普通列車、定期特急、臨時特急の3種を比較します
2月から3月にかけて、日本三名園の一つ、茨城県水戸市の偕楽園が梅が見ごろの時期に合わせて賑わいます。
常磐線偕楽園駅は駅を降りてすぐに観光地に着く、全国有数のアクセス時間の短い駅です。
梅の開花時期の土曜・休日、下り列車のみの停車で、上り列車はホーム自体がなく、全列車が通過することで知られています。
2024年の営業は2月10日(土)から3月20日(水・祝)までで、平日は全列車が通過します。
2023年から営業キロが設定された結果、従来まで東京から水戸121.1キロ2,310円の運賃が、119.3キロ1,980円に値下げとなったことは朗報です。
今回は、東京(上野)-偕楽園の列車往復計画の話です。
安価なフリー切符はあるか
偕楽園駅の利用は、土曜・休日が前提です。
東京-偕楽園の運賃は片道1,980円、往復3,960円です。
特急料金は片道1,580円、往復3,160円で、特急往復は7,120円です。
◆ 青春18きっぷは
2月中は使えませんが、3月に入ると青春18きっぷ(以下、「青春18」)が使えます。普通列車専用、5回分12,050円、1回当たり2,410円で、通常運賃の往復3,960円よりも1,520円安価になります。
普通列車のグリーン車を使うと、3月15日までは事前料金で800円ですが、3月16日から1,550円と、ほぼ2倍になり、特急料金1,580円とほぼ同額になります。
上野-偕楽園の所要時間は、特急で約1時間10分、普通列車で約2時間弱です。
松戸まで普通車に乗って、松戸-偕楽園でグリーン車に乗るとグリーン料金は1,000円に下がります。
3月16日以降、普通列車のグリーン車はあまりお勧めできません。
◆ ときわ路パス
3月31日までの土曜・休日限定で2,180円、茨城県の駅のみでの発売です。
特急にも料金別払いで乗れますが、取手で購入後、土浦からの乗車となるため特急に乗る価値は薄れます。
東京からの場合、常磐線取手までICカードでも片道736円、往復1,472円が必要で、茨城県内の人だけにお勧めできるフリー切符です。
安く行くなら3月に入ってから青春18きっぷとなります。
一人で使う場合、3月1日から4月10日までに偕楽園を含めて5回出掛けることが前提になります。
上野8:17発→偕楽園10:28着、(同)8:49発→10:57着、9:12発→11:30の3本です。
上野発時点では15両編成でグリーン車もありますが、土浦までで10両が切り離されます。
偕楽園まで行くのは前側の水戸寄り付属編成、普通車のみの11~15号車の5両に限られます。
11・12号車はロングシート、13~15号車は4人掛けボックス席のあるセミクロスシート、トイレは11号車です。
この後の時間帯は土浦行きとなり、乗り換えが伴います。
上野9:25発以上の普通列車は夕方近くまで全部土浦止まりであり、水戸方面はすべて土浦で乗り換えが伴います。
そのため、お勧めできる電車は前記3列車となります。
東京からの特急なら「ひたち7号」をお勧め
特急は8時からの午前中列車は偕楽園に停車します。
上野の次が偕楽園まで無停車の「ひたち」、とくに上野-水戸が所要65分の最速列車、東京9:53発「ひたち7号」をお勧めします。
上野-柏を普通列車(快速)の乗車、柏-偕楽園を特急「ときわ」とすると特急料金は上野からの1,580円に対して1,020円になります。
上野発で「ときわ」の発車直前の快速に乗る場合、北千住または松戸で特急に抜かれてしまうことがあるため注意が必要です。
偕楽園から東京への帰路の留意点
偕楽園駅は上り線にホームがない特殊な駅です。
東京へ戻る場合、一旦水戸まで下り普通列車に乗って、水戸から特急や普通列車で戻ることになります。
偕楽園から水戸へは、半数は特急列車で、2分程度の乗車でも特急券が必要なことには注意が必要です。
11時台から15時台まで、偕楽園→水戸の普通列車は毎時00分・32分と概略で覚えておくと利用しやすくなります。
水戸発上野方面直通の普通列車は9:33のあと、15:31発になります。
その間は全部土浦乗り換えです。
上野から普通列車直通往復乗車とすると、上野9:12発→偕楽園11:30着→昼食・観光→偕楽園15:00発→水戸15:02着、15:31発→上野17:34着になります。
偕楽園周辺観光と昼食を含めて3時間30分の滞在時間になります。
グリーン車は事前料金で800円ですが、3月16日のダイヤ改正後は1,550円で、約2倍に跳ね上がります。
松戸までグリーン車に乗って、松戸-上野を普通車に移動すると1,000円になります。
東京、上野発着とは異なる武蔵野線経由の臨時特急も特定日に運転されます。
常磐線「ひたち」「ときわ」のE657系と異なり、乗車の機会が少ない臨時特急用E653系で運用されます。
3月2・3日の川越線川越-勝田に「水戸偕楽園川越号」、3月9・10日の内房線君津-勝田に「水戸偕楽園君津号」、3月16・17日の中央線高尾-勝田に「水戸偕楽園高尾号」があります。
「水戸偕楽園川越・高尾号」は、南浦和・南越谷・吉川美南停車は共通します。
武蔵浦和-大宮、新小平-国立の貨物線は一部の普通列車も走りますが、北小金-南流山の貨物線を通過する列車は少なく、貴重な?走行区間です。
鉄道ファンは帰路の、北小金→南流山の方が常磐下り線をまたいだ後、左手から馬橋→南流山の貨物線が急勾配で合流してくる珍しい走行を観察します。
北小金→南流山の区間に乗るためにこの臨時特急に乗るといっても言い過ぎでないほどの価値?があります。
いつもながら貨物線走行の貴重さにこだわった案内になってしまいましたが、多少でも参考にしていただければ幸いです。