平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

4月15日は415系の日にちなんで 415系独断偏見ベストテン

常磐線を中心に415系栄光時代を振り返って特徴的な10点を選んでみました

乗りものニュース、2024年4月15日付け、「『415系の日』で激レア写真! 異形の“先頭だけ普通車2階建て” JR東日本の投稿」を拝見しました。

4月15日を415系の日として、2階建て先頭車の「クハ415-1901」の話を展開した内容です。

文中に「415系の思い出を大募集」とあり、本来なら指定の宛先に送るべきところですが、拙ブログではここで「415系の思い出」を独断偏見ベストテンとして出させていただきたいと思います。

なお、今回の内容は趣味的視点でのものであり、他意はありませんので予めご了承ください。

また、便宜上、常磐線中心の記述ですが、JR九州の関門間でも該当するケースが多々ありますので併せてご承知ください。

 

1 JR九州の門司-下関の運用

交直両用設備を活かして、415系を大事に使っているJR九州に感謝したい区間です。

門司-下関間が今後、どのような車両に置き換わるか定かではありませんが、交直両用電車の新製または既存の交流電車を交直両用化改造し、引き続き交直両用電車として運行するのは難しそうな情勢です。

門司駅停車中に交流電化設備を活かして充電し、関門トンネル経由で下関折り返しの際はパンタグラフを使用しないハイブリッド充電方式、蓄電池方式など、いろいろな方法が考えられます。

関門トンネル走行の油煙と勾配の観点から、気動車への置き換えはないと思われます。

JR東日本からE531系購入またはE531系のJR九州版新製など、かつての415系譲渡購入の思想はもうあり得ないでしょうか。

 

2 常磐線取手-藤代の交直流電流切り替え時の車内蛍光灯の消灯

415系の楽しみの一つが交直流切り替え地点(デッドセクション)での消灯です。

現在のE531系のような、交直流切り替え地点でまったく消灯しない電車は、技術とサービスの向上の成果ではありますが、趣味的には楽しみが一つ減りました。

地下鉄銀座線が駅に着く直前に消灯した風物とともに、消灯の懐かしさがあります。

 

3 取手→藤代の交直流電流切り替えの運転士のスイッチ操作

取手からしばらく走行して、藤代に着く少し前に運転士が交直流切り替えスイッチをひねります。

運転士の緊張感を感じ取れるのも風物です。

上りの藤代→取手では、すぐに電流切り替えがあり、発車後すぐの作業のため、緊張感には欠けます。

常磐線では下り線での、なかなか交直流切り替え地点に差しかからない距離の長さ、交直流切り替えスイッチをすぐには操作しない時間経過も楽しみのうちでした。

E531系での電源自動切り換えは交直切替の失念が防止され、運転操作も楽になりましたが、交流区間に入ったことさえも忘れさせ、趣味的な面白みはなくなりました。

 

4 取手→藤代の交直流電流切り替えのパンタグラフ付きモハ414の床下機器の音

交直流切り替え地点で、パンタグラフ付き車両の、パンタグラフ位置の真下の座席に座っていると、屋根上の切り替え音、床下の交直転換器の音の変化が楽しめました。

この切り替え音はE531系でも楽しめます。

 

5 ピンクの車体色、低運転台と原形ライト

415系の原形401系、421系の車体色はピンクで、運転台の位置が低く、前照灯も白熱灯でした。

その後、踏切事故対策で運転台位置が高くなり、前照灯はシールドビーム化され、車体は白色、そしてステンレスへと変わっていきました。

ピンクの車体色は、交流電化区間での2万ボルトの高圧による危険性警告の意味を込めて、北海道用711系交流電車の赤色を薄めたピンク色にした経過があります。

同じことは交流電気機関車ED75の赤色、交直流機関車のEF80、EF81のピンク色の車体色にも当てはまります。

 

6 パンタグラフ周辺機器と交直流切り替え操作時の轟音

上野駅での折り返し作業、点検時の風物です。

何も知らない人には一瞬、爆発かと錯覚するかのような轟音です。

この交直切り替えテストでのパンタグラフ付近の音量を下げることだけは、さすがに今の技術でも難しいようです。

 

