平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東急東横線「Q SEAT」利用促進にはまず「S-TRAIN」と料金・購入方法の同一化を

東急線内利用の「S-TRAIN」350円に対して「Q SEAT」500円では避けられてしまう

マイナビニュース、東急東横線『Q SEAT』利用率は? サービス開始から半年以上経つが…」を拝見しました。

大井町線田園都市線で好評の「Q SEAT」を東横線でも期待したものの、利用が伸びていないことに触れた内容です。

今回は、東横線の「Q SEAT」について考えてみたいと思います。

なお、大井町線田園都市線で「Q SEAT」が好評なこととの比較、整合性については触れませんので予めご了承ください。

 

東横線「Q SEAT」利用が伸びない要因としては、地下鉄副都心線直通でないこと、通勤特急でなく急行への設定であること、「S-TRAIN」350円に対する「Q SEAT」500円の割高・不公平感、ICカードでの購入不可、30分から40分台の乗車時間、他の8両の普通座席車との比較等において見合わないという利用者の総合的な受けとめがあると思われますが、一番の要因としては500円の負担感と考えます。

 

「Q SEAT」については、2023年11月11日付け、拙「東急東横線Qシートの利用促進策を考える」の中で、渋谷-横浜の運賃が309円ならば「Q SEAT」料金は運賃の半額150円が適価と書かせていただきましたが、鉄道側から見ると500円に対して150円、70%も値引くのは発想が安直、非現実的だったかもしれません。

 

今回の本文でも指摘されていますが、土曜・休日の「S-TRAIN」は東横線内では350円です。

S-TRAIN」は改札口や駅ホーム上の券売機でもICカードで購入できるのに対して、「Q SEAT」は駅窓口のみの購入の不利さもご指摘のとおりです。

 

ひとまず「S-TRAIN」が350円である以上、「Q SEAT」も350円とすること、改札口・駅ホーム上の券売機で購入可能とすることが必要と思われます。

また、性格は異なりますが「S-TRAIN」の東急版が「Q SEAT」という位置づけの上で、「S-TRAIN」同様の購入方法のほか、地下鉄副都心線西武池袋線への直通、東横線内は特急としての充当、日中を含めた終日運用等で「Q SEAT」をPRし、知名度を高めていくことも必要と思われます。

また、元町・中華街駅から渋谷へ折り返す際は、座席の向きを変えないまま走行し、指定券なしで「Q SEAT」に乗車できることに触れていますが、反対方向への利用が料金不要である措置が逆に、料金を支払って乗車している人にはあまり愉快でない光景に映るようにも感じます。

10両編成とは言え「Q SEAT」の2両設定は過剰な結果となり、隣の一般車両で混雑する車両に乗る通勤客からは不快に思われていることも想定されます。

「Q SEAT」を1編成1両にして、減車した「Q SEAT」は他の編成に充てて「Q SEAT」連結車両を増やし、夜の帰宅通勤時以外にも存在をアピールしていくことも利用促進の一策と思います。

いずれにしても東横線内だけの渋谷折り返し列車運用だけでは利用促進に限度があります。

東京メトロ半蔵門線西武池袋線への直通理解、「Q SEAT」取り扱いの協議が不可欠と考えます。

同じ10両編成でもグリーン車が2両あるJR東日本とは走行区間、距離、停車駅数、混雑状況、利用者の乗車時間等が異なります。

その際、「Q SEAT」車両は1編成2両よりも1両の方が、混雑時の一般車両への影響も比較的小さいことに理解は得やすいと考えます。

JR東日本でも10両編成でグリーン車は2両あるからとか、大井町線は7両編成だから「Q SEAT」は1両、東横線は10両編成だから2両という発想はしない方がよいと思われます。

 

※写真は本文と無関係です。