平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR時刻表とJTB時刻表 使いやすさを比べました

JR版とJTB版、それぞれ一長一短の持ち味を比較します

JR時刻表JTB時刻表を比べてみるとそれぞれ一長一短で興味深いものがあります。

どちらを購入するかは自分がどの内容を詳しく見たいかによります。

両方購入すればいいと言えば話は終わってしまいます。

鉄道ファンの視点で見れば大雑把でなく、詳細な方が実用性や満足感があります。

見やすいか、使いやすいかによっても評価は変わります。

今回は両者の時刻表内容を比較してみました。

以下、JR時刻表はJR、JTB時刻表JTBで表記しています。

なお、この評価には筆者の嗜好や主観がありますので予め申し添えます。

 

〇地図の見やすさ:JR。とくに九州地図の地形略図はJRの方が自然体。

〇地下鉄路線図:JTB。JRは東京と横浜の地図が横向きで使いにくい。

路面電車の停留所:JTB。JRにはこの案内掲載はない。

〇地図上の私鉄駅:JTB。大都市以外はほとんど全駅表示している。

〇(同)JR会社間の境界:JR。カラーで会社名を表記している。JTBは境界線だけ。

〇(同)地方の路線バス網:JTB。JRよりも路線表記が詳細で親切。

〇(同)空港位置:JTB。マークが分かりやすい。JRのマークは判別しにくい色。

〇(同)観光地情報:JTB。「おもな国立公園・国定公園・観光地」として詳細で、表記も明快。JRは「周遊おすすめ地」として地味な表記で実用性に不足。

〇主要駅の(おもな駅の)ご案内:JTB。ご案内窓口、交番表示、改札口の赤文字表記、カラーのトイレマークは見やすい。乗り換え標準時分も、専用頁とは別にここでも表記している配慮が見られる。

JRはトイレをWCとしているが探しにくい。

〇臨時列車の判別:JR。臨時列車が斜め数字で定期列車と明確に判別可能。

〇特急列車の判別:JR。赤字表記で分かりやすい。JTBの右側太線表記に勝る。

〇土曜・休日運休列車の判別:JR。特急同様、赤字で見やすい。

〇新幹線全般:JR。臨時列車が多いので、斜め数字はありがたい。

JTBは定期と臨時の数字表記が同じため、臨時列車判別がしにくい。ただし列車形式の表記は鉄道ファン向け配慮。

東海道・山陽新幹線:JR。「のぞみ」「みずほ」の青字は分かりやすい。

山陽新幹線:JR。東海道新幹線九州新幹線の頁との重複を承知の上で山陽新幹線を二重に表記し、東海道た山陽、山陽と九州を一体化している。山陽新幹線内利用の際は東海道新幹線九州新幹線、どちらの頁でも使える。

山陽新幹線の二重表記は印刷経費面では非効率な感じもするが、JR西日本側の視点でJR東海JR九州に配慮したかどうか。

九州新幹線:JR。山陽新幹線と一体化していて見やすい。

〇西九州新幹線:JR。JTBは1頁に詰め込んだため、見にくい。ただし「リレーかもめ」の列車形式を表記しているのはファン向け配慮。

〇東北・山形・秋田・北海道新幹線:JR。「はやぶさ」の青字は分かりやすい。

JTBの編成両数表記は形式や編成両数の複雑なJR東日本の鉄道ファン向け。

上越北陸新幹線:JR。北陸新幹線列車が青文字。東北新幹線に倣えば速達の「かがやき」だけ青文字でもよいわけだが、北陸新幹線全列車を青文字にしたのは「かがやき」の本数が少なすぎるからとも言えるかどうか。

