平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

JR東日本社長会見 全車指定席特急と自由席1日乗り放題とは両立するか?

キュン♥パスの指定席2回を首都圏の全車指定席特急に使うのは非効率の悩み解決策は?

読売新聞、2024年1月31日付け、「赤字ローカル線の存廃『サステナブルな地域交通のあり方、地元と考えていく』…JR東日本・深沢祐二社長」の記事を拝見しました。

ローカル線の構造改革、経費削減のための列車自動運転、複雑化した首都圏の運賃体系の単純化、運輸と非運輸の売上高比率7対3を将来的に5対5にしたいことなどを語られていますが、新幹線の平日のビジネス利用減の話も印象に残りました。

記事の中から一部を引用させていただきます。

 

(以下引用)

「新幹線は平日のビジネス利用が減っている。平日に新幹線や特急列車の自由席が1日乗り放題となる早割サービスを実施するなど、観光にも力を入れていきたい」

(以上引用)

 

今回は上記、引用させていただいた部分について考えたいと思います。

「平日に新幹線や特急列車の自由席が1日乗り放題となる早割サービス」についてですが、2024年3月ダイヤ改正以降、JR東日本の新幹線や特急列車の自由席はどの程度の状況なのでしょうか。

新幹線は東北の「やまびこ」「なすの」上越の「とき」「たにがわ」、北陸の「はくたか」「あさま」にそれぞれ自由席はあります。

速達型「はやぶさ」「こまち」「かがやき」と、準速達型「つばさ」は全車指定席です。

 

在来線はどうでしょうか。

自由席が引き続き残るのは、長野発着「しなの」「信州」、新潟発着「いなほ」「しらゆき」、秋田発着「つがる」に限られます。

東海道、中央、東北、高崎、常磐に加えて房総地区の特急も全車指定席となりました。

在来線の特急自由席1日乗り放題の話は、首都圏特急ではどのように実施するのでしょうか。

 

キュン♥パス継続発売の暗示?

平日に特定しての、自由席1日乗り放題の早割サービスといえば、2月14日から3月14日までを対象としたキュン♥パスを思わせます。

価格は1万円、有効期間は1日、自由席は乗り放題、指定席は2回乗車できます。

想像ですが、平日の列車誘発策としてキュン♥パスを継続して発売促進していくのではないでしょうか。

 

キュン♥パス発売延長なら、首都圏特急2回分の指定席利用券追加設定を

キュン♥パスの唯一の弱みは、首都圏の特急が全車指定席になった反面、自由席特急券に準じての空席利用や、デッキでの立席乗車の扱いはしていないことです。

現在の制度のままでは、キュン♥パスでの首都圏特急の自由席乗り放題は不可能です。

 

指定券2回分を首都圏特急に使って、東北新幹線を「はやぶさ」でなく「やまびこ」自由席で行くことも可能ですが、新幹線での移動距離が限られてきます。

この場合、以下の3つの方法が考えられると考えます。

なお、往路で首都圏特急と「はやぶさ」指定席で2回使い、現地で1泊して帰路に「はやぶさ」と首都圏特急の指定席で2回使う、すなわちキュン♥パスを2日分、2万円で購入すればよいという話ではなく、あくまで日帰り前提での、指定席特急と「はやぶさ」往復利用の両立の話です。

 

◆ 特急の空席に座れるようにする方法

新幹線盛岡-新青森・秋田、山形-新庄と同様の扱いを、キュン♥パス利用者を対象に、首都圏の特急にも適用する方法です。

これならば実質的に特急自由席乗り放題と同じイメージになります。

 

◆ 特急のデッキでの利用に限り認める方法

東海道・山陽新幹線での繁忙期の「のぞみ」全車指定席化の際の、自由席特急券所持者で行なっている方法です。

JR東日本は乗車列車を指定した立席特急券方式の考え方が強いので、この方法は行なわないと思われます。

 

◆ キュン♥パスに、特急指定席2回利用型を設定する方法

キュン♥パスを2種類に分け、現在の指定席2回分1万円タイプに加えて、首都圏の全車指定席特急2回乗車を追加した1万2千円程度のタイプを加える方法です。

在来線特急だけでキュン♥パスを使うケースは少ないと見られ、ほとんどは新幹線に乗ると思われます。

なるべく遠距離地域まで行くために速達「はやぶさ」往復に指定席分2回を充てたいと考えるのは誰しも同じと思われます。

はやぶさ」「こまち」「つばさ」で指定席2回、中央・常磐房総特急等で指定席2回の利用需要はあるのではないでしょうか。

 

特急の指定券を別払いするか、それが嫌なら「やまびこ」自由席でも勝手なことを言うなといえば話は終わりです。

キュン♥パスの2月14日からの列車利用状況や様々な声などの様子も見ながら、現行のままの指定席2回でキュン♥パスを続行するのか、新たな企画商品が出るのか、注視したいと思います。

 

(※ 記載にあたり、2024年1月31日付け、読売新聞、「赤字ローカル線の存廃『サステナブルな地域交通のあり方、地元と考えていく』…JR東日本・深沢祐二社長」の記事を参考にさせていただきました。)