平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

つくばエクスプレス土浦延伸後のTX編成と常磐線ダイヤの変化予測

JR東日本は「ひたち」全列車の土浦停車による東京-土浦の9.5往復増で対抗と予測

2023年6月23日に茨城県知事が、2050年頃につくばエクスプレス(以下、「TX」)のつくば-土浦延伸を定例記者会見で表明したとのニュースがありました。

現在のTXと常磐線は直接の競合はないものの、TXが常磐線土浦駅で接続すれば東京・秋葉原-土浦、北千住-土浦は競合区間になります。

今から27年先、2050年の話をしても仕方ないことですが、夢や想像の世界を描くのも鉄道趣味の一分野です。

つくば-土浦は約10kmの距離です。

面積、世帯、人口を見てみると、2023年6月1日現在、つくば市は283.72㎢、70,093世帯、141,233人。

土浦市は122.89㎢、66,011世帯、141,912人となっています。

今回は、TX土浦開業後のTXダイヤと、TX転移を最小限にとどめる常磐線ダイヤを予測してみました。

 

◆現在のTXつくば-秋葉原のダイヤを見る

つくば発着の日中ダイヤは快速、区間快速、普通(各駅停車)の3種類で、最高速度130km/hを活かし、秋葉原までの所要時間は快速45分、区間快速54分、普通65分です。

3種類それぞれ毎時2往復で、計6往復の発着です。

平日朝夕のラッシュ時は快速でなく区間快速で運転します。

平日17時から20時の下り秋葉原発列車には通勤快速が設定され、所要51分です。

運賃は1,205円です。

 

◆現在の常磐線土浦-上野のダイヤを見る

平日の土浦発普通列車は3往復、特急「ときわ」1往復の計4往復で、所要約1時間10分、特急約40分。

ラッシュ時の一部を除き東京、新橋経由、品川直通がTXにない強みとなっています。

日中の普通列車は土浦発上り列車で見ると毎時12・35・57分発で、乗車直前に列車が発車した後の待ち時間は最短15分、最大23分あります。

これは特急退避のための影響であり、仕方ないことですが20分以上待つことはTXに対して不利です。

三河島、南千住、我孫子、天王台を通過する特別快速が、朝の上りと夕方前の下りに各2往復だけ設定されています。

東京・上野-土浦の運賃は1,166円、特急「ときわ」の特急料金は1,020円です。

 

◆TX土浦発着ダイヤの想定

土浦市つくば市の人口規模がほぼ同数であること、石岡、水戸補面からの乗り換えも考え合わせると、つくば止まりの列車がそのまま土浦へ延長運転するダイヤになると想定されます。

途中、何駅かが設けられ、区間快速と通勤快速は停車、快速だけ途中駅を通過すると想定されます。

運賃的には常磐線の方が安いのは仕方ありませんが、常磐線特急による料金加算と比較すればTXの快速の方が有利になってきます。

TXでは現在の6両編成では混雑しているため8両化を目指して各駅のホームを延伸しています。

完成は2030年度以降と言われています。

運転本数は現在と同じ様とし、編成両数の増加で対応する方向と思われます。

8両化を機に、京王線「京王ライナー」、西武新宿線「拝島ライナー」、西武池袋線東急東横線、地下鉄有楽町・副都心線「Sトレイン」、東武東上線TJライナー」、同伊勢崎線東京スカイツリーライン)「THライナー」、京急「モーニング・ウィング」「イブニング・ウィング」などと同様に、有料通勤特急を設定することも考えられます。

また、東急大井町線東横線の「Q  SEAT」のような、一部号車での座席指定、常磐線普通列車グリーン車のような自由席型の特別車両併結も想定されます。

JR東日本普通列車グリーン車自由席方式よりも、大手私鉄の座席指定方式の可能性の方が高いと思われます。

8両化後、全車ロングシートか、1両だけ有料座席指定方式か、別に通勤ライナー編成を用意するか、土浦延伸前に8両化は完成するので、TXの2030年での通勤混雑状況、営業施策によっても判断は変わってきます。

 

常磐線土浦発着ダイヤの想定

筆者の予測は特急「ひたち」全列車の土浦停車です。

上野-水戸のノンストップが「ひたち」の特色ですが、土浦停車により土浦から東京への毎時1往復の実質的増発(増停車)により、常磐線への選択を有利にするものです。水戸から東京へ行く際、土浦でTXに乗り換えてしまう、いわゆる相手に塩を送る懸念もありますが、土浦-上野の特急毎時2往復化の効果の方が勝ると考えます。

 

日中の普通列車も増発により上野-土浦での毎時20分間隔から15分間隔化が望ましいですが、その一方で、上野-取手(正確には上野-我孫子)間の常磐快速は10分間隔で整備されています。

土浦側の中距離電車を1往復増発すると、上野-取手(我孫子)の等間隔ダイヤを維持するには7.5分間隔の運転になり、上野-取手の快速の1往復増発も必要になってきます。

上野-成田の列車を上野-土浦に変更すれば現ダイヤのままで毎時4往復になりますが、15分間隔運転にはなりません。

成田線沿線側でも上野直通が我孫子止まりになることでの苦情が想定されます。

 

◆上野-土浦で日中の特別快速復活はあるか?

上野-土浦で日中の特別快速の増発(復活)は、料金不要列車での速達として効果がありそうですが、日中の運転をやめたことには理由があります。

途中で、前を行く同区間設定の普通列車を追い抜くためで、上野-土浦の列車としては実質的に4往復でなく3往復と同じ結果を招きます。

追い抜かれる列車の利用率も下がります。

特快を設定するならば、先方の普通列車が上野-土浦でぎりぎり、後続の特快に追い抜かれないダイヤを組むことです。

 

2050年には常磐線羽田空港直通も行なわれている見込みなので、それもTXにない強みになります。

鉄道環境はワンマン運転無人運転、乗務員の無人化等、時代に合わせた変化が予測されます。

JR東日本はTXを横目にマイペースで進むか、何らかの先手を打つか。

TXは土浦の常磐線利用者、及び水戸方面側、さらにバスからの転移をどのような施策で誘導するか。

その頃は自分の方が土の裏かもしれませんがそれはさておき、展開を見守りたいと思います。