話題性、混雑緩和、輸送力の総合判断としてどう受け止めるか?
JR東日本横浜支社から2023年8月24日付けで、「サザンオールスターズ『茅ヶ崎ライブ2023』開催に合わせ臨時列車を運転します」とのニュースリリースがありました。
同ライブ会場は茅ヶ崎公園野球場で、過去には1日当たりの入場者数が2万人あったとも伝えられています。
そのための当日の輸送力増強、混雑緩和、快適移動の趣旨で全車指定席の臨時特急「えぼし」を運行するものです。
臨時列車の名称は、サザンオールスターズの歌に数多く登場する茅ヶ崎市のシンボル「えぼし岩」にちなんだものです。
今回は、特急「えぼし」について考えてみました。
以下、毎回のことですが、実施前からあれこれ意見をするのもどうかとは思いますが、ご了承ください。
特急「えぼし」の設定時刻は?
9月27日・28日は、東京発13時54分→茅ヶ崎着14時43分、茅ヶ崎発は22時25分→東京着23時19分。
9月30日と10月1日は、東京13時54分→茅ヶ崎14時43分と、同14時33分→15時22分。
茅ヶ崎22時10分→東京22時58分となっています。
車両はE257系9両編成で定員は546人、全車指定席、停車駅は全列車とも品川、川崎、横浜です。
臨時普通列車の設定時刻は?
特急「えぼし」のほかに、普通列車にも茅ヶ崎→横浜に臨時列車が設定されています。
9月27日・28日は、茅ヶ崎21時40分発と22時02分発、9月30日と10月1日は、同21時42分発と22時06分発、停車駅は辻堂、藤沢、大船、戸塚です。
E233系15両編成の場合、定員は2,171人で、E257系9両編成の約4倍の輸送力があります。
臨時特急「えぼし」と普通列車の差異
特急と普通列車との設定趣旨は異なります。
特急は全車指定席のリクライニングシートで、確実に座って移動できます。
一方、普通列車は着席の保証はありません。
着席したい人にとっては「えぼし」の設定は価値があるとも言えます。
一方、「えぼし」と定期普通列車との所要時間に大差はありませんが、臨時特急なので所要時間は仕方ないと思われます。
今回の入場定員は不明ですが、過去の2万人規模のコンサート終了後の混雑を考えれば、輸送力のあるE233系15両普通列車の設定の方が適切だったようにも思います。
その点はJR東日本の営業施策、「えぼし」設定の話題性が絡んできますが、せめて今回の「えぼし」は、「踊り子」付属編成を併結した14両編成での組成が望ましかったところです。
イベント後の列車混乱抑止、混雑緩和なら普通列車が勝る
東京-茅ヶ崎の所要55分、横浜-茅ヶ崎同27分の区間で、イベント終了後の多くの人を輸送する意味では、E233系による臨時特別快速の方が特急「えぼし」よりも適切だったと感じました。
ともあれ決定事項なので、当日の「えぼし」の乗車状況、成果を見守りたいと思います。