平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

京葉線通勤時 快速全廃により5両化特急の混乱と総武快速への転移を考える

房総特急5両減車化による混雑・混乱と、特急を避けての総武快速移行を探ります

昨日の「2024年春ダイヤ改正 京葉線快速を日中以外全廃するJR東日本の意図を読む」の関連編です。

今回は、「成田エクスプレス」以外の房総特急総武快速への転移について考えます。

JR東日本千葉支社ニュースリリースから一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

しおさい」「わかしお」「さざなみ」の輸送体系を変更します。

○特急「しおさい」に、E259 系 6 両を投入するほか、特急「わかしお」「さざなみ」は、すべての列車が E257 系 5 両での運転に変更します。 

ご利用状況にあわせて、「しおさい」「わかしお」「さざなみ」の輸送体系を変更します。

(以上引用)

 

東京-銚子の「しおさい」はE255系の5.5往復から、E259系での4.5往復に変わります。

E255系は9両編成でしたが、E259系は6両編成で3両減となり、さらに列車自体が1往復減ります。

車両数で換算すると、ダイヤ改正後は4往復とも6両編成化により9両の時から3両減となるため、計12両分の輸送量が減ることになります。

そこに1往復の運行削減により、合計で21両分の輸送量減となります。

 

また、E257系5両編成2組で10両編成を組成していた列車は、すべて5両単独編成の列車となって10両編成の列車をなくしています。

輸送量としては、255系9両からE259系6両への3両減以上で、10両から5両への半減、5両減は大きなダメージがあります。

多客期には10両編成を組むこともあるかと思われますが、房総地区のE257系の基本は全列車通年5両編成になります。

 

利用状況に合わせての輸送体系変更とは、9両・10両編成では輸送力過剰、5両で十分という主旨?

10両編成を半分の5両編成にするほど、房総特急の利用状況は減っているのでしょうか。

内房線「さざなみ」を中心に、すでに5両編成で運行している列車もありますが、房総特急の利用状況が厳しい中での活路として、通勤輸送に特急需要を見い出し、E257系の10両編成、255系の9両編成とで通勤輸送を行なってきた中で、一挙に5両化に半減して特急の通勤利用に影響は出ないのでしょうか。

コロナ禍による影響で利用は戻っていない、今後も当面は全盛期に戻ることはない、5両で十分という判断でしょうか。

 

255系廃車に伴う代替車増備がないためのE257系減車策では?

今回のE259系の「しおさい」充当と、E257系10両編成の5両化の背景には、255系廃車置き換えは2023年度末と決まっていたものの、その後継として車両新製はもとより、他の地区からの車両転用も見込めなかったため、E259系とE257系の車両数の中で行なうほかはなかったという苦渋が垣間見える印象を受けます。

 

10両編成を5両にしても影響がないほど、10両では輸送力過剰だったのでしょうか。

その苦情抑制策として、来春からの房総特急に全車指定席方式を導入したということはなかったでしょうか。

つまり、自由席という存在があると、満席の状況が続くと10両に戻すべきとの苦情や要望を受けやすいが、全車指定席とすれば、満席なら立席乗車でも仕方ないという諦めの境地や、普通列車、快速列車への転移も生まれるという計算までしてはいないでしょうか。

そこまではないとしても、少なくとも全車指定席化による自由席利用者に対する立席時の不満抑止、普通列車移動へのの多少の期待感はあるかとも思われます。

 

京葉線の通勤時の快速全廃で5両の特急転移による混雑・混乱はないか

京葉線ではラッシュ時の快速運転廃止による普通列車(各駅停車)の利用では、移動時間の増加、途中停車駅の増加、着席率の低下等を懸念して、速達化と途中停車駅少なさから特急利用に転移するケースも予測されます。

途中17駅停車、所要約50分の京葉線普通列車と、ノンストップ35分の特急との差は大きいものがあります。

東京-蘇我でさえもその状況ならば、東京から外房・内房線沿線までの通勤快速利用者には更なる所要時間と停車駅増負担の影響があります。

それもJR東日本の特急利用促進、転移の営業計算に含まれているようにも思えます。

 

はたして平日通勤時間帯の「わかしお」「さざなみ」は5両での輸送力で耐えられるのでしょうか。

京葉線快速のラッシュ時運転をやめるなら、むしろ「わかしお」「さざなみ」は10両化の輸送力確保の方が自然と考えますが、それでも5両化するほど京葉線、外房・内房線の輸送需要及び房総特急需要は減っているのでしょうか。

 

快速を利用したいなら総武線利用を間接的に促すこともJR東日本の含みのうち?

通勤で蘇我から京葉線快速により東京へ向かっていた人は来春以降、各駅停車で我慢するか、我慢できないから特急に変えるか、特急料金への抵抗感と普通列車の停車駅増のどちらも負担なので総武線快速に変えるかの選択に迫られます。

その中で東京-蘇我において、本数は限られるものの、外房・内房線から総武線快速に流れていくことも予想されます。

京葉線快速から総武線快速に変更することにより、通勤快速はないものの、途中停車駅数としては京葉快速とほぼ同じこと(総武快速11駅、京葉快速10駅停車)、15両編成の輸送力があること、グリーン車もあること、東京駅の利便性が京葉線より勝ること、新橋・品川へも直通すること等で、総武快速の良さ、強味が見直される可能性はあると思われます。

ただし総武快速は成田側が主体のため、蘇我-千葉は普通列車で移動し、千葉始発の快速利用というケースになっていくかと思われます。

ちなみに総武快速の千葉駅発東京方面の平日ダイヤは、以下の状況です。

〇 6時台:7本で、うち3本は千葉始発。ほかに特急1本(もう1本は「あずさ3号」で東京駅を経由しないため除外)

〇 7時台:12本で、うち2本は千葉始発。ほかに特急1本

〇 8時台:7本、うち始発3本、ほかに特急2本

〇 9時台:6本、うち始発3本、ほかに特急2本

なお、7時台、8時台の特急では東京まで所要約40分、他は30分前後です。

 

これらを見ると、蘇我から東京直通の総武快速か、蘇我-千葉の普通列車で千葉始発の快速に変わっていくように思われますが、状況を見守りたいと思います。