255系を一律廃止の前に、1編成観光列車投入が効果的
内房線「さざなみ」の経過
内房線の特急ダイヤを見るのは辛いものがあります。
館山方面への高速道路整備と東京湾横断道路の影響により、館山発着の定期「さざなみ」は2015年に廃止されました。
全盛期の東京-館山の最大12往復が、定期列車はゼロになるという極端さ、非情さです。
現在の「さざなみ」は東京-君津の通勤特急に特化しており、平日のみの運転で下り5本、上り3本の設定です。
下りは東京発17時30分から21時30分まで1時間間隔、上りは木更津基準で5時59分、7時03分・46分発で終了です。
館山への発着は土曜・休日の「新宿さざなみ」1往復に限られます。
水郷のあやめの花が見ごろの時期に臨時「あやめ」を設定する程度にとどまります。
安房鴨川基準で見ると平日6往復、土曜・休日7往復にとどまります。
土曜・休日が1往復増は「新宿わかしお」によるものです。
ただし銚子発着の「しおさい」は5.5往復(下り6本、上り5本)に限られます。
ほかに成東発着が1往復あり、上りは毎日運転、下りは平日のみの運転で異なるのが奇妙です。
255系から既存の他形式電車に置き換わった時の誘客効果は
主要駅の乗降客数を見ると安房鴨川と銚子への定期特急列車の6往復はやむを得ないかとも感じられますが、圧倒的本数の高速バスに需要が転移しているのが実情です。
房総は伊豆と比較するとリゾート面、温泉等で不利な面があります。
しかし房総の地域性なのでやむを得ません。
「B.B.BASE」の効果は
JR東日本は、房総地区において、特急列車だけでは誘発に限度があるため、自転車をそのまま列車に積み込めるサイクルトレインとして「B.B.BASE」、正式には「BOSO BICYCLE BASE」(ぼうそう バイシクルベース)を2018年から投入しており、意欲は感じ取れます。
ただし自転車持ち込みが前提の列車のため利用者が特定され、それ以上の利用者層には拡大できないのが弱みです。
デラックス特急の投入効果は
では、デラックス特急列車の房総投入はどうでしょうか。
しかし房総地区においては、グリーン車の座席改良、デラックスな座席設備だけで列車に引き寄せるには限度があると思われます。
房総地区に観光特急列車を
むしろ列車内での移動中を楽しむ列車の方が効果的と考えます。
これらの列車は、車両の外観、編成美、列車内の座席、雰囲気、接客サービス、飲食提供等、総合的なサービスが売り物です。
列車で東京から房総地区へ楽しく向かっていくこと自体を楽しむ、房総の鉄道に関心を寄せるきっかけをつくる列車として相応しいと考えます。
観光列車のコース
房総地区の列車移動自体を楽しむことを趣旨として、以下の3コース、その逆回りを含めて延べ6コースを提案します。
② 総武・成田線循環列車
③ 房総外周列車
東京発着に難があるならば千葉発着、両国駅や千葉駅が起点でもよいと思います。
255系のうち、1編成だけ当面使うなら → 改造5両編成で対応を
最後に、車両はどうするかという点です。
新製は無理、E257系、E259系も充てる余裕はないという場合、どうするかということです。
255系が全車、このまま廃車方向ならば別ですが、もしも1編成だけ暫く使用するとしたならば、いささか希望的な観測ではありますが、その編成を再活用、改造してはどうかと考えます。
9両編成は過大で、グリーン車を含めた1~4号車と先頭9号車、計5両での2M3T構成が望ましいと思います。
これらの改造実例と改造後の誘客効果を見聞していただきたいと思います。
「伊予灘ものがたり」のような列車で房総を外周すれば、房総地区の鉄道に関心が振り向き、房総全体の列車利用促進につながっていくと考えますが、いかがでしょうか。
(※ 記載にあたり、統計情報リサーチを参考にさせていただきました。)