特急の9~10両編成を5両に半減化しての混雑、混乱には考えが至っているか?
2024年3月ダイヤ改正後の京葉線通勤快速廃止で、千葉市だけでなく、外房・内房線沿線の市町からも反対の声が大きくなっています。
朝日新聞2024年1月11日付け、「京葉線通勤快速廃止方針に外房3市町が『早急に撤回を』JRに要望」記事から一部を引用させていただきます。
(以下引用)
一宮町と茂原市、大網白里市は10日、JR東日本千葉支社長に改定を早急に撤回するよう求める要望書を提出した。
~中略~
(JR東日本千葉)支社長は「通勤快速を各駅に改正することのインパクトに考えが至らなかった。できることがないか検討していきたい」と話したという。
(以上引用)
通勤時間帯の房総特急は9~10両編成を5両半減化する程度の乗車率か?
外房線「わかしお」、内房線「さざなみ」の両特急は、平日通勤時間帯は255系9両編成またはE257系5両2組の10両編成が主体になっていますが、2024年3月ダイヤ改正以降、E257系5両編成へと「輸送力が半減します。
特急列車ごとのデータがないため、正確なことは書けませんが、この房総特急2列車の通勤時間帯は、5両化しても影響がない程度の利用状況なのでしょうか。
または全車指定席化により、満席なら立席ででも乗るだろう、あるいは特急に乗らないだろう、京葉線の各駅停車列車(以下、「各停」)や総武快速に乗るだろうという考え方でしょうか。
先程の新聞記事では「通勤快速を各駅に改正することのインパクトに考えが至らなかった」とありますが、通勤時の特急を10両から5両にすることのインパクトには考えが及んでいるでしょうか。
蘇我-東京を各停移動では時間と停車駅の多さから、ノンストップ列車で行きたい通勤快速の利用者が特急に転移しないでしょうか。
仮に特急転移が多い場合、5両編成の特急では新たな混乱が生じます。
今回、通勤快速の各停化が最大の不満と捉えられていますが、やむを得ず通勤快速から特急に乗り換える需要を見過ごしていないでしょうか。
5両編成に半減された輸送力では一層混雑してしまい、新たにJR東日本千葉支社への苦情が増えないかと気になります。
現在の通勤快速ダイヤと同じ時間帯の新たな特急ダイヤを見る
現在の通勤快速ダイヤと、通勤快速から特急に変更する場合の新たな特急ダイヤを比較してみます。
◆外房線上り
【現在の通勤快速】勝浦6:25→上総一ノ宮7:00→蘇我7:44→東京8:26
【改正後のわかしお4号】勝浦6:44→上総一ノ宮7:10→蘇我7:39→東京8:25
◆内房線上り
【現在の通勤快速】上総湊6:56→君津7:14→木更津7:25→蘇我7:58→東京8:39
【改正後のさざなみ6号】君津7:39→木更津7:46→蘇我8:11→東京848
◆外房線下り
【現在の通勤快速】東京18:14→蘇我18:51→勝浦20:09
【改正後のわかしお13号】東京18:00→蘇我18:0034→勝浦19:30
◆内房線下り
【現在の通勤快速】東京19:18→蘇我19:55→君津20:35
【改正後のさざなみ5号】東京19:30→蘇我320:05→君津20:37
E257系5両編成で通勤客を輸送しきれなかった場合
万一、通勤快速廃止により利用者がJR千葉支社の想定以上に特急に転移した場合、5両編成では輸送力不足が浮き彫りになって、JR千葉支社は新たな課題が増えることになります。
一方、E257系には車両数に余裕がなく、10両編成化は難しそうです。
他の地区からのE257系転用は困難であり、「成田エクスプレス」用E259系の6両編成を充ててもグリーン車分1両増では意味を成しません。
京葉線は最大10両編成の想定であり、E259系6両2組の12両編成を京葉線で組成することも困難と見られます。
そうなると、2024年3月で第一線を退く255系9両編成が浮かんできます。
255系の今後については一部編成の房総特急の予備用、行楽用列車充当など、種々の想定説が聞こえてきます。
少なくともJR東日本は2023年度で255系の運用終了を当初から決めていた際、京葉線通勤快速の混乱と特急5両化への流動、輸送力不足の混雑、混乱まではさほど重要視していなかったかと思われます。
255系の余剰活用として一先ず、房総特急の通勤時混乱対応として予備配置を
定員はE257系で306人に対し、255系は564人であり、1.8倍の定員増になります。
JR東日本は、5両特急での通勤時間帯輸送が賄いきれない場合に備えて、万一の際は255系9両編成を充てる方法も考えているでしょうか。
9両編成の255系を混乱防止策として緊急用に充当対応することは、一つの実用的な解決策と考えます。
JR東日本が第一線引退後の255系に今後、どのような計画を持っているかは分かりませんが、少なくとも京葉線混乱防止策は新たな喫緊の課題であり、通勤快速の話題の混乱防止を考慮すれば、255系での暫定代用は有効な活用策と思われます。