平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

大和路線、おおさか東線 Aシートでなく「快速 うれしート」とした背景を考える

221系の後継車置き換え後は「快速 うれしート」より「Aシート」化が望ましい

JR西日本から2023年8月24日付けで「有料座席サービス『快速 うれしート』導入のお知らせ」がニュースリリースされました。

10 月 23 日(月)から関西線(大和路線)、おおさか東線で、平日朝の通勤・通学時間帯の加茂・奈良→天王寺・大阪方面行き「区間快速」、奈良→新大阪・大阪方面行き「直通快速」、221系各2本の最後部1号車の半車を有料座席(指定席)にするものです。

今回は、「快速 うれしート」と名付けられた列車サービスについて見てみました。

毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想像であることを予めご了承ください。

 

新たに「快速 うれしート」にした事情

JR西日本としても関西線(大和路線)、おおさか東線列車(以下、両線を合わせて「大和路・東線」で表記)での一部指定席化に際し、「快速 うれしート」よりも「Aシート」とした方が、東海道山陽線琵琶湖線JR京都線JR神戸線。以下、3線を合わせて「JR京都・神戸線」で表記)とも一致する意味ではAシートが望ましかったことは承知しているはずです。

「Aシート」にせず「快速 うれしート」にした背景には、以下のようなことが考えられます。

〇 編成両数が、JR京都・神戸線の新快速12両編成に対し、大和路・東線は8両編成であること。

〇 車両が、JR京都・神戸線の223系、最新型225系に対し、大和路・東線は1989年~1992年新製、旧制御方式の界磁添加励磁制御221系であること。

〇 221系は新製後30年以上経過していること、指定席が5列20席の小規模な座席数の見地から、転換クロスシートをリクライニングシートに交換するような規模な座席改良は得策でないこと。

〇 全線乗車時間がJR京都・神戸線の2時間に対し、大和路・東線は1時間であること、自由席と同じ従来座席のままとすることから、大和路・東線では半車が適当であること。

〇 指定席でも自由席と同じ転換クロスシートとするため、Aシートとは別の呼称として「快速 うれしート」と名付け、料金を最低価格300円にとどめたこと。

 

転換クロスシートのままの「快速 うれしート」

今回は大阪方面行き大和路線2本、おおさか東線2本だけの設定であり、「快速 うれしート」の座席数は1編成5列20席なので、どこまで利用があるかは様子を見ることになりますが、筆者は今回の「快速 うれしート」にはあまり賛成できません。

たとえ半車の20席とはいえ、JR京都・神戸線のようなAシート、京阪のプレミアムカーや、東急東横線大井町線のQシートのようなリクライニング席にしてほしかったところです。

指定席確保、着席保証の対価で最大乗車時間1時間、最少300円、最大530円支払う価値が見出せ人には「快速 うれしート」が歓迎されるかもしれません。

 

京急ではウィング・シートとして、通常座席のままで有料着席保証方式としています。

2100形前向き2人掛け固定席にままで、「モーニング・ウィング」「イブニング・ウィング」で指定席にしています。

今回の「快速 うれしート」は座席設備の考え方としては京急と類似します。

京急以外の、他の大手私鉄では、ラッシュ時は着席保証の指定席列車、日中はロングシートの自由席列車で運用する傾向になっています。

 

半車の「快速 うれしート」よりも1両のAシートを

今回の大和路・東線の「快速 うれしート」導入にあたっては、短期的にはよいとしても、中・長期的には座席保証だけでなく、座席と付帯設備の両者の向上も合わせて行なった方がよかったと考えます。

すなわち1号車全体のAシート化です。

1号車の車内で「快速 うれしート」の区画をのれんで仕切るのもアイデアですが、その前に半車分の自由席を考慮する必要はあったでしょうか。

 

問題は、1号車の半車分を自由席で残さないと混雑が激しくなるのかどうかですが、それが問題になるならばそもそも今回の「快速 うれしート」導入はないと考えます。

乗車実績に多少なりとも余力があるからこその「快速 うれしート」施策と受け止めています。

1号車全体を指定席にすると、2号車以降の自由席の乗客がトイレを使いづらくなるとの話もありますが、JR京都・神戸線の9号車Aシートでは10号車以降の自由席の乗客も使う方式であり、それに倣えばよいと考えます。

221系が後継車両に置き換わる時は1号車全体のAシート化を検討してはいかがかと思います。

 

流れを整理すると以下のとおりです。

〇 221系を225系等の新型車に置き換える際に、1号車を全席「Aシート」化する。

〇 AシートはJR京都・神戸線と同じリクライニングシート及び付帯設備を置く。

〇 料金は、加茂・奈良-大阪の距離及び乗車時間を考慮し、JR京都・神戸線と「快速 うれしート」料金との中間的な額とする。

 

以下は余談ですが、「快速 うれしート」の文字表記は「快速 うれシート」、「し」をカタカナにした方がよいように思います。

「うれしい」と「シート」の合成とはいえ、「うれしー」は通常「うれしい」であり、「うれシート」の方が自然に感じます。

「うれしート」は口に出すにはやや気品がなく、気恥ずかしい感じもします。

「ならシート」「やまとじシート」などの方が馴染むように思いますが、どうでしょうか。

10月23日以降、「快速 うれしート」の状況を見守りたいと思います。