平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

 静岡県内の東海道本線に快速がないのは並行私鉄がないから?

静岡県内の東海道線に快速設定がない背景を分析します
2023年7月22日の乗りものニュース「欲しいのは18きっぷ愛好家だけ? 静岡県内の東海道本線に『快速がない』ワケ JR東海の答えは」を見ました。

青春18きっぷ(以下、「青春18」)の利用者の想いに答える興味深い内容です。

今回はこの記事について、筆者の想いを書きたいと思います。

引用部分が多くなりますが、ご了承ください。

なお、◆が引用させていただいた部分、→が自分の感想・意見です。

 

◆ 2023年7月現在、同線の東京~神戸間のうち事実上の快速運転がされるのは、東京~熱海間、豊橋~岐阜間、米原~神戸間で、静岡県内の熱海~新所原間には、定期列車としての快速がありません。

→ 東海道線東京-神戸間での快速運転区間の話です。

この3区間の快速設定の意義は、都市間輸送の速達、駅間距離が短いこともありますが、並行する他の私鉄やJRがあるためと考えます。

東京-熱海は、東海道線を所管するJR東日本小田急及びJR東海東海道新幹線への対抗、ライバル意識です。

豊橋-岐阜は、同様にJR東海名鉄です。

米原-神戸は、東海道線所管のJR西日本JR東海東海道新幹線米原-新大阪)です。

それに加えて、京都-神戸は阪急、京阪、阪神近鉄特急が加わります。

ライバル路線があると互いにサービスを競って、結果的に両社ともサービスは向上し、自社単独路線なら競いあわないので対照的な結果になることを感じます。

熱海-三島、大垣-米原東海道線の列車本数が少なくなるのは、列車を減らすことで三島から東京、岐阜から大阪へは東海道新幹線へ誘導したいJR東海の間接的な誘導策を感じます。

上記2区間の列車本数が少ないことは、利用が少ないからという表向き理由でJR東海は対外的に説明ができます。

仮に、東京-熱海、米原-新大阪の在来線がJR東海の受け持ちであったとしても同じダイヤを組んだかどうか。

 

◆ ほかにホームライナーがありますが、乗車整理券が必要になるため「快速といえば自由席」のイメージとは異なります。

→ 青春18利用者でもたまたまホームライナー走行時間帯と一致した時、ホームライナーに乗るかどうか。

JR東日本普通列車グリーン車と同様、青春18だから普通車自由席にこだわるかはその人、その時の判断で変わります。

グリーン車ホームライナーが邪道と思う人は乗らないだけのことになりますが、同じ列車で普通車とグリーン車が選択できるJR東日本普通列車の方が青春18には便利とは言えます。

 

◆ 「静岡地区の東海道本線につきましては、お客様のご利用の多い駅が連続しております。快速列車を設定しても、停車する駅が多くなると予想されるため、到着時間の短縮には大きく寄与いたしかねます。通過駅の乗車機会が減少することにもなり、快速の運転は総合的に判断して、お客様へのサービス向上には繋がらないという考えから、現在の列車体系とさせていただいております」(JR東海)。

→ 静岡付近の快速未設定については、著者の後段の指摘のとおりと思います。

その部分を引用させていただきますと、

現在の東海道本線静岡区間は、大手私鉄の無料優等列車に匹敵する駅間距離と所要時間だと感じます。たとえば静岡鉄道の静岡清水線は、新静岡~新清水間で合計15駅ありますが、これに対してほぼ同区間で並行する東海道本線の駅は、わずか4駅しかありません。

つまり、現在の東海道本線静岡区間は十分に快速なのです。

という点に共感します。

ただし、補足ですが、静岡鉄道の存在は別として、熱海-浜松には並行在来線がないこと、並行する東海道新幹線も同じJR東海ということで、設定意欲がないとも感じます。

極論すれば、急ぐなら快速を求めるよりも東海道新幹線でどうぞということです。

ただ、それを表面に出して議論を起こすよりも、「お客様のご利用の多い駅が連続」という波風の立たない、当たり障りのない回答の結果と受け止めます。

 

◆ 愛知県内区間では新快速が頻繁に運行されていますが、この理由もJR東海に尋ねてみました。

「お客様のご利用状況を鑑み、特定の区間に限った速達化ではなく、運行区間全体の速達性が向上するように新快速を導入しています」(JR東海)。

→ 豊橋-名古屋の駅間距離が静岡付近よりも短くなるのは確かであり、ゆえに快速設定も理解できるところですが、通過駅の利用者にとっては列車の利用機会が減少しますので、速達と各駅での停車列車本数との両立はできません。

最終的には大手私鉄の並行ということに帰結します。

名古屋-鳥羽の快速「みえ」も近鉄の牙城に食い込もうとする姿勢からであり、極論ですが仮に近鉄という存在、あるいは近鉄特急の存在がなかったら、快速「みえ」の意義や存在自体が変わってくると思います。

 

◆ 時間帯や区間ごとの乗車率を元に、ダイヤと編成両数を見直す。

→ 熱海でのJR東日本15両編成からJR東海の列車への乗り換え、米原でのJR西日本新快速12両編成からJR東海の列車に乗り換えると、いかにも短い編成で青春18の時期には座れない率が高まります。

快速設定もさることながら、その前にJR東海には着席できるだけの本数と編成両数が望まれるところです。

 

◆ 313系を投入し、国鉄車両からの置き換えを完了。今後は名古屋、静岡都市圏に最新型の315系を投入予定。

→ 315系置き換えでがっかりしたのは、前面展望をしにくくしたことです。

ロングシートであっても、編成両数が短くても、211系の広大な前面展望があったのが救いでした。

211系と正反対の小窓と壁にしたのは残念であり、失望感を禁じえません。

客室の窓ガラスも遮光性により、自然な車窓風景の色ではなくなり、特殊な車窓の色、不自然な車窓になり、さらに残念です。

385系特急が展望配慮した姿勢を315系にも見せてほしいところです。

 

(※記載にあたり、乗りものニュース「欲しいのは18きっぷ愛好家だけ? 静岡県内の東海道本線に『快速がない』ワケ JR東海の答えは」を参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。