愛されるキャラクターを車体に取り付け、団体列車でも大盛況の理由とは?
3月28日、新京成の「ふなっしートレイン」がくぬぎ山-新津田沼で1往復の団体列車としてラストランを行ないました。
往復計300人募集定員はすぐ予約が埋まり、ラストランは大盛況だったとのことです。
この企画は2022年4月から12月までのところ、2023年3月まで3カ月延長し、結果として1年間走行しました。
最終3月28日、ラストランでの人気には改めて驚きました。
今回のラストラン企画で印象的なことは、参加者のほとんどが女性だったことです。
列車のラストランと言えば通常はほとんど男性、鉄道ファンです。
元々人気のあったふなっしーですが、電車内を歩き回って各車両で記念撮影や、駅ホームでの撮影、車内の生アナウンスも盛り上がりが伝わってきます。
ふなっしー以外にも、ふなごろー・ふにゃっしー・ペアンヌも登場とのことです。
ラストランでの人気ぶりは鉄道や車両への関心よりも、ふなっしーへの関心の高さによるものですが、その関心を列車の車体に振り向かせた趣旨は成功したと言えます。
ふなっしー編成の電車は登場当初から話題性があり、写真撮影をする人や、乗車中の人の会話でも話題にされることがあり、人気を再認識しました。
もう一つ、人気を高めた一因として、京成乗り入れ編成の8814編成を充てたことで、京成直通により京成沿線でもふなっしーの話題になり、それが新京成電車への話題、関心にもなっていったと思われます。
京成乗り入れ対応編成を選定したことは正しい選択でした。
今回のふなっしー編成に限らず、他のラッピング編成や、この正月のヘッドマーク編成などでも京成乗り入れ編成の方がより効果的と言えます。
現在のラッピング編成、8811、8813、8913編成のうち、新京成のみの運用充当は惜しい気がします。
正月のヘッドマーク編成は8805で新京成のみの運用でしたが、京成乗り入れ編成を充てた方が一層よかったように思います。
今回最大の成果は、女性の参加が大部分の点と感じます。
女性の口コミ力(くちこみりょく)、知人・友人勧誘力、情報発信力は改めて凄いと思いました。
男性の場合、仲間を誘う人ももちろんいますが、自分一人が楽しむケースも多くあります。
女性・男性を安易に区別するのは禁物ですが、鉄道や列車そのものを楽しむことと、それに付属したことを楽しむこととの違いの結果とも感じます。
過去の鉄道界に勤務する人、関係する人の歴史経過がほとんど男性だった経過もあるでしょうか。
話は少し逸れますが西武の丸顔電車、001系特急「ラビュー」、30000系スマイルトレインなどを見ると、四角くごつごつした電車のイメージから脱却した背景の、女性参加効果を感じます。
男性にはこの丸顔発想はなかなか出来ないと認めざるを得ません。
通勤列車の顔は四角いものという先入観から離れられないためです。
女性に喜んでもらえる企画立案、宣伝や、当日関係者の女性参加も鉄道を盛り上げる秘訣であり、そのためにはまず男性だけでの会議をせず、女性との割合を半々にすることからスタートすることと感じました。