南阿蘇鉄道が夏に全線運転再開予定。周辺の鉄道と一体の列車計画です
南阿蘇鉄道は2016年4月14日の熊本地震による全線運休の後、同年7月31日に中松-高森間7.2kmで運転を再開しました。
中松-立野間10.5kmは土砂流入、トンネル、鉄橋の被害が大きく、不通のままでした。
立野での豊肥線接続ができないため、南阿蘇鉄道の利用客は厳しい状況です。
しかし熊本県や沿線町村等のバックアップにより、立野側の開通に向け2018年から全線復旧工事が開始され、2023年夏から全線運転再開の見通しが立ったことは明るいニュースです。
運転再開に先立ち、南阿蘇鉄道に新型車MT‐4000形が2両投入されました。
この新車により豊肥線肥後大津への乗り入れも計画されています。
豊肥線肥後大津-熊本間は電化されており、普通列車で所要40分前後です。
肥後大津からは今後、熊本空港への空港連絡鉄道新線も計画されており、完成後は熊本駅から電車が直通運転の予定です。
南阿蘇鉄道車両の肥後大津乗り入れは熊本連絡だけでなく、今後の空港連絡鉄道接続による利便性向上もできるので賢明な対応です。
南阿蘇鉄道の列車に乗る計画を立てていると、いくつか贅沢な望みが出てきます。
南阿蘇鉄道乗車だけで帰るのではもったいなくなります。
望みとは以下の3点です。
南阿蘇鉄道の持ち味として、雄大な鉄橋と「トロッコ列車ゆうすげ」があります。
トロッコでも他の路線のような客車、気動車、電車の改造車でなく、無蓋貨車のトラ2両に乗ること、ディーゼル機関車が牽引することは貴重です。
MT‐4000形やこれまでのレールバス車両も走りますが、「トロッコ列車ゆうすげ」に乗りたくなります。
南阿蘇鉄道に乗る前に豊肥線立野-赤水のスイッチバック配線に乗車します。
全国的に貴重なスイッチバック設備が南阿蘇鉄道の起点、立野のすぐ近くにあるので乗らない選択はありません。
③高千穂あまてらす鉄道乗車
2005年9月の台風被害により高千穂鉄道延岡-高千穂間50.0kmの全区間が廃止されました。
このうち深角-天岩戸間には全長353m、水面からの高さ105mの高千穂橋梁がありました。
日本一の高さがあった橋で、高千穂駅から高千穂橋梁までの5.1kmを観光保存鉄道の高千穂あまてらす鉄道として再活用されました。
この鉄道にも往復乗車したくなります。
以上を経路にすると、熊本-豊肥線-赤水-立野-南阿蘇鉄道「トロッコ列車ゆうすげ」-高森-バス-高千穂-高千穂あまてらす鉄道-バス-延岡となりそうです。
キーポイントは高森-高千穂のバスで、1日1~2往復に限られます。
従って高森-高千穂のバス乗車が最優先であり、「トロッコ列車ゆうすげ」にこだわると高千穂のバスが乗り継げなくなります。
上記コースの場合、羽田から飛行機で熊本空港に降り立ち、帰路は宮崎空港とするのが常道コースです。
東京-熊本を新幹線の場合、熊本着が午後近くになり、高森-高千穂のバスだけでなく「トロッコゆうすげ」にも乗れない可能性があります。
ただし自分のこだわりがあります。
列車に乗りに行くのが目的で観光地を巡らないのに、往復飛行機では鉄道に申し訳なく思います。
ただし往復新幹線では2泊3日が必要なため、1泊2日の折衷案で、行きは列車、帰りは飛行機になります。
以下、自己流1泊2日で往路は東海道・山陽新幹線、帰路は宮崎空港経由でご紹介します。
往路が新幹線なら、途中下車できる強みを生かして、門司港のトロッコ列車にも乗るコースを組みます。
途中の小倉で下車し、在来線で門司港へ向かいます。
南阿蘇鉄道同様、無蓋貨車です。
門司港に戻った後は、門司から415系電車で下関へ向かいます。
門司駅に停車中に電流切り替えテストがあり、パンタグラフ付近のホームに立つと大きな音とともに車内蛍光灯が消灯します。
門司を発車後、すぐ交直流切り替えデッドセクションを通過し、車内は消灯、屋根上と床下から独特の音が聞こえます。
下関に着いたら改札を出て再び入場。
同じ415系で門司、小倉へ戻ります。
文字到着前に電流切り替え音を再度聞きます。
普通車でも座席や内装、設備が豪華です。
博多-熊本は九州新幹線、熊本から豊肥線で赤水までスイッチバック体験乗車し、熊本泊です。
翌日ですが、高森から高千穂へのバスの発車時刻の前に「トロッコゆうすげ」が高森に到着するダイヤなら、トロッコ列車に乗ります。
トロッコに乗るとバスに間に合わない時は、南阿蘇鉄道は気動車に変更します。
そして高千穂から、高千穂あまてらす鉄道に乗車すれば今回の目的は達成です。
高千穂から延岡へバス移動、延岡から宮崎空港へ特急「にちりん」です。
飛行機で宮崎空港から羽田到着で完了です。
なお、南阿蘇鉄道のサイトで感じることですが、2023年夏の運転再開にあまり触れていないのはなぜでしょうか。
準備万端整ってから行なう予定なのかもしれませんが、現況の情報発信はこまめに行なった方がよいように思います。
いずれにしても南阿蘇鉄道の全線運転再開の日を待ち続けます。
※写真は本文と無関係です。