平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

「鹿児島~北海道を新幹線で移動してみた」旅行記 新幹線A席は偶然?必然?

「さくら」→「のぞみ」の乗り継ぎは博多よりも新大阪が秘訣
日刊SPA!、2024年5月6日付け「『鹿児島~北海道』を新幹線で移動してみた。19時間かけて辿り着いた“2800キロ先の景色”に感動」を拝見しました。
指宿枕崎線山川駅から九州・山陽・東海道・東北・北海道の各新幹線を乗り継ぎ、函館・室蘭線特急で旭川駅まで行く列車乗り継ぎづくしの体験談で、興味深く拝見しました。

今回はその読後感を中心に書きたいと思います。

 

行程の概略

山川5:26発→指宿枕崎線鹿児島中央6:46着、6:56発→九州新幹線「さくら542号」→博多8:21着、8:36発→東海道・山陽新幹線「のぞみ14号」→東京13:33着、14:20発→東北・北海道新幹線「はやぶさ27号」→新函館北斗18:29着、19:01発→函館・室蘭線「北斗21号」→札幌22:41着、23:05発→函館線「カムイ47号」→旭川0:30着

期日:2024年3月下旬

 

博多→新函館北斗の「のぞみ」と「はやぶさ」が3人掛けA席の理由とは?

1人での長距離・長時間の新幹線移動なら、2人掛けの窓側E席が相場です。

3人掛け窓側A席は洗面所・トイレ等(以下、「洗面所」)の出入りにおいて、見知らぬ隣席のB・C席の人にお断りを入れるのは当然の礼儀としても、2人とも仮眠、熟睡、爆睡中の時が困ります。

席を立つ際、声掛けがためらわれるからです。

さらに洗面所使用後、自席に戻る際、再び仮眠が始まっていたらまた起こさなければなりません。

この旅行記でもそれが悩みで長時間我慢してしまったのが印象的です。

 

2人掛けE席にすればと通常なら思うでしょうが、自分も博多→新函館北斗の希望はA席派です。

理由として、すれ違い列車、下り線の線路配置、電柱・架線等の地上付帯設備、通過駅のホームと駅進入前後のポイントなどが見られるからです。

A席での洗面所出入りの悩みは誰しも同じかと当記事で再認識しました。

 

同じ理由で逆コースの新函館北斗→博多ならE席です。

この場合、洗面所への行き来等でのお願いはD席の1人だけになり、A席よりは精神的に楽です。

E席は上下列車とも先に満席になりやすく、今回のA席移動はE席が満席のためか、たまたま偶然か、こだわりの指定理由があったか、知りたかったところです。

 

「さくら」は、鹿児島中央-新大阪の全区間乗車の方が良かった

博多駅で降りて撮影したかったなら別として、2&2席の「さくら」は3&2席の「のぞみ」よりも「ゆったりしており、座り心地も抜群」なことは本文で記されているとおりです。

乗車された「さくら542号」は博多8時23分発→新大阪10時59分着、後続「のぞみ14号」は博多8時36分発→新大阪11時04分着04で、途中で「のぞみ」に追い抜かれることもなく新大阪に先着します。

博多-東京全区間「のぞみ」乗車は通常の特急料金よりも1,060円増ですが、新大阪まで「さくら」に乗車し、新大阪-東京のみを「のぞみ」にすると320円増で済みます。

それならば重複する博多-新大阪は2&2席「さくら」指定席で新大阪乗り換えが賢明と言えます。

 

新大阪-東京を新大阪始発の「のぞみ220号」の方が良かった?