415系の菱形の大型パンタグラフは、E531系のような「く」の字型の小型タイプや、711系・EF81のような下枠交差型タイプよりもは堂々としていて見栄えがあります。

直流電車と違って、パンタグラフが屋根から若干持ち上げられて設置されているのも交直両用電車ならではの外観です。

 

7 JR東日本JR九州の冷房装置改造後の外観の違い

国鉄時代の冷房装置は集中型1台方式が基本で、JR東日本JR九州ではその思想を受け継いでいます。

ちなみにJR西日本JR東海は2台の集約分散方式の思想です。

 

JR東日本では国鉄から引き継いた415系のうち、非冷房車の冷房化改造にあたって、屋根上の冷房装置は集約分散式2台方式を基本としました。

ただし屋根上機器の多いパンタグラフ付き車両に限り、集中型1台としました。

一方、JR九州では、車端部座席2ボックス分のスペースに床置式冷房装置を搭載する方式が採用され、側窓はルーバー状の外気取り入れ口となり、この位置の屋根上に巨大なグローブ型屋上排風器が取り付けられました。

同じ冷房改造でも、JR東日本JR九州の違いは興味深いものがありました。

 

真夏の時期、冷房のない列車では窓が大きく開けられていて、上野駅ではホームから座席をめがけて荷物を投げ、自席を確保しようとしたり、窓から列車に乗り込んだり、列車内では宴会が始まってアルコールの香りが漂いました。

客車列車に多かった常磐線での光景ですが、非冷房の415系でも見られました。

東北・高崎・中央・東海道・総武の各線の普通列車では、常磐線ほどには特有の香りはなく、常磐線普通列車は宴会列車の別名もありました。

 

8 常磐線用の急行型気動車の微妙な冷房装置の位置と、電車の静電アンテナ

先頭車の屋根上に常磐線固有の2基のアンテナが備わっていたのも常磐線の風物です。

常磐線を走る水郡線直通急行「奥久慈」は急行形気動車キハ28・58形で、屋根上冷房装置は1両に7基ありましたが、常磐線用車両は2基の無線アンテナ設置のため、運転台付近の冷房装置の配置間隔が通常より開いているのが特徴でした。

 

また、急行形455系「ときわ」などにも見られますが、藤代以北の交流電化区間では2万ボルトの電流が流れているかどうかを知るアンテナで、逆L字型になっていました。

直流電車の115系165系では見られない先頭部の外見でした。

 

9 急行列車運用

急行「ときわ」の臨時増発で急行形451系車両が不足した時代に、近郊形415系を急行に充てたもので、415系の一部ロングシートでも急行料金を徴収した、今では考えられない発想の臨時急行列車でした。

近郊型電車の臨時急行への代用は、中央線・高崎線115系などにも見られました。

 

10 1両だけのステンレス付随車サハ411-1701、1601

7両編成の白い車体の中間、4号車に挟まれた異色のステンレス車です。

ステンレス車の4両編成2組の中に組み込まれていれば特に異色ではなかったのですが、鋼製車体の白色の中に1両だけ組み込まれたステンレス車は不思議な光景でした。

また、座席はセミクロスシートからロングシートへと変わっていきましたが、ロングシートであっても乗降ドア付近にはタバコの簡易灰皿をわざわざ設置していました。

当時、禁煙車などはなく、全車両でタバコは自由の時代でした。

 

【番外編】 平行き、大津港行きの行き先表示

筆者はいわき行きならぬ、(旧)平行きが好みのため、ここで挙げさせていただきました。

電車先頭部の行き先に「平」の一文字が表記されていたのが印象的でした。

 

常磐線で好きな行き先の二番手として、大津港行きがありました。

一般の人には大津港とは、どこまで行く列車だろうかと思われるかもしれません。

大津なら滋賀県ですが、大津港は茨城県で、「おおつこう」という「こう」が加わった語感は「たいら」同様に好みでした。

ちなみに、当時の平駅の一つ先、草野行き、二つ先の四ツ倉行きも、どこまで行く列車か戸惑う光景がありました。

日中、土浦行きしかない常磐線普通列車を見ていると、415系の平行き、EF80型電気機関車牽引の普通列車仙台行きを懐かしく思い出します。

 

(※ 記載にあたり、415系の項を中心にWikipediaを参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。