平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

列車のLED行先表示器は消灯後、駅到着前のいつ頃点灯するか?

走行中は自動的に消灯するLED行先表示器の点灯開始状況の話です

列車の車体側面にある行先表示器は、かつての字幕式からLED式が主流に変わりました。

近年は、LED行先表示器の消費電力低減を主な目的として、走行中は自動的に消灯するようになりました。

自動的に消灯するタイミングは時速60km/h以上との情報もありました。

 

では、駅到着前、時速60km/h以下になるとLED行先表示器は点灯するのでしょうか。

理論上はその理屈になりますが、実際にホームで列車の停止を待っていると、長編成列車では停車直前まで行先表示器がなかなか点灯せず、点灯した時にはほぼ停止直前というイメージがあります。

点灯開始が遅いので、実用性にはやや不足する面があります。

 

今回は、行先表示器はいつ頃点灯するか、全列車同じタイミングか、どうでもよいではありますが、これも鉄道趣味のうちとして状況を見てみました。

 

常磐線松戸駅で観察

観察場所として、常磐線松戸駅でLED行先表示器のタイミングを見ることとしました。

松戸駅は3面6線構造で、1・2番線、3・4番線、5・6番線は同じホームです。

7・8番線は新京成の発着です。

常磐線の各番選別発着内訳は下記のとおりです。

〇 1番線:下り快速本線

〇 2番線:快速線で上下列車の特急通過退避用及び松戸車両センターへの基地回送用

〇 3番線:上り快速本線

〇 4番線:下り緩行線の本線

〇 5番線:下り緩行線の松戸止まり列車の東京メトロ千代田線への折り返し用及び松戸車両センターへの基地回送用

朝の通勤時間帯に限り、3番線の上り快速線利用者とのホーム上混雑対策として、下り緩行線電車は4番線でなく5番線に発着。

〇 6番線:上り緩行線の本線(千代田線直通列車)

 

常磐線松戸駅下り列車の、LED行先表示器の点灯タイミング

松戸駅到着列車でも下りの快速線緩行線、上りの快速線緩行線の4種類があります。

ホームからはみ出さないかと思うほど、到着ホームに勢いよく入り込んでいく下り列車で見てみました。

列車速度や車両形式等にもよりますが、LED行先表示器が点灯するタイミングは平均的に以下の状況でした。

なお、いずれも松戸駅ホームの上り側、上野、代々木上原側に立った状況でのものです。

 

〇 1番線:下り快速15両編成は、前から10両目(5号車)が上野側ホームに差し掛かった時に点灯。

〇 2番線:下り快速15両編成は、1・2番線分岐点のポイントに差しかかる手前から点灯。

1番線への入線と異なり、低速で進入。

〇 4番線:下り緩行線10両編成は、先頭車がホームに差しかかった頃から点灯。

〇 5番線:前から5両目(6号車)がホームに差しかかった頃から点灯。

 

LED行先表示器の点灯開始時期の状況分析

1番線の下り快速15両編成がもっとも興味深く、到着ホーム進入時は高速であり、ホームに差しかかった時点ではまだ点灯していません。

それどころか、後ろから5両目、5号車付近(最前部が15号車)の車両がホームに差しかかると、やっと点灯を開始します。

点灯のタイミングは全車両同時ではなく、車両によって時間差があります。

常磐快速のLED方式は取手までのE231系、土浦方面のE531系とも3色型の旧タイプです。

 

2番線到着の快速電車は、1番線との分岐ポイント通過時前に徐行しているため、駅ホーム付近で観察している時にはすでに点灯しています。

 

下り緩行線は、4番線の本線進入時は直線状で高速進入しますが、快速と異なり、点灯時間は早くなっています。

緩行線の5番線進入時は、構内ポイントの関係で4番線のような高速でなく、徐行して入りますが、点灯開始が4番線のケースよりも遅いのが妙です。

快速の2番線進入と線路のポイント通過での揺れのため徐行するものの、行先表示器は直線高速進入の4番線よりずっと遅くなっています。

 

一定速度以下での自動点灯か、一定走行距離での自動点灯か?

一般論で言えば一定速度以下での点灯開始と思われます。

駅間の途中で信号や線路保守等により低速運転、徐行運転の時にはどの列車でも点灯しているからです。

しかし、下りの常磐緩行線のように、高速進入番線への入線では早く点灯し、徐行進入番線への入線では逆に遅く点灯するのは奇妙な現象です。

進入する番線により、手前の駅(金町駅)から一定の走行距離で点灯が決められているのかもしれません。

車内での自動放送は、到着駅の手前、一定の走行距離になると音声を流しているはずです。

駅到着の自動放送が終わる頃にLED行先表示器が点灯開始かとも感じました。

 

外から列車を見た時の行先表示器の光による旅情は過去のものに

夜間、地上で長編成列車による各号車の連続した字幕式行先表示器の点灯を見ていると、蛍光灯の光に照らされた列車愛称と行き先の幕に旅情を誘われたものでした。

ただし、京成「スカイライナー」のように、今でも消灯しない列車も一部に残っています。

今後の消灯化は時間の問題かもしれませんが、時速160km/hで夜間に高速走行中、8両各社の白いLEDの行先表示器を見ると旅情が深まります。

車両基地では、何も表示のない黒い枠だけのLED行先表示器より、たとえ「回送」の表記であっても字幕式のように表示があると何となく安心します。

この話自体、過去の人間ということでしょうか。

 

今回は、他愛のない内容ですが、その割に長たらしい理論展開は筆者の習性です。

時にはこのようなテーマの回もありますが、今後ともよろしくお願いいたします。