平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

新京成8804編成の列車無線アンテナが撤去され、近々廃車確実に

8804の個性、全盛期を振り返ります

8804編成の近々、廃車解体が確実になりました。

運転台の屋根上にある逆L字型列車無線アンテナが、数日前から撤去されたからです。

新京成の廃車は、これまでの過去の事例から、逆L字型列車無線アンテナを撤去するのが通常です。

なお、京成乗り入れ用の誘導無線アンテナはまだ残っています。

今回は、8804編成の過去を振り返りたいと思います。

 

寄せ集められて組成された8804編成

8804形は、8両編成全盛期の8808・8848・8872の3編成から2両ずつを寄せ集めて6両1編成を新たに組成し直した最初の編成で、2007年3月に組成されました。

鉄道関係者は、8804編成を含めたこの寄せ集め4編成(8804・8808・8812・8816の4編成)B編成と呼んでいるとのことです。

 

8804編成は、8800形の中では「く」の字型、シングルアームパンタグラフを装備した一番最初の編成です。

なお、シングルアームパンタグラフ自体は8900形で先例があります。

パンタグラフ装備のなかった車両に取り付けた最初の編成と思います。
それまでの8800形は通常のひし形、大型パンタグラフでした。

8両を6両にする際、全96両を1両も廃車せず組み替えたのは8800形の、別の面での評価にもつながるもので、その第一番が8804編成でした。

8900形の6両の廃車と比べれば明らかです。

 

従来の中間車の一部をカットして運転台を取り付けた編成ですが、カットされたと感じさせる印象は全く受けず、自然でした。

余談ですが、8804編成運転台設置と逆の例として、当時の800形では6両編成を8両化する際、運転台をカットして座席の台と入れ替えていました。

800形時代は輸送力増強に追われ、6両を8両にした1988年頃の全盛期時代の象徴でもありましたが、その後の利用変化により、8800形は全編成8両編成12本だったのが6両編成16本に組み替えられたのは皮肉にも映ります。

ちなみに、新京成の全盛期の象徴、8両編成新製の増備は1996年の8938編成が最後となりました。

 

新京成では2006年12月10日から京成千葉中央への乗り入れを開始しており、その時期と8804編成誕生はほぼ一致しますが、8両編成から6両編成になった8801~8804の4編成のうち、京成乗り入れ対象としたのは8801・8803編成であり、8802・8804編成は新京成線内専用とされました。

京成用の乗り入れ編成は誘導無線装置、急行灯、列車番号表示器、車体の帯のストライプ化等が行なわれていますが、8804編成の車体の帯は新京成線内運用専用の、既成の茶色の帯一本でした。

 

8804の過去の記憶を辿る

以下は8804編成の記憶を辿った内容です。

15年前当時の記憶なのであまりあてにはならないものを読んでいただくのも気が引けますが、ほぼ間違いないと自分では思っていますことを予めご了承ください。

 

2007年当時、京成乗り入れ用の誘導無線アンテナは設置されず、その後設置されましたが、なぜか再度撤去されて、一体どうなっているのだろうかと不可思議だった印象があります。

最終的に誘導無線装置は設置され、安心した思いがあります。

 

8800形8両編成の登場時、三菱電機GTO素子によるVVVFインバータ制御装置は独特の高音、うなり音がありました。

列車の出発時と停止直前の音は、かなり大きな音でした。

国鉄時代の常磐緩行線207系試作車や、JR東日本の209系も同等の音声と音量がありました。

その後、8800形は1999年以降、機器更新により音は静かになりました。

8804形は登場時から更新後の機器となっているので、登場時の音声でうなった経過はありません。

8804編成のほか、6両化で寄せ集められたB編成(8808・8812・8816)では、京成津田沼側先頭車の連結部の壁に、かつて消火器を設置していた名残の後が見えます。

 

廃車後の日程は

廃車を迎えると解体の流れになります。

現在、8928編成が検査中ですが、検査終了まではまだ時間を要すると思われます。

解体時期は8928の検査途中とは別に実施するか、8028の検査終了後に行なうかは不明ですが、前者かと想定します。

 

他の地方路線で走ってくれないかと夢を見るも、標準軌ということもあってか、京成でさえグループ内でしか事例が見られない中では、8804編成に限らず、8800形全般に期待するのは無理かと思われます。

4・5号車を抜いた4両化、2~4号車を抜いた3両化もできる柔軟な形式と感じますが、それを果たすならリニューアル工事をした8編成の話かもしれません。

人生同様、8804の末期を見届けつつ8804編成の後継80046編成の受け継ぎにも期待し、頭を切り替えたいと思います。

 

※写真は最新の状況とは異なります。