速度を落として熱海と三島の両駅を通過するダイヤなら毎時交互停車化を
東海道・山陽新幹線の東京毎時03分発、東京着同42分着列車は、「岡山ひかり」「静岡ひかり」(ここでは以下、「静岡ひかり」)とも呼ばれ、静岡と浜松に停車することと、新大阪-岡山は各駅停車になるのが特徴です。
「静岡ひかり」のもう一つの特徴として、新横浜-静岡において無停車のタイプ、熱海または三島のどちらかに停車するタイプ、計3種類があります。
1日15.5往復の設定で、①無停車タイプ(熱海と三島の両駅を通過)は6.5往復、②熱海停車3往復、③三島停車6往復となっています。
熱海と三島の両駅に停車するタイプはありません。
今回は、「静岡ひかり」における新横浜-静岡の停車駅3パターンについて考えてみたいと思います。
熱海と三島の状況
ここで、熱海と三島の状況を見てみます。
熱海市の人口は34,173人、三島市は104,971人です。(2023年7月末現在の住民基本台帳人口)
熱海は伊東線から伊豆急行線へ、三島は伊豆箱根鉄道駿豆線が接続しています。
統計情報リサーチによる2021年の、駅別乗降客数はJR東海の三島駅で41,703人、JR東海の熱海駅5,718人、JR東日本の熱海駅15,210人で、熱海駅の合計としては20,928人です。
参考までに、熱海、三島近辺の東海道新幹線停車駅の乗降客数(在来線を含みます)は、新富士5,048人、静岡85,178人、掛川15,730人、浜松49,939人、豊橋68,682人、三河安城9,130人、小田原駅65,625人(JR東海13,365人、JR東日本52,260人)の状況です。
現「ひかり」の熱海3往復、三島6往復は停車割合としては妥当
上記の乗降客数、人口数値を見る限り、現在の「静岡ひかり」の熱海3往復、三島6往復の停車振り分けの割合本数は適当と考えます。
とくに三島の乗降客数は浜松に次ぐものであり、浜松に近い停車駅配慮をしてもよいのではないかと思われます。
熱海、三島停車の「ひかり」が増えないのは、小田原、豊橋への配慮?
熱海と三島の乗降客数よりも、小田原と豊橋の乗降客数の方が多い状況があります。
小田原と豊橋停車の「ひかり」は、毎時東京33分発、同12分発列車の「新大阪ひかり」(「岐阜真島・米原ひかり」という人もいますが)で停車駅を分け合っています。
小田原停車の「ひかり」は下り8本、上り7本で、豊橋は下り7本、豊橋9本の状況です。
JR東海としては、熱海、三島通過の「静岡ひかり」を、両駅に振り分けることは理論上は可能ながらも、それよりも利用の多い小田原、豊橋を超える「ひかり」の停車は、乗降実績から見てバランスを欠くとの意識があるとも思えます。
小田原または豊橋停車の「新大阪ひかり」は、ダイヤ上、早朝、夜間を除き両駅に停車することはできません。
「静岡ひかり」は熱海5.5往復、三島10往復停車化を
奇妙なのは「静岡ひかり」の新横浜-静岡間で、①無停車型と、②熱海停車型、③三島停車型、いずれも所要41分であることです。
すなわち①無停車型であっても、静岡に5分早く着くダイヤではないのであり、その分は速度を落として時間調整していることになります。
わざわざ低速運転して時間調整するくらいなら、熱海か三島のどちらかに停車してもよいのにと思われます。
小田原、豊橋のバランス配慮は分かりますが、徐行運転の時間調整ならば、熱海に5.5往復、三島に10往復が適当と考えますが、いかがでしょうか。