平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

只見線の混雑対策 車両増結と併せて1人掛けボックス席のロングシート化を

1人掛け+1人掛けボックスシートロングシートで異なる心理

昨日(7月15日)の拙「南阿蘇鉄道 今後、熊本乗り入れを行なうか?」の関連編です。

2023年7月14日のNEWSポストセブン「被災をきっかけに廃止やBRT転換が目立つローカル線 それでも全線復旧した南阿蘇鉄道只見線がとった方法」の中で、昨日の南阿蘇鉄道に続き、今回は只見線について触れます。

 

以下、一部を引用させていただきます。

「全線復旧後は平日でも観光客・行楽客が押し寄せた。只見線は列車の座席はすべて埋まり、立ち客もいるという混雑ぶりだった。そうした状況を受け、JR東日本は一部の列車で車両を増結するという対応を取っている。」

 

今回の内容は、現在のキハE120形の只見線継続使用と現有車両数を前提とした内容であることを予めご了承ください。

 

中央通路を挟んだ左右ボックス席が4&4席配置から4&2席配置へと変化

只見線の列車が満席で立客もいる混雑との内容ですが、只見線の列車編成と座席内容はどうなっているでしょうか。

2020年7月まではキハ40形とキハ48形で、中央通路を挟んだボックス席は左右とも4人掛け(以下、「4&4席」)でした。

現在の車両はキハE120気動車とキハ110形気動車の2形式のセミクロスシートで、中央通路を挟んだボックス席は4人掛け+2人掛け(以下、「4&2席」)に変わりました。

4&2ボックス席は5組あり、計30席で、1両全体の座席数は39席、定員114人となっています。

4&4席から4&2席に変えたのは、輸送実態から片側のボックス席を2席(1人掛け✕1人掛け)にしても十分という考えでしょうか。

そして1人掛け✕1人掛けの方がゆったり座れること、2人掛け✕2人掛けでは4人で座らず1~2席が空席になりやすいことも加味したのでしょうか。

 

想定ですが、4&2席の理由として、単線非電化のローカル観光路線では、キハ40形等の4&4席では中央通路が狭くなり、混雑時に乗降に時間を要すこと、乗車後に車両中央部に入りにくいこと、列車遅延要因になりやすいこと等を考慮したのではないかと思われます。

つまり、701系のようなオールロングシートまではしないものの、4&4席配置での通路混雑を考慮し、なおかつ中央通路が広くとれて、クロスシート配置が維持できる4&2席にしたのではと想定します。

 

着席率が下がるボックス4&2席よりも4席ボックスとロングシート組み合わせを

列車編成の基本の考え方の一つとして、普通列車であってもラッシュ時は別として、日中は乗客全員が着席できる発想が必要と考えます。

日中でも毎回立客が多ければ増結、増発での対応になりますが、車両増が伴います。

そのためクロスシートロングシート化する対応になってきます。

その究極が701系です。

 

いくらクロスシートが良くても毎回座れないのでは、クロスシートの意義が薄れてきます。

反面、鉄道側がクロスシート席を堅持するための増結、増発が容易にできるわけではないことも理解する必要があると思います。

 

4&2席という配置は、ボックス席を最大限維持した上での、混雑時の通路の広さ確保との両立も目指した産物とも言えます。

ただし片側2席(1人掛け✕1人掛け)により着席率が下がることが課題です。

混雑時でも少しでも着席率を上げ、通路幅も広くとるなら4人ボックス席とロングシートの組み合わせの方が適当と考えます。

1人掛け✕1人掛けボックス席のロングシート化により、1区画当たりの座席数は1席ずつ増え、5区画で5人の着席増です。

 

只見線ロングシートは論外の反対意見を踏まえた上で

たかが5人の着席増のために4&2席クロスシートの2席側ロングシート化はサービス低下という話になります。

ここで、ロングシート一色のイメージがあるJR東日本701系を見てみると、一部には4人ボックス席配置の車両があります。

田沢湖線奥羽線新庄-大曲間、IGRいわて銀河鉄道青い森鉄道701系の一部では、4人掛けボックス席を1両に4か所、千鳥状に配置しています。

JR四国の1500形・1200形・1000形の気動車7000系電車は、4人ボックス席とロングシートの組み合わせで、千鳥状の配置です。

この座席配置はボックス席側から見ると、ロングシートの乗客に常に見られている形で落ち着かないとの評もありますが、混雑時に着席できない不満は4&2席よりも少ない気持ちになるのは人の心理でしょうか。

4&2席で座れない時、4&4席なら座れたのに、という気持ちを生むためかと思われます。

 

只見線は観光路線ではありますが、昨今の混雑状況を考え合わせると、JR四国や一部の701系のような4人ボックス席とロングシートの組み合わせが適当ではないかと考えます。

ロングシートでは只見線の車窓が見られないという話になりますが、増結対応できない時のことや、2人ボックス席ゆえに着席率が下がった苦情も考え合わせれば、2人ボックス席のロングシート化が適当ではないかと考えます。

 

キハE130系3扉車との入れ替えも一方法

只見線に多くの人が乗るようになったのはいいが、地域の人の方が乗りづらくなり、車に変えようかとの話も耳にするようになりました。

JR東日本は一部の列車で車両を増結するという対応を取っている。」(前出の引用)との記載がありましたが、常時増結できるとは限りません。

4人ボックス席とロングシートの組み合わせはその一つの対応策として提示させていただきましたが、それでも解決しないならば3扉車のキハE130系気動車水郡線久留里線八戸線で運用)と入れ替えることも考慮した方がよいのではないかと考えます。

只見線の一部ロングシート化に疑義、異論が多いならば、3扉車で座席数は減るもののキハE130系への変更余地もあると思われます。

 

(※今回の記載にあたり、NEWSポストセブン「被災をきっかけに廃止やBRT転換が目立つローカル線 それでも全線復旧した南阿蘇鉄道只見線がとった方法」を参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。