平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

相鉄線ミステリートレインReの企画に期待する

普段は通過しない線路上を行く列車に乗れるファン心理を捉える企画

相模鉄道で6月18日(日)に、かしわ台を出発駅とする「相鉄線ミステリートレイン Re」を運行する旨のニュースリリースがありました。

2022年5月8日(日)に続く第2弾で、かしわ台駅集合、解散での3列車設定は前回同様です。

乗車時間1時間30分前後もほぼ同じですが、2列車目の「相鉄線ミステリートレイン2号」は 12時20分集合・受付、14時15分頃解散で、実際の乗車時間は不明なものの2時間弱の最長時間設定となっています。

リリースの中で、

「日々の乗車では味わえない、非日常の光景を通じて、特別な時間を過ごしてしていただくことを目的に実施」

「3便ごとに異なる車両と行路で、お客さまが普段ご乗車できない特別な行路を走行」

「どの車両でどこに行くか、乗るまで分からないミステリーツアー」

との謳い文句が列記されており、鉄道ファンの気持ちが動きます。

(蛇足ですが「3便」の表現は飛行機的なイメージも受けます。「3本」「3列車」の方がよいように思われます。)

 

相鉄は本線、いずみ野線、新横浜線の3路線、42.2kmの規模ながら、ミステリートレインの行き先よりも経路、本線の線路から分岐する枝線、引込線に期待を抱かせます。

具体的にはまず、かしわ台車両センター相模大塚の電留線への入線。

次に、車両回送、車両搬入のみに使用する相模国分信号所-厚木操車場(JR相模線厚木駅)間2.2kmの厚木線の乗車です。

西横浜の電留線入線は規模が小さいため困難と思われますが、仮にこれが実現すると鉄道ファンの喜びは倍加します。

鉄道ファンの憧れの一つは、通常は乗れない線路上を行く列車に乗ることだからです。

 

リリースには車両形式写真があり、21000系、20000系、12000系、11000系、10000系、10000YNB系、9000YNB系、8000系、8000YNB系、モヤ700系の計10種類が掲載されています。

10種の中で、事業用モヤ700系が含まれているのはどんな意味合いがあるでしょうか。

同系は「見たら幸せになれる電車」「幸せの黄色い電車」ともてはやされ、東海道新幹線ドクターイエロー」(新幹線電気軌道総合試験車)923形を思わせる人気があります。

モヤ700系に乗れるのか、乗れないが近くで走行シーンが見られるのか、停車中の光景か、関心を誘います。

 

この企画参加には、相鉄・鉄道全線1日乗車券購入が要件になっており、「相鉄線ミステリートレイン」の乗車前後に、少しでも多くの相鉄車両形式に乗車し、相鉄電車に一層親しむのも参加者、鉄道側双方に効果的です。

相鉄線に乗り入れてくる東急、JR埼京線の電車への乗車も新横浜線開業後の喜びとなっています。

 

駅ホームと電車の行き先表示器に見る、路線と行き先の多様さも関心事です。

直通先の路線は、JR横須賀線埼京線川越線東急東横線目黒線東京メトロ副都心線南北線埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線都営三田線東武東上線の10線。

列車の行き先は、渋谷、新宿、新宿三丁目、池袋、川越、川越市、赤羽、赤羽岩淵、西高島平、高島平、大宮、和光市浦和美園、志木、武蔵小杉、森林公園、武蔵浦和、目黒、奥沢、新横浜、小川町の21種類があります。

武蔵小杉、渋谷、新宿、赤羽、川越の行き先を見ると、東急経由か、JR経由なのか。

東急は東横線経由か、目黒線経由か。

 

列車種別は特急、通勤特急、急行、通勤急行、快速、各駅停車の6種類のどれか。

列車の行き先、路線、経由駅、種別、停車駅を合致させるのは一般利用者には複雑すぎ、整理して単純明快にしてほしいところです。

反面、鉄道趣味としてはこの複雑さに探求心を誘われます。

 

相鉄新横浜線開業は2023年3月18日の全国ダイヤ改正の中でも、もっとも大きな明るい話題でした。

近年、ミステリー列車企画は下降線の傾向ですが、新線開業で話題持ちきりの相鉄がミステリ―トレインを企画し、自社路線に一層親しんでもらおうとする積極姿勢は鉄道他社へのよい刺激になると思われます。