行きがA席なら帰りはD席を眺める話を勝手に展開してみました
今回は、将棋界の棋士の、鉄道にまつわる話です。
将棋界でデビューからの連勝記録をはじめ、ほとんどのタイトルを獲得し、現在7冠(竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)、残る王座での8冠達成に向け、次々に最年少記録を塗り替える藤井聡太棋士が最近、杉本昌隆師匠から明かされたエピソードがありました。
タイトル戦移動で電車に乗るとき、行きがA席なら帰りはD席のように、両方の車窓を眺めるようにしているということです。
以前から鉄道好きとのことでしたが行きがA席、帰りはD席の話に何となく嬉しくなりました。
同じ路線を往復する際、席を変えて両方の車窓を眺めること自体は別に珍しいことではありませんが、対局に向かっての長時間移動の機会も多い中、仮眠でなく車窓を見るという考えに共感を覚えます。
「両方の車窓を眺めるようにしている」という点に勝手な想像を巡らせて、ここでは乗る機会が多いと思われる東海道・山陽新幹線を例として、棋士の新幹線列車の乗車イメージを浮かばせてみたいと思います。
こだわりの席の位置は?
① 東京発下り列車はA席、新大阪発上り列車がE席(グリーン車はD席。以下、同)の、進行方向左側座席でしょうか?
② 逆に、東京発がE席、新大阪発がA席の、進行方向右側座席でしょうか?
③ 座席の左右は別として、行きがA席なら帰りはE席、行きがE席なら帰りはA席という、座席位置だけは変えるということでしょうか?
以上の3つの選択肢のどれだろうかと思い浮かべます。
前段の話で受け止めれば③になりそうです。
なぜ、わざわざ①と②のこともここで紹介したかというと、①の、進行左側席で対応列車を見ない方がいいか、逆に②の、進行右側席ですれ違い列車を見たいか、という点に興味を抱いたからです。
①の進行左側席は、すれ違う列車は見ないので、車窓に集中できます。
②の進行右側席は、すれ違う列車を頻繁に見ることになります。
それに加えて、反対側の線路、電柱、架線の様子も見られます。
在来線で言えば東北線、羽越線のような複線区間での線路配置で、上下別線複線の配置が分かるのは、進行方向右側の特典です。
しかしながら、両方の車窓を眺める、車窓に没頭、集中するという意味では、①の進行方向左側、東京発はA席、新大阪発はE席を選んでいるようにも思います。
時速285km/h列車同士の最短2分ごとのすれ違いは、車窓を見る際の妨げとみるか、それも列車移動の一つと受け止めているかどうかです。
そこまではこだわらず、往路A席→帰路E席、往路E席→帰路A席ということかどうか、聞いてみたい感じがします。
太陽光線のまぶしさは?
太陽光線も座席位置選択時のポイントになるでしょうか。
午前の下り東京発は東側、A席、午後は上り新大阪発が西側、E席がそれぞれ太陽光線でまぶしくなります。
まぶしくても車窓に集中すればよいことですが、十分に楽しむには光線が逆行になり、目にも影響することがあります。
隣席の人からカーテンを閉めてほしいと言われるかもしれません。
その意味では、すれ違い列車のことよりも、まぶしくない側、順光の席の方が落ち着いて車窓を見られます。
東京発の場合、午前はE席、午後はA席の選択でしょうか。
自分の場合は
ここで少し、筆者自身の蛇足話です。
すれ違い列車を楽しむ②の進行右側派です。
太陽光線の悩みはありますが、隣席に人が座っても、車窓を集中して見ているのでという姿勢を間接的に伝え、太陽光線は隣席位置に最小限しか当たらないよう、カーテンを半分だけ閉めます。
カーテンを全部閉じなかった残り半分の部分から窓側に顔を当て、車窓を見ている意思表示をします。
難しいのは隣のB席に、先に着席されていて、カーテンを全閉している場合です。
この場合、半分または3分の1だけカーテンを開けますよということを伝えます。
3分の1でさえB席に光が入るようなら、5分の1にします。
反対側の席に座れば済む話ですが、筆者はすれ違い列車、対向する線路、架線柱、架線本体、上下線の線路の間の状況も見たいので、快晴の日はカーテンに気を遣います。
東京発の東海道新幹線が田町付近で上下線が離れ、その中央に大井車両基地へ行く分岐線を見ると進行右側に乗りたくなってきます。
通路側席しか座れなった場合は、カーテンを多少でも開けてくださいとは言えないため車窓が得られず、進行右側へのこだわりは捨てます。
カーテン開閉選択権の意味もあって、新幹線や特急での着席位置は窓側にこだわります。
洗面所に行きにくいのが新幹線A席の難点ですが、東京-新大阪2時間30分なら無縁にできます。
蛇足話にしては長すぎて失礼しました。
機会があれば知りたいこと
話は戻って、棋士の場合、長時間乗車時の列車では、列車内の洗面所利用はどうしているのでしょうか。
極力自粛して車窓に集中しているか、長いトンネル内を利用しているか、余計なことまで想像してしまいました。
こだわりの号車、好みの号車はあるか、普通車は20列うち、中央位置を好むか、前側デッキ側か、後ろ側デッキ側か、走行中に眠くなったら身を任せるのか、車窓を見るため眠気覚ましの知恵があるか、夜の乗車時はどうしているかなど、機会があれば知りたいものです。
そこで鉄道に関しての自分との共通点は勝手に喜び、違う点はいろいろな考え、価値観を知ることによって自分の先入観、決めつけを時には省みて、自分の視野を逆に広げられればと思います。