平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東武「スペーシアX」に全車両プレミアムシートの豪華編成も投入を

JR東日本サフィール踊り子」、JR九州「36ぷらす3」、近鉄「しまかぜ」の東武版を

最上級のサービスを提供するクルーズトレインとして、JR東日本「TRAIN  SUITE四季島」、JR西日本「TWILIGHT EXPRESS瑞風」、JR九州「ななつ星in九州」の3列車があります。

実際に乗るかどうかは別として、鉄道のシンボル、頂点に位置する憧れの列車としての存在価値があります。

 

しかしこれら3列車は究極であり、敷居が高すぎて容易には手が伸びません。

そこで、その一つ手前の豪華列車、全車両グリーン車の列車に第二の憧れを抱きます。

それがJR東日本サフィール踊り子」、JR九州「36ぷらす3」「或る列車」、近鉄「しまかぜ」です。

これらも豪華列車の位置にありますが、クルーズトレインほど遠い位置の存在ではなく、運が良ければ指定券も確保できる、身近な位置の第二シンボル列車です。

長距離路線網の鉄道では、距離と所要時間を活かしてシンボル的列車を投入することにより、その鉄道会社と列車への憧れと期待感、いつかは乗りたいという希望を描き続けます。

「踊り子」に乗れば「サフィール踊り子」が頭をよぎります。

サフィール踊り子」に乗れば「四季島」の思いを描きます。

 

大都市だけでなく、地方でも例えばえちごトキめき鉄道では「えちごトキめき雪月花」の存在で、いつか乗りたい期待感を抱かせています。

「えちごトキめき雪月花」の序曲として455系・413系国鉄急行型電車の乗車体験が相乗効果となっています。

 

さて、東武では2023年7月15日から浅草-日光・鬼怒川温泉に「スペーシア」をさらにパワーアップした「スペーシアX」(SPACIA  X)を投入します。

コックピットスイートを最上級に、コックピットラウンジ、プレミアムシート、スタンダードシート、ボックスシート、コンパートメントの6種類のシートバリエーションがあります。

浅草-東武日光は所要1時間50分、浅草-鬼怒川温泉は最大2時間08分です。

 

ここで近鉄「しまかぜ」の賢島間までの所要時間を見ると、京都から約2時間50分、大阪難波から2時間20分、近鉄名古屋から2時間00分です。

所要時間の短い近鉄名古屋からの「しまかぜ」でもすべての乗客が賢島まで全区間に乗るわけではありません。

途中の伊勢市、宇治山田、鳥羽で下車する人もいます。

その場合の近鉄名古屋からの乗車時間は1時間20分程度です。

それでも「しまかぜ」に乗りたい憧れで選んでいるわけです。

さらに近鉄の場合、ACE・サニーカー・ビスタEX→「アーバンライナー」→「ひのとり」→「しまかぜ」と、特急列車に抱く憧れの順序が整っているのが心憎いところです。

 

東武が今回、豪華な「スペーシアX」を投入するわけですが、編成の半分はスタンダードシートです。

気軽に乗れるスタンダードシートも連結意義がありますが、これとは別に「スペーシアX」のさらに上を行く、全車プレミアムシートの、更なる豪華列車、東武のシンボル列車も今後、検討してみてはいかがでしょうか。

つまり「リバティ」→「スペーシア」→「スペーシアX」の、もう一つ上を目指す列車です。

東武でも「スペーシアX」のさらに上への期待を抱かせる列車の存在は、営業的にも貢献すると考えます。

スペーシアX」4編成投入後、6種類のシートバリエーションの予約状況、利用割合を分析してみれば需要、欲求嗜好が見えてくるはずです。

 

蛇足ですが、豪華列車の愛称は(仮称)「スペーシアXXX」(スペーシア スリーエックス)はどうでしょうか。

スリーに深い意味はなく語呂、語感です。

ちなみにJR九州「36ぷらす3」は、世界の島で36番目の九州に、3をプラスして39→サンキュー→感謝という、いわば引っ掛け型愛称です。

銀河鉄道999も、「スリー」ナインという発声感触が隠れた人気要素の一つだったのではないでしょうか。

3(スリー)は全般的に比較的好まれやすい数字、語感と思います。