平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR東日本東海道線 沼津行きは今後、熱海行きの方向性かを考える

熱海-沼津のJR東海区間グリーン車の特殊扱の利害が熱海分割方向に誘導?

昨日の、「JR東日本東海道線 沼津直通普通列車の熱海・国府津分割ダイヤを見る」の続編です。

今回は、2024年3月16日ダイヤ改正後の、JR東日本JR東海にまたがる列車の将来像を探ってみたいと思います。

前回同様、筆者の勝手な想像であり、何の根拠もありませんので予めご了承ください。

 

JR東日本JR東海の境界駅を熱海としたことでの、東京-沼津直通普通列車への反動

東海道線は、熱海でJR東日本JR東海とに分けられましたが、沼津から東京への通勤列車については会社間境界の熱海を越えて東京-沼津の直通列車が設定されています。

 

沼津を基準として、東京直通列車は2024年春改正後、下り6往復、上り5往復となります。

このほかに、下りは国府津→沼津の区間列車が1本、上りは沼津→小田原、沼津→国府津区間列車が各1本あります。

熱海でJR東日本JR東海にまたがって直通する列車は7往復となります。

いずれもJR東日本の車両です。

その列車ダイヤをみてみます。

上野東京ライン経由の列車は、ここでは東京発平日時刻で表記します。

時刻の「:」は略します。

【下り 東京→沼津】

〇 東京520発→沼津726

〇 東京540→沼津806

★ 国府津1653→沼津1741(東京1537→国府津1646列車からの接続)

〇 東京1916→沼津2130

〇 東京2002→沼津2221

〇 東京2124→沼津2335

〇 東京2225→沼津037

 

【上り 沼津→東京】

〇 沼津552→東京816

〇 沼津606→東京828

〇 沼津632→東京858

〇 沼津700→東京926

〇 沼津735→東京946

〇 沼津829→小田原914(小田原乗換で、小田原916→東京1048)

★ 沼津2040→国府津2126(国府津乗換で、国府津2127→東京2240)

 

★はグリーン車のない付属5両編成で運用

 

JR東海区間でのグリーン料金の扱い方

2024.3.16ダイヤ改正以降、東海道線沼津直通列車のグリーン車の扱い方に変化があります。

JR東日本のパンフレット「2024年3月16日より 普通列車グリーン車の料金体系がかわります」から、一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

東海道線熱海~沼津間のみをご利用の場合は、駅でグリーン券(紙のきっぷ)をお買い求めください。グリーン料金は通年で 750 円となります。
※ JR 東日本管内(湯河原以東)の各駅から、函南・三島・沼津までご利用の場合は、カードタイプの Suica 等で Suica グリーン券をお買い求めください。モバイル Suica はご利用いただけません。
函南・三島・沼津の各駅では、グリーン券(紙のきっぷ)のみお買い求めいただけます。

モバイル SuicaSuica 等をお持ちの場合で、函南・三島・沼津の各駅から、JR 東日本管内(湯河原以東)の各駅までご利用の際は、グリーン券(紙のきっぷ)は購入せず、車内でグリーンアテンダントにお申し出ください。
(以上引用)

 

グリーン車乗車時の、紙のグリーン券、SuicaモバイルSuicaの使い分け

前記パンフレットを読み替えると以下のようになります。

〇 熱海-沼津相互間のグリーン車乗車の場合

→ 紙のグリーン券のみ有効。SuicaモバイルSuicaは不可。

〇 湯河原以東(東京側)から函南・三島・沼津のグリーン車乗車の場合

→ Suicaで利用可能。ただし、モバイルSuicaは不可。

Suicaは、グリーン券の部分のみ使用可能であり、乗車券としてのSuicaは、熱海以東までが有効で、函南・三島・沼津での下車は不可。

SuicaTOICAの定期券の場合は、湯河原以東(東京側)から函南・三島・沼津の乗車が可能。

〇 沼津・三島・函南から湯河原以東のグリーン車乗車の場合

→ Suica・モバイル Suicaを使う場合、事前に手続きをせずにグリーン車に乗車。

熱海から先(湯河原側)で、グリーンアテンダントに申し出て手続きを行なう。

以上のように受けとめました。

 

熱海での会社間またがりによる弊害が浮き彫りに手続きという鉄道側の基本を

上記ルールに従うと、グリーン車で沼津から東京へ乗車の際は、事前に購入手続きという鉄道側の原則ルールに基づかず、熱海まではとくに何もせずに乗り、熱海からJR東日本の乗務員、アテンダントに申告してSuica等の乗車手続きを行なう、いわば異例の扱いになります。

