平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

房総特急255系の後継車両形式を予測する

今後の255系後継車は何の形式になるか、想定してみました

昨日の拙「全車指定席化を目指すJR東日本 房総特急の次はどこか?」の続編です。

JR東日本ニュースリリース、10月27日付け「房総方面の特急列車を全車指定席で運転します」の中で、「グリーン車をご利用の場合は、事前料金から 530 円引きした額に、グリーン料金を加算します。」との説明があります。

房総特急は普通車のみの編成が中心ですが、その中の一部にグリーン車付きの編成としてE257系の一部と255系があります。

255系グリーン車付きの構成で、普通車のみの編成はありません。

その255系について、2023年度までは使用予定という情報があることから、2024年度の存続の有無が注目されています。

今回は、房総特急のみを走る、房総特急の顔である255系の今後を予測してみました。

毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想定ですので予めご了承ください。

 

房総特急への255系投入経過

255系は183系外房線わかしお」、内房線「さざなみ」の置き換えと、房総特急のイメージ向上策として1993年から1994年にかけて9両編成5本、45両が新製されました。

JR東日本の在来線特急グリーン車が2&1席だったのを再び2&2席に戻した最初の形式です。

255系登場の前まで、常磐線651系「スーパーひたち」、東海道線251系「スーパービュー踊り子」、253系成田エクスプレス」は2&1席でした。

255系の房総地区でグリーン車を2&2席に戻すほど需要があるのかは意見が分かれますが、当時の好況等から強気に出た印象がありました。

その後、東京湾横断道路の開通、内房線に並行する館山方面への高速道路整備により内房線特急の利用が減ったため、外房線内房線主体の運用を見直し、2005年から総武線しおさい」に充てることとしました。

 

255系は2024年度も継続運用?

ニュースリリースの中で、グリーン料金の案内があるということから、255系房総特急で継続すると思われます。

グリーン料金の案内があってもE257系、E259系等、グリーン車付きの他系列電車での話か、または房総特急全体をグリーン車のない編成のみで運用するが、都合によりグリーン車付き編成が入る可能性を考慮し、あえてグリーン料金の案内も行なったのかまでは判別できません。

しかし一般的に考えれば、鉄道側でもそこまで深い計算はしないかと思われます。

 

成田空港利用増によりE259系房総特急充当を見送り?

近年、E259系は「成田エクスプレス」専用特急のデザインから脱却しており、これは「成田エクスプレス」以外の運用、成田空港アクセス以外でも充当できるように汎用化の意味を込めたと思われます。

しかしこれは「成田エクスプレス」利用が期待ほど伸びなかったことが前提の話でした。

コロナ禍の5類分類前後から「成田エクスプレス」の利用が復活してきています。

京成でも2023年11月25日から「スカイライナー」22時台の上り1本の増発を決定しました。

本来の空港アクセス利用が急激に伸びている現在、E259系は「成田エクスプレス」専従と考えられます。

成田エクスプレス」の活況は良いことですが、E259系余剰車による房総特急への充当はできない状況になりました。

 

255系の置き換えはどの形式を充てるか?

255系の2024年度置き換えは実施しないと思われるものの、予断はできない状況です。

255系を置き替え、新製も避けるとすれば、他の系列での余剰車はあるのでしょうか。

それとも別の既存形式で新製により置き換えるでしょうか。

以下、想定してみたいと思います。

 

① E257系の余剰車活用

特急編成での余剰車というとE257系が思い浮かびます。

しかしながら首都圏中心に他方面で臨時列車として活躍しており、「あかぎ」「草津・四万」への充当もあって、既存車を充てる余裕はないと思われます。

 

② E257系の新製

E257系に余剰車がないなら新製しかなくなりますが、その際、E257系での新製を行なうでしょうか。

E257系は汎用型として便利な形式ではありますが、特急列車としての風格、インパクトには幾分、不足があります。

房総特急がE257系一色になったら車両の維持管理上は楽なものの、房総特急全体の魅力は弱まります。

それは東京-伊豆急下田の「踊り子」がE257系主体でありながらも、その中でE261系「サフィール踊り子」の存在があるからこそ、E257系の二番目の存在役で適任だったことと重なる点があります。

中央線E353系に対するE257系にも同じことが言えます。

E257系増備での置き換えはないと考えます。

 

③ E259系の新製

もっとも手近な255系置き換え方法は「成田エクスプレス」のデザインを施さないE259系の新製増備と考えます。

E259系本業の「成田エクスプレス」はもとより、房総3特急「しおさい」「わかしお」「さざなみ」のいずれにも充当できる柔軟性、運用の容易さがあり、E257系増備より話題性もあります。

 

④ E353系の新製

中央線E353系新製により、臨時「あずさ」「かいじ」のE257系にE353系を充当し、中央線臨時列車用E257系を房総特急に充てる方法です。

この場合、房総地区と中央線を合わせた柔軟なE257系運用ができます。

ただしE353系は振り子式の分、新製経費が大きく、毎日運転でない臨時特急にはE257系を充てる方が安価です。

また、中央線臨時用のE257系で255系を置き換えても②同様、房総特急の話題性にはつながりません。

 

⑤ 「踊り子」専用車両の新製

E257系「踊り子」に新形式を充て、「踊り子」のE257系を房総に充てる方法です。

特別編成の「サフィール踊り子」と、汎用型のE257系「踊り子」とでは差が大きすぎる状況があります。

一例として、E353系の亜流ではありますが、E353系から振り子式装置部分を取り除いた新形式電車により、投資効果の高い東海道線「踊り子」の新車投入を行なうような方法です。

「踊り子」のE257系は基本9両と付属5両での14両編成の構成なので、基本9両は255系の後継、付属5両は255系以外の房総特急等の予備用としては適任です。

しかしこれもまた②同様、房総特急の話題性の点では不足します。

そもそも「踊り子」の新形式を造ること自体に議論が必要であり、この案も現実的ではなさそうです。

 

結論:E259系増備と予測します

以上を総合すると③の、E259系新製による255系置き換えが、255系の後継車を種々想定した中での結論となります。

それとも結局、E257系で房総特急が統一できる利点により、E257系での増備か、その場合の話題性は外観の塗色や車内を一部変えるかが注目されます。

 

一般形特急を兼ねたデザインによるE259系増備車は255系の運用に充てることでの房総特急のシンボル的存在となるほか、「成田エクスプレス」や他の房総E257系への充当が柔軟にできる点でも効果的であり、維持管理面でも行ないやすいと考えますが、いかがでしょうか。