余談だが、上越北陸新幹線だけ、JR時刻表見出しでは「上越新幹線北陸新幹線」として、新幹線の文字を二重に入れているのは不思議。

〇新幹線のりつぎ:JTB。ただしJTBはこのコーナーを省略している。

JRがこのコーナーを掲載しているのに掲載のないJTBの判定にしたのは、定期列車のみの記載では、臨時列車の多い新幹線では実用性がないため。

とくに、東海道新幹線が新大阪止まりと山陽新幹線直通とで号数を分けながら、新大阪止まりの号数のままのりつぎ案内を表記するのは逆に混乱を生じさせる。

新幹線のりつぎ案内の頁は廃止してよいと考える。

〇新幹線からの乗り換え案内(新幹線との乗りかえに必要な標準時分):JTB東海道新幹線を上段に、東北新幹線を中段に、上越新幹線を下段にした構成は見やすい。

伊豆急行JTB。全駅掲載されている。JRは東海道線東京-熱海と一体化したため、主要駅しか掲載されていないのはマイナス。

湘南新宿ラインJTB。新宿以南を東海道線に含ませ、新宿以北は東北線高崎線に組み入れるのは親切な配慮。

東海道線の後の路線構成順序:JTB東海道線東京-熱海、熱海-米原の後の構成がJTBとJRで異なる。

JTB東海道線米原から門司まで一挙に続く構成で、そのあと総武、房総各線に始まり、山口県に至る。

JRは東京-熱海、熱海-米原の間に武豊線御殿場線高山線など、国府津-岐阜間の接続路線を挟み込む。

どちらが見やすいかは好みや、使う側の実用性にもよるが。

〇山陰線、四国路線、九州路線の構成順序:JR。山陰、九州、四国の順。

JTBは四国、山陰、九州の順。

山陽線の次は山陰線が自然で、山陰の前に四国を充てるJTBの順序は見つけにくい。

長崎線佐世保線:JR。鳥栖-長崎、佐世保が一体で見やすい。

JTB諫早-長崎を大村線と合体させ、鳥栖-江北、江北-諫早との計3分割となった。

高崎線東北線JTB。東京-大宮だけ見ればJRの方が同頁で便利に見えるが、東北線は黒磯から先も続くことから高崎線と切り離し、東京から盛岡まで連続する方が見やすい。

常磐線:JR。品川-仙台を一体化しているので見やすい。

JTBはいわきで分割している。ただし印刷経費的にはJR16頁、JTB9頁で、JTBの方が効率的ともいえる。いわき分割の構成に無理は感じさせない。仙台側の列車空白の多さをどう扱うかはJR編集部の悩みどころと察する。

羽越線JTB。新津-秋田全区間で6頁。

JRは酒田分割で7頁。

酒田-秋田は新津-酒田の下段にあるが、別のローカル線的扱いの印象を持つ。

白新線:JR。新潟での発着番線が分かる。

JTB羽越線新津の上に新潟を掲げ、白新線本文では特急表記を省略しているが、この扱い方は感心できない。

田沢湖線奥羽線大曲-秋田:JR。盛岡-大曲-秋田-青森を一体化し、実用的。

JTBは秋田で分割しているが、一体の方が便利。

〇函館線、室蘭線千歳線(函館-札幌):JTB。苫小牧分割で見やすい。

JRは東室蘭分割だが東室蘭-苫小牧に空白部分が多く、非効率。

〇私鉄の有料特急:JTB。全列車発着時刻を掲載。JRは始発駅時刻のみの路線があり、実用性に欠ける。

〇私鉄の料金不要特急の停車駅:JR。所要時間を入れることで停車駅案内を兼ねるのはアイデア

JTBは簡略マークのみで所要時間表記はない。

〇私鉄の割引切符:JTB。冒頭で詳細に紹介されている。

〇JRの最新企画切符等の情報:JR。JRグループ監修だから当然か。

〇航空ダイヤ:JTB。国内線、国際線とも充実している。

JRは国際線を省略しており、魅力がない。

〇列車編成のご案内:JTB。形式を添えているのはファン向け配慮。

JRの各号車への禁煙車マークの表示は省略していいのではないか。

◆不思議なこと

巻頭地図やJR路線の本文は九州から北海道へと北上する順序だが、特急列車のみの時刻、特急列車編成のほか、ハイウェイバス(長距離バス)、地方路線のコーナーから航空機は北海道から始まり九州、沖縄へと南下する構成なのが妙。

九州から北海道へ向かう方が整合性はあるのだが、昔からこの流れになっている。

 

以上ですが、ちなみに筆者は臨時列車判別のしやすさからJR時刻表の購入率の方が高いです。

まだ書きたい箇所や路線はありますが、今回はこの辺までとします。