平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

博多発東京行き最終「のぞみ64号」19時発を可能にした背景を見る

新大阪発東京行き臨時最終「のぞみ488号」設定と併せ、JR西日本に対するJR東海の協力姿勢と評価

毎年3月に実施されるJRダイヤ改正の、東海道・山陽新幹線で気になることの一つに、博多18時59分発東京行き最終「のぞみ64号」の発車時刻を1分繰り下げて19時00分発にならないだろうかという点がありました。

発車時刻においても数字の魔力というものがあり、18時59分と19時00分とは1分しか差がないのですが、18時台と19時台とのイメージを持つため、1分違いが1時間違いのような印象を与えます。

JR西日本にとって、博多発東京行き最終「のぞみ64号」が18時台から19時台になったことは大きいと思われます。

今回は、博多発19時台を成し得た背景について探ってみたいと思います。

毎回のことですが、あくまで筆者の勝手な想像であり、何の根拠もありませんので予めご了承ください。

 

JR西日本に対して見せた、JR東海の心遣い?

JR西日本にとって「のぞみ64号」が19時発になったことは喜ばしく、画期的なことです。

これまでも、新大阪停車時間の4分を3分に縮めるとか、東京着時刻23時45分を1分延の23時46分にすれば博多19時発は実現できることでした。

しかしながら、新大阪での乗降時間、東京着を23時45分以降にしたくないJR東海の姿勢、考え方があって、JR西日本JR東海の対応変化を期待するしかなかったように思われます。

 

JR東海でも「のぞみ64号」の博多発時刻を19時台にしたいJR西日本の意向自体は踏まえていると思われます。

しかし新大阪発最終列車ゆえに新大阪停車時間に4分は確保したい、東京着23時45分も継続したい、どうすれば博多19時発と両立できるかを考えた時に、混雑時期に「のぞみ64号」の後続列車として「のぞみ488号」、新大阪始発21:30発、東京23:51着を設定することで、「のぞみ64号」の新大阪停車を3分に縮め、博多19時発を実現させたと思われます。

「のぞみ64号」の後続、臨時「のぞみ488号」の設定が、いわばJR西日本に対するJR東海の協力、配慮姿勢を見せたのではないかと感じます。

東海道・山陽新幹線と言えば運転本数、輸送力、輸送実績等、JR東海が主流になっていますが、そうした中での今回の博多19時発としたJR西日本への協力、協調姿勢は評価されると思われます。

このような協調姿勢は今後も続けてほしいと期待します。

 

上越新幹線の最終列車繰り上げとの対照性

一方、JR東日本では夜間作業時間拡大のため、上越新幹線について最終列車時刻を繰り上げます。

夜間作業人員の確保も困難なことはJR東海も同じと思われますが、東海道という大動脈の使命感等、路線の性格や利用実績、会社の考え方で差が出てきたのでしょうか。

東海道新幹線側で最終列車時間を逆に延長したのは評価される姿勢です。

 

数字の魔力

以下は数字の余談です。

買い物で998円、999円と1,000円の違いも、19時00分発と18時59分発の発車時間の違いと同じです。

999円なら1,000円を切る3桁の価格、1,000円では4桁の価格のイメージで売れ行きも異なります。

消費税抜きの価格で、実際に支払う時は1,098円、1,099円であろうと、本体額の999円の方が頭に入っているのです。

列車の所要時間に4時間の壁というものがありますが、4時間以上は飛行機、所要3時間58分、3時間台なら列車という心理現象があります。

車を買うなら299万円か、300万円か。

家を買うなら2,998万円か、3,000万円か。

それによってどこまで売り上げが変わるのか、定かではありませんが、桁が大きくなるほど頭の数値が変わるほど、気持ちが変わることは確かでしょう。

極論すれば299万円=200万円台=200万円という錯覚を起こさせます。

数字の魔力とは恐ろしくも興味深いものです。

 

※写真は本文と無関係です。