平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東北701系電車 3席単位で仕切板と握り棒設置を

仕切板への着席時肘掛けと握り棒の効果

東北の普通電車といえば701系が思い浮かびます。

701系東北線IGRいわて銀河鉄道青い森鉄道奥羽線羽越線で、客車普通列車から置き換わった電車で、1993年の登場から30年が経過しました。

2両編成主体のロングシート車のため、評判は厳しいもののマイペースで走り続けています。

低評価の理由はクロスシートがないこと(一部を除く)と、編成両数減による着席率低下が要因です。

50系と12系客車の4人掛けボックスシートから、1列12席のロングシートへの変更には落差がありました。

旅情がない、車窓が見にくい、車中飲食ができない、カーテンが省略された等、良い声は聞こえませんでした。

 

編成両数減については、客車はデッキ付きで乗降扉は両端にありましたが、701系は3扉でデッキがないため、ロングシートでの乗降のしやすさも期待して基本、2両編成化しました。

地方幹線で3両編成のボックスシート客車を2両編成のロングシート電車に置き換えて輸送効率化を図ることは、日中の輸送力も考え合わせれば鉄道側にも一定の理解は示したいと考えます。

 

701系の優れた点は、普通列車とはいえ主要幹線走行ゆえの高速運転です。

仙台-青森では特急通過待ちがなくなったこともありますが、遠距離ほど客車列車も所要時間を短縮しています。

仙台-盛岡と、盛岡-青森での普通客車列車はそれぞれ約4時間を要しましたが、701系は30分ほど所要時間を短縮しています。

 

筆者は701系ロングシートの車内に入ると、テーブルや座布団を置いていない単なる広い畳部屋を連想してしまいます。

12人掛けの長大なロングシートが目につきます。

客車時代のボックスシートは全席、左右どちらかに肘掛けがあって、身を預けることができましたが、701系では着席後、左右に身を預けることはできません。

これが鈍行列車での長時間移動の旅をしていて、落ち着かないのです。

 

ロングシートへの批判はあるにせよ、今後の701系についてはボックスシートへの改造よりも、中間座席の仕切板と握り棒設置によって左右に身を預けられれば評価は違ってくるのではないかと考えます。

具体的には以下のとおりです。

〇 ロングシート12席を、3席単位で4区画にする。

〇 各区画の中間に握り棒(ステンレスパイプ)を設置する。

〇 握り棒の位置の座席の境界に仕切り版を設置する。

〇 仕切板は肘掛けを兼ねた形状とする。

 

握り棒(ステンレスパイプ)の設置効果

握り棒(ステンレスパイプ)は、正しい着席を促すとともに、座席に座る時と立つ時の両方の体の支えとして実用性があります。

列車が揺れた際の、立席客の安定、保護にもつながるもので、その効果は大都市通勤電車で立証されています。

握り棒の連続設置は鬱陶しいとの声もありますが、かえって12席のロングシートにはメリハリがあります。

 

南阿蘇鉄道の新車MT4000形はロングシートですが、3席~4席単位で握り棒5本を設置し、6区画を構成しています。

これによって正しい着席を促すとともに、車内と座席にメリハリ効果を生んだように感じます。

また、ロングシートの車内で着席時に、視線正面(前面)に阿蘇雄大な風景を見ることができるとの視点で、クロスシートにこだわらない発想をしています。

 

仕切板の設置効果

一方、仕切板は、着席者の肘掛けの役目のほか、体を仕切板に押し付けることが可能になることでの疲労抑止になります。

一つの見本として、京急は1000形電車の8人掛けロングシートを、3人と5人とに分割し、握り棒のほかに仕切板も設置しています。

この仕切板は、隣席に乗客がいない時は肘掛けの役目をし、左右に体を寄せやすくする役目も果たす秀逸なアイデアです。

仕切版の肘掛けとしての使用は、その隣に乗客がいない時だけの隣席客配慮による使用となります。

 

701系は延命工事をしていることからも、まだ10年以上は走ると思われます。

青春18きっぷでの東北の旅や、北海道&東日本パスでの東北鈍行は701系ロングシート車に乗ることになります。

ボックスシート化の声を出し続けても701系の運用年数、ラッシュ時の混雑増とのバランス課題があります。

現状のロングシートを前提に、仕切板と握り棒設置の方が実現性と、混雑時間帯対応の両立効果があると考えますがいかがでしょうか。