山陽新幹線小倉-博多のJR西日本所管がJR九州にとって判断にどう影響するか?
タビリス2023年7月16日の「東九州新幹線「久大線ルート」の研究。意外にメリットが多そうで」を見ました。
大分県が久大線ルート調査を行なっている話の展開で、参考になりました。
今更何も付け加える必要のない、説得力ある充実した内容ではありますが、ここでは日豊線小倉ルートか、久大線新鳥栖ルートかの部分について、筆者の勝手な東九州新幹線への予測を書きたいと思います。
毎回のことですが、何の根拠、裏付けもありませんので予めご了承ください。
新幹線距離、走行時間等については、タビリス2023年7月16日の内容で書かせていただきました。
前提要件
・博多-久大線ルート-大分:約140km(博多-大分約40~50分)
・博多-日豊線ルート-大分:約160km(小倉-大分で約31分、博多-小倉約15分、 計約50分)
・新大阪-久大線ルート-大分:所要約3時間
・新大阪-日豊線ルート-大分:所要約2時間40分
行橋、中津、宇佐、別府からの博多直通列車について
一定需要があると見込まれ、編成両数減や本数削減はあっても在来線経由の「ソニック」で存続と思われます。
新大阪-大分の輸送について
◎ 単独直通列車輸送の場合
・日豊線ルートの場合、所要時間は短いが、博多を経由しないのが難点。
・久大線ルートの場合、所要時間は長くなるが、博多を経由するのが利点。
◎ 併結直通列車設定の場合
●久大線ルートの場合
(1) 新大阪から博多までは16両編成、1~8号車は鹿児島中央行き、9~16号車は長崎行きまたは大分行きで、博多で分割(上りは博多で併結)という列車編成を組める可能性。
(2) 新大阪から博多までは15両編成、1~5号車は鹿児島中央行き、6~10号車は長崎行き、11~15号車は大分行きの列車編成を組める可能性。
※(1)(2)いずれも新大阪-博多は一体輸送が可能。
(2)の場合、3編成での組成は前例がないため、現実的に実施は難しいと思われる。
●日豊線ルートの場合
(1) 新大阪から博多までは16両編成、1~8号車は鹿児島中央行き、9~16号車は長崎行きまたは大分行きで、長崎行きの場合は博多で分割、大分行きの場合は小倉で分割という列車編成を組む可能性。
→ 分割併合駅が小倉または博多のいずれかとなって、2駅での分割併合はJR西日本との調整に困難な面がある。
大分行き併結の場合、新大阪-博多の所要時間が延びてしまう。
(2) 新大阪から博多までは15両編成、1~5号車は鹿児島中央行き、6~10号車は長崎行き、11~15号車は大分行きの列車編成を組める可能性。
→ 分割併合駅が小倉と博多の連続2駅となることは現実的に実施困難な面がある。
以上のことから、久大線経由の方が勝ると考えます。
結論:久大線ルート
筆者の予測は、JR九州の経営上の観点から日豊線ルートではなく、久大線ルートで進むと考えます。
理由は以下のとおりです。
〇 日豊線ルートの場合、小倉-博多がJR西日本区間であり、JR九州の収入にならないこと
→ 小倉から日豊線ルート分岐点までJR西日本との調整が必要なこと
→ 小倉-博多、新大阪-小倉-大分の直通ルートは山陽新幹線区間がJR西日本のため、JR西日本との調整が必要なこと
→ 日豊線ルートの「ソニック」ルートでは、小倉でスイッチバック運転となること
→ 博多-大分でスイッチバックしない運転の方が、列車の印象が良いこと
〇 新大阪-大分の直結よりも、博多-大分の直結を重視すること
〇 博多を基点とした自社新幹線網により、大分も直結したいこと
→ 新大阪-大分は久大線ルートにより約20分の時間延になるが、全列車の新大阪-博多設定が可能になることと、博多を基点として熊本、鹿児島、佐賀、長崎、大分への新幹線直通網の効力の方が勝ること(※佐賀、長崎については、西九州新幹線新鳥栖-武雄温泉間開業後の話です)
以上のことから、久大線ルートになるのではないかと考えます。
山陽新幹線小倉-博多がJR西日本の所有であることが、JR九州にとって判断の分かれ目です。
加えて、小倉のスイッチバックも痛手です。
久大線の並行在来線と、東九州新幹線大井鷹行後、新幹線直通のない唯一の県となる宮崎県の対応についてはまた別の機会に。
(※記載にあたり、タビリス2023年7月16日の「東九州新幹線「久大線ルート」の研究。意外にメリットが多そうで」を参考にさせていただきました。)