品川-三崎口誘客策 快特は三崎口延伸、特急は久里浜折り返しの方が効果的
京急は2023年10月に運賃を改定しますが、品川-三崎口を筆頭に遠距離運賃を大幅に値下げする内容に驚きました。
三崎口側の利用状況が厳しいことは、京急久里浜以南の平日日中ダイヤが20分間隔に半減したことでも伝わりますが、品川-三崎口950円を740円まで下げるのは異例の措置です。
横浜以南の利用者が東京へ向かう際、品川が目的地の割合は少なく、品川以遠の山手線沿線付近が目的地ならば、横浜からJR東海道線に乗り換えると想定されます。
京急は都営地下鉄浅草線に乗り入れますが直通本数は半分以下、種別は「普通」と同じ、運賃は別計算、山手線や地下鉄銀座線と比較して表通りコースでないこと、東海道線15両編成より輸送力が小さいなど、不利な点があります。
値下げ措置により品川-三崎口での直通利用の需要、すなわち平日通勤、休日行楽の増加を期待しますが、ダイヤで提案があります。
平日日中ダイヤで、泉岳寺-京急久里浜の快特を三崎口へ延長運転し、逆に京成直通の三崎口特急を京急久里浜折り返しにすることです。
品川から三崎口行き特急に乗車すると、京急久里浜で後続の快特到着を待つため9分前後停車します。
速達の快特に乗っても京急久里浜で特急乗り換えが必要で、三崎口へ直通で行くことはできません。
上り列車も同様で、三崎口から快特で品川に向かうことはできません。
特急に乗車後、京急久里浜で10分弱停車し、快特に乗り換えです。
上りも京急久里浜での特急停車時間は長すぎます。
土曜・休日は快特も三崎口に直通しますが、京急久里浜で4分前後停車することがあります。
京急久里浜-京急長沢の単線事情はありますが、快特の長時間停車は京急の高速運転イメージを弱めます。
快特の停車時間は最大2分に抑えるべきと考えます。
快特と特急では停車駅に5駅の差がありますが、品川-三崎口の直通列車で比較すると所要時間が同じか、逆に特急の方が快特より所要時間が短い列車もありました。
原因は快特が京急久里浜で長く停車し、特急はすぐ発車するからです。
上記のダイヤは例外としても、品川-京急久里浜での快特と特急の停車駅の差は5駅、所要時間の差は4分前後です。
4分も開くのか、4分しか開かないのか、受け止め方次第ですが、京急側は前者での危機感があるはずです。
一方、横浜-金沢八景での停車駅は両者同じです。
品川-京急久里浜で特急が後続快特に抜かれることもありません。
その意味では快特が発車した後、「京急久里浜まで(上りは品川まで)、次の特急が先に到着します」の旨、列車案内をしても良いのではないでしょうか。
快特運転本数が半減したことも遠距離運賃値下げの一要因ではありますが、特急の高速性をアピールしても良いように思います。
ただし、快特が遅くなったと逆に受け取られないよう留意が必要です。
10月以降の品川-三崎口の遠距離利用の運賃値下げの成果を見守りたいと思います。