JR東海駅の沼津・三島・函南の3駅ではSuica等での機器対応をしない結果でもあります。

TOICA主体のJR東海にとっては、JR東日本Suica関係の投資をしたくないのではないかと想定されます。

また、沼津発東京直通列車は残すとしても、沼津-熱海のグリーン車まではなくてもよい、普通車のみの付属5両編成の方が営業面では管理しやすいという面もあるでしょうか。

2024.3.16ダイヤ改正で、東京-沼津直通列車のうち3往復を熱海(一部は国府津)乗り換えにしたのは、その前兆にも感じられます。

 

沼津-熱海のSuica所持者のグリーン券特殊扱い

沼津-熱海でSuica所持者に対し、グリーン券を特殊扱いするのはJR東日本JR東海の双方ともに非効率的な面があります。

沼津行きを熱海行きにすれば、課題点はおのずと解決していきます。

すなわちJR東日本にとっては、今回のようなグリーン券の例外的扱いはなくなり、グリーンアテンダントの負担は軽減します。

JR東海にとっては、グリーン料金が自社区間内で確実な収入になるかは定かでない点について、グリーン車乗り入れ廃止により解決します。

 

仮に上り列車で、熱海の手前でグリーン車から普通車に移動した際、熱海までのグリーン料金徴収は難しいように思います。

やはり乗車券・Suica等は乗車前に整えから乗るのが基本であり、熱海から先でのアテンダントへの申し入れ後に購入という方式は望ましくないと考えます。

 

JR東海は静岡方面からの沼津行きを熱海行きにすることで割り切るか?

論点は、JR東海が東京-沼津直通列車についてどう考えるかです。

〇 沼津からの東京直通は必要不可欠であるか

〇 熱海乗り換えは不可であるか

〇 熱海乗り換えであっても、JR東海側の編成が普通車8両ならグリーン車2両減と大差ないと考えるか

以上の3点です。

 

JR東海が東京直通は必要、グリーン車付き10両編成の沼津乗り入れも望ましい、またはグリーン車併結もやむを得ないと考えるならば、沼津・三島・函南の3駅にJR東日本のグリーン券購入機設置や、既存の自動券売機でのグリーン券購入機能を追加すべきと考えます。

その投資はしないが東京直通は継続とするならば、JR東海区間ではグリーン車を利用不可とするか、付属5両編成の方を沼津直通にするかといった選択肢が考えられます。

一般的にみれば自動券売機でのグリーン券対応が通常かと思います。

 

付属編成での沼津乗り入れが、JR東海側のグリーン車議論を解決させ、東京直通も果たせる両立案なのですが、それならば今回の国府津発沼津行き付属編成の運用設定は行なわなかったと思います。

JR東日本では、東京側に位置する付属5両編成の沼津直通は、基本編成を一旦函南側に回送する必要もあり、行なわないと考えます。

今回の、国府津発沼津行きの設定がJR東日本の答と思います。

 

JR東海JR東日本車両の沼津乗り入れを打ち切り、JR東日本JR東海の双方とも熱海折り返しとして、JR東海は静岡発沼津行きを熱海行きにすること等により、自社車両運用の効率化と、グリーン券取り扱い設備投資やSuica対応議論終了の同時解決を図る方向ではないかと思われます。

JR東海JR西日本にまたがる米原ではすでに普通列車は分断されています。

 

筆者の勝手予測としては、JR東日本車両のJR東海乗り入れ、沼津直通列車を今後徐々に減らしていき、最終的には直通廃止、熱海で列車分割の方向かと考えます。

すなわち沼津行きは熱海行きになっていくと思います。

これはJR東日本の意向よりも、JR東海の意向の方が強いと思われるためです。

今回、沼津直通6往復を残したのは一挙に沼津直通を廃止し、熱海乗り換えにするのでは利用者の反発を招くことを避けたと考えられ、段階を踏んだ東京直通削減計画での1回目と受けとめています。

 

また、JR東海の315系の増備態勢が途中であることも関連します。

315系車両増備には、JR東日本車両の沼津直通列車を315系で代替えし、JR東海の沼津止まりの上り列車を熱海までの延長設定も考慮していると考えます。

その時点で東京-沼津直通列車を東京-熱海に変え、沼津からは熱海乗り換えで割り切ると思われます。

 

次回の2025年ダイヤ改正で残6往復の沼津直通を一挙に熱海分割にするか、3往復に半減して2026年で東京直通を廃止するか、いずれにしても2社間またがり普通列車は整理されていくと考えますがいかがでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、Shonan-color train blog、2024年1月12日付け、「首都圏の普通列車グリーン車の料金体系を見直しへ!放送類も更新中!【JR東日本ダイヤ改正2024】」を参考にさせていただきました。)