平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

常磐線・千代田線の西日暮里乗換割高運賃問題を考える

常磐線快速が綾瀬に停車すれば不満は減っていたか?

JR東日本常磐線東京メトロ千代田線の相互乗り入れで運賃が割高になるのは不当として、払い過ぎた運賃の賠償を求めた訴訟の判決が2023年9月15日、東京地裁であり、原告の請求は棄却されました。

今回は、この問題について考えてみました。

 

常磐線複々線化と千代田線

1971年4月20日に、常磐線北千住(綾瀬)-我孫子複々線化され、上野発着列車は快速線経由となり、北千住-我孫子の快速停車駅は松戸、柏だけとなりました。

複々線開業後、1972年10月1日までの約1年半の間は、快速は柏も通過していました。)

各駅停車(常磐緩行線)は、我孫子から北千住(管理上は綾瀬)を経由して、現在は代々木上原から小田急線にも直通しています。

 

現在の運賃状況は

亀有からの乗車を例として、以下の状況です。

〇 亀有-JR常磐緩行線-北千住-JR常磐快速線-日暮里:178円

〇 亀有-北千住-東京メトロ千代田線-西日暮里-JR山手線-日暮里:391円

〇 亀有-北千住-JR常磐快速線-日暮里-JR山手線-田端:230円

〇 亀有-北千住-千代田線-西日暮里-JR山手線-田端:391円

 

区間別購入の場合】

〇 亀有-北千住:JR常磐線167円

〇 北千住-西日暮里:東京メトロ千代田線178円

〇 西日暮里-日暮里:JR山手線146円

〇 西日暮里-田端:同146円

 

綾瀬に快速が停車していれば不満は減っていた?

この運賃問題は、千代田線西日暮里経由の運賃が、常磐線と千代田線とで別計算のため高くなることが第一で、第二に北千住駅のホームが、千代田線は地下2階、常磐快速線は地上の構造で、乗り換えに手間がかかったことにありました。

西日暮里乗り換えの場合、運賃が別計算で高くなることは鉄道側に不利なためか、PRは不足していたような記憶があります。

北千住の千代田線ホームが地下なのも不満の要因でした。

同じ地下鉄でも日比谷線や、後から出来たつくばエクスプレスは地上駅なのが皮肉です。

千代田線北千住ホームが常磐快速線と横並びしていれば、総武線錦糸町と似たイメージとなり、不満は減っていたように思います。

それができないならば快速を綾瀬にも停車させることが一番でした。

1971年当時の綾瀬駅前周辺は、現在と違って閑散としており、快速を停車させることは考えられませんでした。

綾瀬停車により、複々線による所要時間短縮時間も延ばしたくなかったと思われます。

綾瀬駅付近の当時の状況から見ると、快速ホームの設置スペースは十分あったように感じ、綾瀬駅で快速と緩行線・千代田線ホームが隣り合っていれば、北千住-日暮里の快速利用はもっとあったと思われます。

西日暮里乗り換えの方が秋葉原、東京、品川方面移動には乗り換えが1回で済むことでの利点はあります。

仮に、綾瀬に快速停車をしても上野止まりの列車運行ゆえに千代田線西日暮里経由の優位性は変わりません。

ただし、運賃負担が伴うことも変わりません。

快速が綾瀬を通過するたびに、快速ホームがあればと夢想することがあります。

 

千代田線がストライキで止まっていた時の綾瀬-北千住の移動方法

千代田線がストライキで運休していた、かなり過去の話ですが、綾瀬から北千住の移動は、緩行線でいったん松戸に行き、快速線で先程停車していた金町、亀有、綾瀬を通過して北千住に行っていた、逆戻り迂回ルートでした。

綾瀬から緩行線電車がそのまま常磐快速線に渡り線で直通できるか、または綾瀬に快速が停車していれば、この千代田線スト、松戸戻り現象は起きませんでした。

 

総武線複々線の場合

1972年7月15日に、東京-錦糸町の快速新線と、錦糸町津田沼複々線が開業しました。

1980年10月1日から、横須賀線総武快速線相互直通運転が開始されました。

1981年10月1日から、津田沼-千葉が複々線化されました。

 

総武線の快速通過駅では、錦糸町で別ホームに乗り換えますが、地上駅でホームが隣り合っていたことと、東京-錦糸町も同じ国鉄運賃だったこともあり、常磐線北千住のような問題は起きませんでした。

北千住と千代田線の地上・地下ホーム離れと、JRから東京メトロ(当時は営団地下鉄)という別の運賃体系による混乱、不満とは対照的でした。

 

(※記載にあたり、時事ドットコムニュース、2023年9月15日付け「『割高運賃は不当』訴え認めず JR常磐線とメトロ乗り入れ―東京地裁」を参考にさせていただきました。)