博多-東京が「のぞみ14号」でしたが、鹿児島中央-新大阪を「さくら542号」として、新大阪始発11時15分「のぞみ220号」に乗れば、同じA席であっても博多発列車よりは洗面所に行きやすかったのではないかと思います。

仮にB・C席とも他の人が着席していても、新大阪始発の分、列車全体の着席率、B・C席客の仮眠率は博多、広島発「のぞみ」よりは低いかと思います。

新大阪駅で乗り換えの際に駅の洗面所も使えます。

 

「はやぶさ27号」東京-新函館北斗4時間09分間とA席での出入り

東北新幹線下り列車の乗車率は、仙台まででピークを終わり、盛岡からはさらに余裕が出てくるのが通常です。

その意味では洗面所出入りの安心感はありますが、自席のB・C席に空席ができるかどうかは運次第です。

下り列車の場合、洗面所のある奇数号車の前側、3・7号車であれば17番までの列のうち、中央よりもやや洗面所寄り11~13番あたりに空席があれば、そちらを希望するのがよいかと思います。

1号車は車端のため比較的空いていますが、座席列が6番までしかなく、車内全体が狭いので長旅では避けた方が無難です。

 

夜でも窓側席が望ましい?

列車に乗る以上、車窓を見なければ意味がないとの思いから、自分も窓側席を希望しますが、今回の日程では北海道に入ってからの「北斗」の発車時点で車窓は暗くなります。

夜でも窓側席に越したことはないのですが、自分がこの日程をこなす場合、夜の車窓では住宅やビルの明かりも見えない北海道内車窓では、足が伸ばせる通路側の席を希望したかなとも思いますが、窓側席の意思を最後まで貫いた姿勢は見習いたいと思いました。

 

自分も新幹線での列島縦貫を行なってみたい思いはありますが、いくら列車好きでも長時間持続する強行体力の自信はありませんが、実行するなら南から北へ向かう今回のコースの方が旅情を感じます。

その際のA席の悩みを減らすには、料金はさておき、「のぞみ」「はやぶさ」は2&2席のグリーン車で長時間乗車の疲れの癒しとともに、洗面所移動の悩みを解消するのが理想です。

そうすると最後の「北斗」も長時間お疲れの気持ちからグリーン車となりますが、たまにはグリーン車もいいかと思い直します。

 

日除けカーテンの隣席の人との暗黙の葛藤劇を乗り越える

窓側A席のもう一つの悩みは日除けカーテンです。

通常、東海道・山陽新幹線東北新幹線の午前中のA席、午後のE席は太陽光線状態によってはまぶしくなり、カーテンを引きなさいよと隣席の人が表情で伝える光景が展開します。

一度完全に引いてしまったカーテンを、車窓が見たいからと、再び上に(横に)戻すことは困難です。

そのため、車窓を楽しんでいるんですよということを隣席の人に間接的に伝えるため、車窓が見える限度の、半分程度までカーテンを下げる(戻す)ことで理解を得ます。

まぶしいから完全に閉めてよとはっきり言ってくる人もいますが、車窓を見たくて乗っていることを分かってもらうしかありません。

仮眠するとB席の人が手を伸ばしてカーテンを完全に閉めてしまうことがあります。

あまりぎくしゃくするのも楽しくなくなるので、カーテンを一旦全部引いてから2~3秒の間を置き、その後半分程度、引いた位置を戻して、車窓に顔を向け続けるのが自分のパターンとなっています。

 

自分が新幹線で列島縦断するなら

自分が同コースで決行するとしたら、また、他の人にお勧めするとしたら、指宿枕崎線と函館線札幌-旭川乗車は見送り、鹿児島中央-札幌に特定して、陽の長い6・7月に以下のコースで推薦します。

鹿児島中央6:35発→九州・山陽新幹線「みずほ500号」→新大阪10:21着、10:30発→東海道新幹線「のぞみ10号」→東京12:57着、13:20発→東北・北海道新幹線「はやぶさ25号」→新函館北斗17:47着、18:14発→函館・室蘭線「北斗19号」→札幌21:41着

 

理由として、指宿枕崎線の最南端駅から出発したい気持ちはありますが、函館線大沼、駒ケ岳、噴火湾雄大な車窓が見たいということからです。

北海道新幹線札幌開業時には長万部までの在来線は貨物列車のみの走行になるとも言われており、今のうちに車窓を見ておきたい区間です。

 

(※ 記載に当たり、日刊SPA!、2024年5月6日付け「『鹿児島~北海道』を新幹線で移動してみた。19時間かけて辿り着いた“2800キロ先の景色”に感動」を参考にさせていただきました。)