平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

2024年3月ダイヤ改正後の「新宿わかしお」「新宿さざなみ」秋葉原・津田沼通過措置を考える

山手線上野側から乗るには便利だった秋葉原の通過変更の背景を中心に考えてみました

外房特急「わかしお」、内房特急「さざなみ」は京葉線経由のため、総武線錦糸町船橋、千葉からは総武快速線外房線蘇我乗り換えが必要です。

そのフォローかどうか、臨時列車として、土曜・休日に新宿発着、総武快速線経由の「新宿わかしお」「新宿さざなみ」(以下、「新宿わかしお・さざなみ」)が運転されています。

2024年3月16日ダイヤの改正により、総武線秋葉原津田沼の2駅が通過に変わりました。

今回は「新宿わかしお・さざなみ」が秋葉原津田沼を通過とした状況について考えてみたいと思います。

なお、毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想像ですので予めご了承ください。

 

津田沼の通過について

停車継続の船橋駅と、通過の津田沼駅の、それぞれの「新宿わかしお・さざなみ」利用状況データはありませんので、両駅の状況を比較して津田沼通過の理由を想定してみます。

〇 船橋津田沼間が3.5キロ、所要4分で隣接しているため、連続停車を避けたこと

〇 2022年度の1日の乗車人員が船橋駅119,230人、津田沼駅85,072人であること

〇 かつて総武線に設定されていた通勤快速でも船橋停車、津田沼通過の経過があったこと

〇 船橋駅での東武野田線とは隣り合った位置状況から、乗り換え利用が期待できることに比べ、津田沼での新京成線津田沼乗り換えは距離があること

〇 京成との乗り換え距離においても、京成船橋駅は比較的近いが、JR津田沼駅京成津田沼駅とはかなり離れ、直接の乗り換え駅にはならないこと

〇 市の規模として、2024年2月1日現在の住民基本台帳人口は船橋市648,215人、習志野市174,856人、面積は船橋市85.62㎢、習志野市20.97㎢であること

 

津田沼は、徒歩5分ほど先に位置する新京成線新津田沼駅と接続しています。

天候の荒れた日や乗り換えになれていない人は、乗り換えに7~8分を要することがあります。

土曜・休日に、新京成沿線から「新宿わかしお・さざなみ」に乗るには、松戸6時20分発千葉中央行きで、京成千葉に7時20分着以降、20分間隔の千葉中央行きに乗車して京成千葉駅からJR千葉駅へ乗り換え可能という考え方もあるでしょうか。

同様に、上り列車の場合も「新宿わかしお・さざなみ」からJR千葉駅下車、京成千葉乗り換えによって千葉中央18時01分発、松戸19時05分着までの間、毎時20分間隔で松戸に直通列車が設定されています。

 

新宿わかしお・さざなみ」の津田沼停車による新京成接続は考慮不要、また、少なくとも船橋から4分での津田沼停車は短時間すぎるということになりそうです。

津田沼からの「新宿わかしお・さざなみ」利用は、総武快速で千葉まで乗車後、同特急発着ホームに乗り換え移動の手間が生じることになります。

 

秋葉原の通過について

新宿、錦糸町船橋津田沼、千葉の各駅は、中央・総武緩行線ホームへの発着ではありません。

新宿わかしお・さざなみ」の新宿-千葉間で、中央・総武緩行線ホームに発着するのは唯一、秋葉原だけという事情があります。

 

新橋、品川方面から「新宿わかしお・さざなみ」に乗るには横須賀線総武快速線直通電車で錦糸町乗り換えれば同一ホームで乗れます。

上野・田端方面や、つくばエクスプレスからは「新宿わかしお・さざなみ」の秋葉原停車が便利でした。

今回の通過措置は、秋葉原での乗降実績が少なかったのかどうかは不明です。

また、秋葉原駅総武線ホームの今後のホームドア設置との関連から、今回の通過措置をとったのかどうかも不透明です。

しかしながら特急停車駅の錦糸町船橋総武快速線ホームも、4ドア通勤車両と特急が同一ホームに停車という点では、秋葉原と同じ事情を抱えているはずです。

ホームドア設置完了後、再び特急の秋葉原停車という可能性があるのでしょうか。

それとも今後はずっと通過でしょうか。

 

上野・田端方面からの「新宿わかしお・さざなみ」は、秋葉原総武線ホームまで上がり、錦糸町到着後、緩行線ホームから快速線ホームへと移動するのは、「新宿わかしお・さざなみ」の秋葉原停車と比べて負担が大きすぎます。

中央線「あずさ・富士回遊3・44号」の秋葉原通過の場合は、千葉-大月間が12両編成のため、10両編成までの秋葉原駅ホームの長さゆえに通過することは理解できます。

ただし、仮に付属3両を併結しない基本編成だけの9両であっても「あずさ」として秋葉原に停車するかどうかは別です。

9両「あずさ」なら停車、12両「あずさ」なら通過秋葉原停車とするのでは、柔軟対応というよりも優柔不断過ぎて混乱をきたすゆえに、何両編成だろうと千葉「あずさ」は秋葉原通過としたと考えられます。

 

4枚ドア通勤電車と1枚ドア特急電車とのホームドア設置扉の両立化

秋葉原駅総武線のホームドア設置の関係があるにせよ、総武線だけでなく、東海道・中央・常磐・京葉・東北・湘南新宿ラインの各線は、特急列車のドア位置と、通勤形電車・近郊形電車の4ドア車との兼ね合い問題が発生することは共通しています。

1枚ドアの特急が停車する駅では、4枚ドア通勤車両とのホームドア両立化が必要になります。

 

なお、東北新幹線ホームにおいても、山形・秋田新幹線の停車位置側では、通常新幹線車両との車長・ドア位置の相違により、落下防止用防護柵はあってもごく一部にとどまり、テープで簡単に仕切っただけの形状を見るとドア位置の違いによるホームドア開閉位置の難しさを感じます。

 

JR東日本は「新宿わかしお・さざなみ」利用促進の気概はあるか?

以上を見てくると、臨時列車とはいえ、JR東日本には「新宿わかしお・さざなみ」の利用を促進する気持ちはあまり伝わってこない印象を受けます。

新宿わかしお・さざなみ」中央・総武線新宿、錦糸町船橋から安房鴨川、館山への唯一の行楽直通列車であるとともに、山手線上野・田端側から秋葉原乗り換えでの利用者吸収もあったはずです。

津田沼通過はまだしも、少なくとも今回の秋葉原の通過措置はJR東日本の房総への鉄道利用選択、営業施策的に得策でなかったように考えますが、いかがでしょうか。

 

※写真は本文と無関係です。