北海道新幹線札幌開業後、武蔵野線大宮アクセス向上が鍵
2030年度開業予定の北海道新幹線札幌開業後の話です。
現在、東京-札幌の飛行機需要は全国最大であり、移動する人のほとんどが飛行機となっています。
鉄道を選択する人はごくわずかの状況です。
北海道新幹線札幌開業後、飛行機から東北・北海道新幹線に変える人はどの程度見込めるでしょうか。
東京-札幌は長い間ずっと飛行機利用が定着しているので、新幹線が東京から札幌に直通しても厳しい状況ではあります。
羽田空港は東京都区内、神奈川県、千葉県の人には便利な位置にあり、千葉県の人は成田空港も選べます。
埼玉県は東京、神奈川、千葉とアクセス状況が異なります。
大宮からの東北新幹線乗車時間が、東京からの乗車時間よりも20分は短くなります。
そのため大宮から羽田空港への移動時間、空港での待ち時間と、大宮からすぐに東北新幹線で移動する時間とが接近してきます。
ここで飛行機利用による大宮から札幌への概算移動時間をみてみます。
新千歳空港-札幌の電車40分。
合計3時間20分です。
空港での待ち時間を含めると4時間は要します。
鉄道は、北海道新幹線札幌開業時にJR東日本がALFA‐X投入により最高速度360km/hで東京-札幌4時間30分前後と伝えられています。
その場合、大宮-札幌は最速4時間10分前後になります。
さらに青函トンネル内での貨物列車とのすれ違いがないダイヤが組めれば、時間は一層縮めることができます。
最速4時間10分前後ならば飛行機との差はほとんどなくなり、大宮から新幹線を選択する余地が高まります。
大宮からの北海道新幹線利用促進には埼玉県全域と、埼玉県に隣接する沿線から大宮への距離・時間が短く便利なイメージにすることもポイントです。
それには大宮発着の武蔵野線「むさしの」「しもうさ」の増強が望ましいと考えます。
「むさしの」は八王子-大宮間で増発し、中央線八王子、立川付近をはじめ青梅線、東武東上線からの大宮アクセスを便利にすることが秘訣です。
「しもうさ」は柏-大宮で設定し、常磐線柏付近をはじめ、つくばエクスプレス、東武伊勢崎線、埼玉高速鉄道からの利便性を高めます。
現在の西船橋、新習志野、海浜幕張発着よりも常磐線柏から大宮へ直通の方がより効果的です。
柏-大宮は東武野田線がありますが、停車駅数や所要時間、大宮駅から新幹線ホームへの距離等から武蔵野線直通電車の設定が望ましく思います。
これらの沿線から羽田空港と大宮との距離、時間に大差がないならば、武蔵野線大宮直通電車増強による大宮からの東北・北海道新幹線選択が一層促進されると考えます。