王位戦七番勝負第5戦徳島へ。「マリンライナー」「うずしお」乗車体験は如何に
将棋の王位戦七番勝負の第5局が、8月22日から徳島市の「渭水苑」で始まりました。
会場は牟岐線で徳島から2駅目、二軒屋駅から徒歩16分ほどの位置です。
藤井聡太七冠が王位の防衛まであと1勝に迫る注目の一戦です。
3年連続となった徳島での対局で、過去2年間は車による淡路島経由で徳島に来られました。
今回は岡山で新幹線から瀬戸大橋線、高徳線経由での列車移動で、鉄道ファンとして知られる藤井七冠の満面の笑顔や、普段と全く違う表情も報道されていました。
「初めて乗る車両で楽しんで来ることができた」「今回、初めて鉄道で来まして。高徳線の『うずしお』に初めて乗ることができて」「鉄道でこれて楽しめた。いつかゆっくり来れたらいい」「瀬戸大橋は初めてで、瀬戸内海の景色も楽しめた」との話が新聞各紙から伝わってきます。
淡路島経由の車もいいでしょうが、遠回りで迂回してでも岡山から瀬戸大橋線、そして高徳線特急で徳島へ向かいたい気持ちを察します。
王位の防衛、7冠の堅持、史上初の8冠制覇が注目されますが、今回は七番勝負の会場と鉄道、そして今回の第5戦、徳島への「マリンライナー」と「うずしお」に乗る藤井七冠の鉄道姿をイメージしてみたいと思います。
以下、毎回のことですが筆者の勝手な想定なので、予めご了承ください。
今回の王位戦七番勝負の場所は?
今回の王位戦7回戦について、日程と会場へのアクセスを見てみました。
今回に限らず第5戦以降の会場使用有無は不確定要素があります。
4勝した時点で終了となり、それ以降は会場が使われなくなるためです。
→ 名古屋から名古屋市営地下鉄で東山線伏見経由、鶴舞線乗り換えで名鉄豊田線豊田市駅が一般的かと思われますが、実際には乗り継ぎの多さと名古屋付近の列車内混雑等により、車で直行でしょうか。
〇 第2局:7月13日~14日、兵庫県神戸市「中の坊瑞苑」
東海道・山陽新幹線新神戸駅からバス45分、有馬温泉から徒歩5分
全区間鉄道の場合、新神戸-神戸市営地下鉄-谷上(乗換)-神戸電鉄有馬線-有馬口(乗換)-神戸電鉄有馬線-有馬温泉、徒歩5分
→ 鉄道は乗り換えが多いので、新神戸から車が自然です。
しかし一般の人のコースとして、新幹線新神戸駅から有馬温泉まで2回の乗り換えは残念です。
〇 第3局:7月25日~26日、北海道小樽市「料亭湯宿銀鱗荘」
函館線小樽築港駅から車4分(徒歩10分?)
→ 新千歳空港から60分の小樽行き快速に乗ったでしょうか。
→ 長崎空港から直接、車で会場と思われますが、福岡空港または東海道・山陽新幹線博多駅経由で「リレーかもめ」と「かもめ」のアクセスはあったかどうか。
以下は今後の予定です。
東海道・山陽新幹線静岡駅から、しずてつジャストライン特急相良営業所行きで1時間、終点下車後、徒歩10分。
東名高速相良牧之原ICから車15分。
→ 新幹線駅としては掛川の方が近いですが、現地までのバス便は特定できませんでした。
〇 第7局:9月19日~20日、神奈川県箱根町「ホテル花月園」
→ 箱根登山鉄道最寄り駅からの案内はありませんでした。
第5戦で徳島へ。岡山-高松「マリンライナー」の乗車は
岡山で山陽新幹線を降りてから快速「マリンライナー」に乗る時、将棋の対戦とは別に、胸が高鳴ったでしょうか。
岡山から徳島への直通「うずしお」もありますが、瀬戸大橋線で下り列車に乗るなら展望グリーン車の「マリンライナー」を指定したとも思われます。
1階運転席背後の展望グリーン席がご本人一番の希望、特等席と思いますが、果たせたでしょうか。
少なくとも2階のグリーン室には乗らなかったように思います。
岡山を発車し、西へ直進の山陽線と分かれて南側、四国方向に進路をとるときが四国への入口序曲です。
部分複線の宇野線を行き、茶屋町で宇野線(通称:宇野みなと線)と分かれると高松まで複線区間になります。
単線区間でのポイント通過徐行がなくなり、高速運転になります。
児島でJR西日本からJR四国の乗務員に交替し、JR四国の路線に変わるところを拝見します。
児島を出て鷲羽山トンネルを抜けると、瀬戸大橋を渡り始める瞬間や、大橋を渡っている間の車窓が醍醐味と思います。
瀬戸大橋は6つの橋梁があり、櫃石島・岩黒島・羽佐島・与島・三つ子島の5つの島を通ります。
最初が下津井瀬戸大橋で、橋のほぼ中央が香川県と岡山県の県境です。
全長1,447m、主塔の高さ149m、橋桁から海面まで31mです。
続いて櫃石島橋で全長792m、岩黒島橋1,677m、与島橋877m、北備讃瀬戸大橋1,611m、南備讃瀬戸大橋1,723mと渡って瀬戸大橋は終了です。
与島は唯一、パーキングエリアのある島ですが、今に降りるのは車の特権です。
鉄道にも駅があればと思われたでしょうか。
橋は2層構造で、上部は車が通る瀬戸中央自動車道、下部は列車が通る本四備讃線です。
一見すると上を走る道路の方が見晴らしが良いように思いますが、空が見える部分が多く、列車の方が海が見えるという評を実感されたかと思います。
道路は足元がコンクリートのためで、線路はすぐ下の海水が見える点が大きく異なります。
これがコンクリートだったら、進行方向右側の車窓の魅力は半減してしまいます。
橋を渡り終えると、宇多津側の直進線路と分かれ、左へ折れて坂出側に向かい、高松に着きます。
高松から徳島へ2700系特急「うずしお」の乗車は
指定席ですが、1号車の1番から4番まで、計16席に限られます。
関係者の方の席確保の苦労は、いかばかりでしょうか。
七冠はこの16席の中の、海側の席を希望されたかと思われます。
時速130km/h運転、振り子式特有の揺れを逆に楽しめたでしょうか。
讃岐津田-阿波大宮では25‰の最急勾配での大坂峠と戦う気動車エンジンの唸りや海の車窓も堪能されたでしょうか。
徳島到着前、全長949.2m、JR四国管内で一番長いトラスの吉野川橋梁を渡ると徳島に到着です。
第5戦の結果は8月23日中に出ますが、徳島市内で万歳となるでしょうか。
(※記載にあたり、新聞各紙を参考にさせていただきました。)
※写真は本文と無関係です。