平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

常磐緩行線天王台、取手のホームドア 2023年度追加整備盛り込みを考える

常磐緩行線天王台、取手にホームドアに驚き

JR東日本は2023年7月21日付けニュースリリースで、「バリアフリー設備に関する整備を推進します」を公表しました。

公表内容の中で、「ホームドアのさらなる整備拡大」の項目から一部を引用します。

(以下、引用)

2023 年度のホームドア整備計画については、すでに公表している 12 駅 24 番線に加え、常磐緩行線天王台駅取手駅金町駅亀有駅南武線稲城長沼駅、南多摩駅の6駅 12 番線に整備します。
世界的な半導体不足の影響により、依然としてホームドア整備に必要な部材の一部に調達の遅れが発生している状況ですが、今後も部材の調達状況を見極めながら、鉄道駅バリアフリー料金制度を活用し、引き続き 2031年度末頃までに東京圏在来線の主要駅330駅758番線にホームドアの導入を目指します。

(以上、引用) 

 

JR東日本のホームドア整備状況は

JR東日本のホームドア計画は、2031年度末頃までに首都圏330駅758番線への整備が目標で2021年度末現在、92駅183番線に整備済みです。

整備率は駅27,9%、番線24,1%の状況です。

2022年度の7駅14番線、2023年度の18駅36番線を加えると、2023年度末で117駅233番線となり、駅35.5%、番線30.7%になります。

 

常磐緩行線天王台、取手が盛り込まれたことに驚き

今回のリリースで驚いたのは、常磐緩行線の天王台と取手が2023 年度のホームドア整備計画に加えられたことです。

2023 年度の整備計画は、公表済みだった 12 駅 24 番線に加えて今回、6駅 12 番線を追加した形ですがリリース公表のとおり、導体不足の影響により整備は遅れている状況です。

その中で今回、6駅 12 番線整備追加は貴重なことでもありますが、その貴重な6駅に常磐線でも緩行線側、平日1日24往復発着、土曜休日は運転しない天王台と取手が入っているのが整備優先順序から見て妙な印象を受けました。

 

天王台駅の経過

ここで天王台の経過について整理します。

天王台駅は1971年4月20日開業。

常磐線は綾瀬-我孫子複々線化。

上野-取手は快速線、綾瀬-我孫子緩行線となって、緩行線は千代田線と相互乗り入れ運転。

1982年11月15日:我孫子-取手を複々線

緩行線電車が我孫子-取手延長運転。当初から朝夕ラッシュ時のみの運転として割り切ったダイヤ。

1988年3月13日:土浦方面の中距離電車も天王台に停車

1998年12月25日:緩行線天王台駅ホームにエスカレーター設置

2021年3月13日:緩行線我孫子-取手列車は平日のみの運転とし、土曜・休日は運転しない

 

天王台駅の列車ダイヤ

緩行線の天王台と取手の両駅に土曜・休日は乗り入れなくなり、平日専用の区間となりました。

天王台駅緩行線の平日の運転本数は朝13往復、夕方11往復、1日24往復の状況です。

一方、快速線は117往復です。

天王台駅快速線緩行線の合計発着本数141往復に対して緩行線は24往復です。

北柏駅から見た取手方面の緩行線電車は133本に対して24本です。

 

緩行線天王台、取手駅ホームの状況

常磐緩行線綾瀬-取手間のホームドアは2023年度末時点で松戸、我孫子を除いて全駅に整備されます。

松戸、我孫子は2024年度末設置の計画ですが、半導体不足の影響で変わるかどうかは不透明です。

 

本数が少ないながらも緩行線側の天王台と取手にホームドアが設置されること自体は歓迎されます。

緩行線の天王台と取手ホームにはエスカレーターもあります。

緩行線のエレベーターは、取手にはありますが天王台にはありません。

天王台駅緩行線側階段は2か所ありますが、我孫子側の階段は閉鎖されており、快速線ホームから見ると板を打ち付けた印象で痛々しく映ります。

 

日中の上野-取手の快速の一部を成田に振り替えて、緩行線取手延長でフォローを

常磐緩行線我孫子-取手の非効率性については、2022年10月1日付け「常磐緩行線我孫子-取手は快速線を」で触れさせていただきました。

快速の天王台通過ができないならば、緩行線の同区間の線路が活かせないので、緩行線が平日朝夕のラッシュ時のみの運転ならば天王台、取手の発着を快速線にしたらどうかという提案の内容でした。

以下、内容が一部重複しますが、ご了承ください。

 

常磐快速線上野発の日中の列車時刻は、00分特急「ひたち」、02分取手、12分土浦、22分取手、30分「ときわ」、32分土浦、42分成田、52分土浦の行き先または列車となっています。

上野-我孫子は10分間隔、上野-土浦は20分間隔のわかりやすいダイヤです。

42分発だけは成田行きです。

成田線我孫子-成田(我孫子支線)は30分間隔で、上野直通と我孫子折り返しの交互運転となっています。

 

2022年度の乗車人員は天王台15,390人、取手22,162人です。

天王台の緩行線ホームにはホームドアは整備されるものの、エレベーター整備まではしていないため、エレベーター使用時は快速線利用となります。

しかしホームドアにより一歩前進したので、緩行線我孫子-取手の列車設定、路線活用を見直してもよいのではないかと考えます。

 

成田線の本数はもう少し増やした方がよいのではないかと考えます。

具体的には我孫子止まりの成田線列車の上野直通、上野-取手間快速の上野-成田への振り替えです。

我孫子-取手で快速2往復が減となる分は、緩行線の取手延長運転で補うことができます。

10両編成列車が毎時3往復では輸送力過剰なら、E231系快速を付属編成同士の5両+5両として我孫子で分割併合し、成田側5両が成田へ向かうのはどうでしょうか。

我孫子での分割併合が多すぎ、手間がかかって非効率とするならば、我孫子-成田を毎時2往復で継続する代わりに、上野12分発だけを10両編成で成田直通に変更する方法もあるかと思います。

そして、我孫子で多少時間調整し、成田線内を極力30分間隔に近づけます。

 

成田線の乗車状況を見ると、それなりの利用があると見受けますが、新年の成田山初詣の多数の臨時列車設定を想定して、全駅に列車交換設備がある代わりに、定期列車の増発を抑制している面があると感じます。

現在は初詣臨時列車は少なくなり、1年にごくわずかの臨時列車を考慮して定期列車を少なくする結果、本数が少ないので利用しにくい沿線側と、利用が少ないから増発不要の鉄道側との利害が一致していません。

我孫子まで複々線の多数列車運転から、一挙に単線30分間隔への落差は大きいものがあります。

天王台駅の開設は、成田線湖北駅利用者が成田線では本数が少ないことの救済の意味も込められていました。

2022年度の湖北駅乗車人員は3,543人ではありますが、成田線が便利になれば天王台からの転移も見込めると考えます。