平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

時刻表がインターネットに勝る3つの持ち味

インターネット全盛でも時刻表に存在価値はあります

インターネット(以下、「ネット」)が世の中を大きく変えましたが、時刻表冊子(以下、「時刻表」)はネットの影響を受け、発行部数に影響があったと思われます。

時刻表は毎月発行の都度、最新情報が掲載されますが、状況は常に動いています。

そのため「時刻表は毎月変わっています。必ずその月のものをお使いください。」との説明が載っています。

大規模なJR全国ダイヤ改正は年に一度ですが、特定地域又は特定路線のダイヤ改正、臨時列車の設定、制度の改正、イベント、企画切符、列車編成変更などがあるからです。

ネット以前はダイヤ改正時だけでなく、季節ごとの臨時列車情報を知るため時刻表を見る機会が多くありました。

ネット定着後は無料、簡単、迅速、正確に最新情報が得られるようになり、時刻表の出番がほとんどなくなりました。

さらにスマホが加わり、厚くて重量のある時刻表と、カメラ機能により鉄道旅行での2つの持ち物が減りました。

 

ネットの便利さは時刻表の分野でも存分に発揮されています。

調べる時間の短さは、時は金なりの人にとって重宝します。

乗車区間の列車時刻、途中停車駅時刻、運賃、料金、キロ数が瞬時に示されます。

JRだけでも新幹線、特急、普通列車それぞれの情報が出ますし、JRだけでなく私鉄、飛行機、高速バス、路線バス、フェリーまで路線の代替え案も瞬時です。

さらに乗車駅と到着駅の番線、列車乗車時間と全体の移動時間、乗換回数、別路線に乗り換える際の徒歩移動時間、ICカードと切符購入の各運賃、駅の1日全体の発車時刻表、出口案内、地図まで情報が提供されます。

ここまでくると、もはや時刻表に戻ることが難しくなります。

 

では、時刻表がネットに勝る持ち味はあるのでしょうか。

それは、①列車運行の全体像が見えること、②画面ベースより紙ベースの方がなじむこと、③頭の体操になること

この3点と考えます。

具体的には以下のようなことです。

なお、ネット使用の人に対して、悪い意味で言っているのではありませんので、誤解のないようお願いします。

 

① 列車運行の全体像の面では、各路線の始発から最終までの全列車設定状況がネットよりも見やすく、路線全体のダイヤが見やすくなっています。

ネットでも路線全体の、全駅全列車運行時刻を掲示している会社路線はありますが、全ての路線ではありません。

 

② 紙ベース世代ゆえかもしれませんが長年の習性で、紙を見ることになじんでいます。

紙をめくりながら見たいページを開き、1頁では収まらない幹線では次頁に進んだり、前頁に戻ったりの繰り返しです。

でも、それがいいのです。

スマホ画面の指操作で前後頁を何度も動かすより、紙を繰り返しめくる方が列車時刻を調べる空気が高まります。

 

③ 列車時刻を調べる際、ネットは頭を使わずに済みますが、原点に返って、時には時刻表を読みながら何度も頁をめくって列車計画を立てるのはいかがでしょうか。

例えば東京-大阪を東海道・山陽新幹線でなく、東海道線で行く。

途中、快速・新快速には乗らず完全な各駅停車列車で行く。

東海道線でなく、中央線と関西線で行く、北陸新幹線経由で行くなど、想像力を巡らして時刻表から誌上計画をしてみます。

羽田-伊丹・関空・神戸の飛行機、日中と夜行の高速バスなども、アクセス時間を加えて、料金等を自ら比較計算してみてはどうでしょう。

程よい頭の活用になります。

 

蛇足ですがネットは便利で楽な反面、依存しすぎて記憶力は衰え、漢字、数字等は忘れがちです。

忘れても、無理に覚えなくても、ネットやデータで調べればいいという考え方になるからです。

自分も話す時など、言葉が出にくくなって「あれ」などで代用のケースが多くなってきました。

時刻表で誌上計画を立てることは、頭の活性として適当な一材料と思います。