浜幕張、新浦安の2駅での各駅停車から快速への緩急接続をいかに活用したダイヤを組むかということです。

なお、筆者は以前にも書きましたが、特急「わかしお4号」の通勤快速化(海浜幕張と新木場停車)が通勤快速復活の声に応える最良の方法と考えていますが、いかがでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、産経新聞、2024年4月9日付け「京葉線今秋にもダイヤ改正か 『来年度待たず柔軟対応』JR東日本の喜勢陽一新社長」の記事を一部引用及び参考にさせていただきました。)