木次線利活用推進協議会で今後、どのように利用促進を図っていくでしょうか
昨日の木次線の続編です。
「木次線あめつち日帰り3コースの旅行プランを見る」の旅行広告の表紙下段に、「木次線利用補助金を使用しています」「協力 木次線利活用推進協議会」とあります。
そこに、出雲坂根駅3段スイッチバックの頂上側を行く列車をイメージしたロゴがあって、「RAIL is BATON」「もっとつながる木次線」「次へつなごう、木次線」等の文字が添えられています。
木次線と言えば、また山陰地方で3段スイッチバックと言えば出雲坂根をイメージするわかりやすいロゴです。
今回は、木次線の今後を考える窓口、木次線利活用推進協議会について考えてみました。
同協議会のホームページを開くと、先程の「もっとつながる木次線」のロゴがあり、「このロゴは、木次線を通じてつながる、様々な交流の輪をイメージして制作したものです。」と添えられているのが目に入ります。
協議会設立趣旨として、木次線が中山間地域の重要な地域公共交通としてかけがえのない生活路線であり、広域観光資源の一つにもなっていることを踏まえ、沿線住民と様々な組織が一体となって木次線の利用促進と鉄道資源を活用した地域の活性化を図り、併せて地域の恵まれた観光資源を積極的に活用しながら交流人口を拡大させるなど、一体的で効果的な事業を展開していくことが触れられています。
事務局は雲南市政策企画部うんなん暮らし推進課内に置かれています。
担当課の事務を見ると、「公共交通(市民バス・デマンドタクシー等)に関すること」とあります。
ここには鉄道、木次線の表記はなく、それは「等」の中に含ませていると考えられます。
木次線の固有名詞はともかくとしても、鉄道の表記がないのは遺憾です。
同協議会に戻ると、木次線を利活用した地域活性化を進める3つの柱として交通対策、地域振興、観光振興を掲げています。
交通対策の内容として利用促進、2次交通整備、路線維持、確保等があり、利用促進の目標は生活基盤の維持のため、乗って支える利用促進を図ることと謳われています。
具体的には、遠足や団体旅行等での列車利用、木次線利用者増を目的としたイベントや地域行事を対象に助成制度を設けています。
2023年1月13日から運行を開始した4色のラッピング車両の愛称を募集しました。
4色の内訳はピンク(斐伊川の桜)、水色(斐伊川)、黄緑色(自然・棚田)、灰色(たたら製鉄)です。
沿線地域をイメージし、4つの車両で統一感がある愛称であることを前提に、2月末に募集を締め切り、愛称決定は5月中とされています。
どのような愛称になるでしょうか。
協議会ホームページに木次線時刻表のアクセスがあり、そこに接続してみると、JRおでかけネットとなって、木次駅の上下線発車時刻表がそのまま見られます。
宍道方面では定期列車8往復、運転日確認列車3往復。出雲横田方面では定期列車3往復、運転日確認列車4往復の時刻が案内されます。
他の駅については駅名を入力すれば表示されます。
しかしながら、1日最大11往復の木次線の列車本数ならば、宍道から備後落合までの全線全駅の運転時刻表を添えてほしいと感じます。
ホームページ全体の印象としては木次線の歴史、資料的なものが多い印象がありました。
「趣旨&取り組み」のページで、これまでの実績と今後の取り組み、列車利用促進策を知ることができますが、協議会は今後、利用促進として具体的に何をしていくのでしょうか。
雲南市・奥出雲町・庄原市を含めた連携、沿線地域の機運・盛り上げ、危機管理の認識はあるでしょうか。
3市町での温度差が気になります。
出雲横田-備後落合は奥出雲町と庄原市に属し、雲南市からははずれます。
各市町のホームページを見ると、奥出雲町は木次線への熱が伝わる内容でした。
また、庄原市では芸備線も抱えており、芸備線は木次線よりも一層厳しい輸送密度のため「庄原市芸備線・木次線利用促進協議会」を別に設けています。
2路線を抱える自治体の大変さが伝わりますが、内容は懇切丁寧でした。
一方、雲南市は今後の存続可否議論が想定される出雲横田以南の区間ではないためか、木次線への思いは一歩、冷めているようにも感じました。
一例として、利用促進助成事業を見ると、令和3年度内容の情報となっており、令和4年度はまだ終わったばかりとは言え、最新情報はいつ頃の掲示されるのでしょうか。
再度、木次線利活用推進協議会に戻りますが、思いつく点を順不同で列記します。
列車ダイヤで木次、出雲横田での長時間停車、宍道での山陰線接続時間の悪さ、毎月特定曜日の列車運休、バス代行輸送は客離れの一因になっていないでしょうか。
木次では30分以上の接続待ちをする時間帯がありますが、利用者は木次でほとんど入れ替わっているのでしょうか。
「奥出雲おろち号」運転終了と「あめつち」移行後の出雲横田-備後落合側の誘発はどうでしょうか。
「あめつち」リレー列車(備後落合方面)の設定は無理でしょうか。
無理ならば、定期列車接続まで出雲横田での接続時間を長く感じさせない工夫には、どのようなものがあるでしょうか。
その他、国・県・市町村・JRとの棲み分け、出雲横田-備後落合の観光列車路線化選択の余地、芸備線・伯備線を含めた松江一周列車(松江-木次-備後落合-新見-米子-松江)企画などの検討課題はありますが、出雲坂根のスイッチバックのロゴが続くよう、前向きに検討されることを望んでいます。
蛇足ですが、木次線のわかりやすいキャッチフレーズは、回文ですが「木次 好き」(きすきすき)です。
「木次線 好き」「好き 木次線」の触れ込みはいかがでしょうか。
ひとまず、4種のラッピング車両の愛称決定後、どのようにPR活用し、利用促進に結びつけていくか、今後の様子を見守りたいと思います。
※写真は本文と無関係です。