「リバティ」で品川－東京－日光・鬼怒川温泉－会津田島の設定が効果的
昨日の「東武スペーシアＸに全車両プレミアムシートの豪華編成も投入を」の続編です。
今回は「日光」「きぬがわ」がテーマです。
2023年３月ダイヤ改正後、東武日光線とＪＲ東日本の東北線（愛称：宇都宮線）を結ぶ特急「日光」「きぬがわ」の定期列車の本数が改正前の計４往復から２往復へと半減しました。
改正後はＪＲ新宿－東武日光に特急「スペーシア１号・４号」、ＪＲ新宿－鬼怒川温泉に特急「きぬがわ３号・２号」が設定されています。
ほかにＪＲ新宿発着の臨時列車が３往復あり、さらに八王子発着も設定されることがあります。
臨時列車の運転日に利用すれば運転本数は改正前と同じとも言えますが、毎日運転でない以上、定期列車の本数が肝心です。
「日光」「きぬがわ」利用が少ないゆえに定期列車を半減したわけであり、原因と改善策を考えたいと思います。
毎回のことですが勝手な想像であり、何の根拠もありませんので、予めご了承ください。
なお、列車利用の減少要因として、直通列車本数の少なさと日光・鬼怒川への鉄道需要の点については今回、触れないこととします。
【利用が伸びなかった要因】
全国の駅でも乗降者数最上位の新宿発着であっても、乗客を呼べなかったことは、新宿発着の効果が期待ほどは出なかったと言わざるを得ません。
池袋、新宿から東武浅草に行くのは乗り換えと時間の関係で億劫な印象があります。
そこを狙って新宿・池袋発着の「日光」「きぬがわ」の設定は本来、便利なはずです。
東武特急で日光、鬼怒川温泉へ行くなら、多少は億劫でも始発の浅草から乗ろうと思うのでしょう。
行く機会が多くない浅草の街を見ながら東武特急に乗ろうという思考が働くとも考えられます。
次に列車の魅力の是非です。
元「成田エクスプレス」の253系では引き寄せる力が弱いようです。
東武「スペーシア」は253系に比べれば乗りたくなる車両ですが、東北線、山手線の駅の中ではさほど魅力的に映らなかったのかどうか。
三つ目に列車自体の存在感です。
新宿、池袋から日光、鬼怒川への直通特急があることをどれほど知られているかどうか。
東武、ＪＲ東日本とも自社路線のみ走行の列車を宣伝したくなるのは常です。
東武は当面、７月からの「スペーシアＸ」の宣伝、利用促進に力を注ぐと見られます。
「スペーシアＸ」は浅草発着であり、その方が東北線乗り入れよりも宣伝効果と収入に貢献するからです。
しかし「日光」「きぬがわ」も設定した以上、ＰＲに力を注ぐことは必要です。
【「日光」「きぬがわ」定期２往復の利用促進策】
〇 上野・東京経由、品川発着にする
→ 新宿発着よりも、東海道・山陽新幹線接続による利便性を重視します。
→ 鬼怒川温泉止まりでなく、野岩鉄道を介して電化区間の極限、会津田島まで直通設定し、会津若松への至近さでインパクトを与えます。
ＪＲ東日本は東北新幹線郡山経由を促進したい側の立場なので、「日光」「きぬがわ」経由の会津若松コースをあまり歓迎しないでしょう。
しかしながら東京－会津若松の所要時間と運転本数から郡山経由は定着しています。
東武がその独擅場を変えることは最初から難しいのであり、ＪＲ東日本は野岩鉄道経由を大らかに見てもよいのではないでしょうか。
また、そもそも「日光」「きぬがわ」の設定は、東京都心に乗り入れたい東武と、宇都宮経由の日光線での誘発に限度があるＪＲ東日本との利害一致、協調姿勢でもあるはずです。
〇 東武は「リバティ」を充て、３両編成２組で６両編成を組成する
〇 「リバティ」は下今市で東武日光行きと会津田島行きに分割する（上りは下今市で併結）
→ 会津田島直通は「リバティ」が要件です。
６両固定編成の「スペーシア」とＪＲ253系では鬼怒川温泉と日光の２往復両立化はできず、各１往復設定にとどまります。
３両編成の「リバティ」に変えれば、品川－下今市の６両運転、鬼怒川温泉と日光との本数の両立化、３両による会津田島直通が可能になります。
２往復とも品川滞泊になりますが、車両運用入れ替えは東武日光編成により、日光到着後の折り返し時点で可能です。
「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」が岡山での分割併合時に編成順序を入れ替えているのと同じ考え方です。
【「日光」「きぬがわ」定期２往復の想定ダイヤ】
大宮発着時間を極力、現在と同時刻とする前提のものです。
「リバティ日光品川・リバティ会津品川」はここでの仮称です。
●「リバティ日光品川・リバティ会津品川１号」
品川9:15→東京9:30→上野9:35→大宮9:59→下今市11:22着→分割→東武日光11:35
下今市11:26発→鬼怒川温泉11:50着→会津田島12:50着
●「リバティ日光品川・リバティ会津品川３号」
品川10:15→東京10:30→上野10:35→大宮11:02→下今市12:16着→分割→東武日光12:30
下今市12:20発→鬼怒川温泉12:40着→会津田島13:50着
●「リバティ日光品川・リバティ会津品川２号」
（１号の折り返し）会津田島13:30→鬼怒川温泉14:33→下今市で日光14:50発と併結→下今市15:00→大宮16:15→上野16:40→東京16:45→品川17:00
●「リバティ日光品川・リバティ会津品川４号」
（３号の折り返し）会津田島15:20→鬼怒川温泉16:22→下今市で日光16:39発と併結→下今市16:47→大宮18:03→上野18:30→東京18:35→品川18:50
以上、雑駁なダイヤではありますが、利用促進の一策として提案するものです。
※写真は本文と無関係です。
