2024年3月4日9時30分頃、総武線都賀-四街道駅間の踏切で、クレーン付きトラックのクレーン部分が架線に接触し、架線や架線を支える金具が損傷する事故がありました。
踏切通過の高さ制限は4.1mで、クレーンはこの制限を越えて通過したとみられます。
トラックは現場から走り去り、事故は目撃者の通報で発覚、総武線は千葉-四街道で約7時間運転を見合わせ、「成田エクスプレス」など86本が運休、7本に最大約6時間35分の遅れが出て、乗客約3万人に影響したとのことです。
今回はこの事故の関連で思い起こしたことを書きたいと思います。
直流電化と交流電化の事故発生時の違い
今回の事故は1,500ボルトの直流電化区間での発生でした。
仮にこの事故が2万ボルトの交流電化区間だったとしたらどうなっていたでしょうか。
専門家でないので想像の域を出ませんが、高圧電流ゆえにトラック本体と運転手は、やけどや車両火災等、別の大きな事故や怪我が発生していたかもしれません。
踏切や鉄橋の手前に、黄色い門柱型の鉄枠を設けて事故を抑止、注意喚起している光景も見受けられますが、ごく一部に限られます。
7時間の運転見合わせ、列車86本運休という事故の影響は大きいものがあります。
今回の事故でトラックの運転手がそのまま走り去った行動には、再発の危険性を感じてしまいます。
3月6日、朝の時点ではまだ運転手やトラック等は見つかっていないようです。
過去の交流電化区間特有の類例事故
ここで過去の記事ですが、乗りものニュース、2014年7月28日付け、「本当は怖い鉄道の架線」から一部を引用させていただきます。
(以下引用)
2014年7月25日(金)、熊本県の肥薩おれんじ鉄道たのうら御立岬公園駅で、高校生の持っていた釣り竿が架線に接触。感電するという事故がありました。
残念ながら鉄道では、しばしばこうした事故が発生しています。2002年には、大分県中津市で少年が電車の屋根に登り感電死するといった事例もありました。
~中略~
今回事故が発生した肥薩おれんじ鉄道の架線は、交流2万ボルトという高電圧です。日本の家庭に配電されている電気は100ボルトですから、その200倍になります。電圧がこのぐらい高くなると、近づいただけで感電することもあります。「触らなければ大丈夫」といった考えは、決してしてはいけません。
(以上引用)
上記の二つの事例以外にも、物体や人体が交流電化の架線に接触しての感電事故のニュースを聞いたことがあります。
一般の家庭用電源でも、水に濡れた手のままコンセントの電源を差し込んだり、または抜いたりすると感電することは知られていますが、場合によっては最悪の事態を招きかねません。
電気の取り扱いには常に注意が必要と再認識しました。
空港アクセスの列車利用は、運休時の代替交通機関を予め調べておく方が賢明
以下は、成田空港アクセスを担う「成田エクスプレス」の長時間運休に対する雑感です。
鉄道事故による列車の遅延や運休はいつ、どこで起こるか分かりませんので、とくに空港から海外へ飛び立つ場合、アクセス列車時間に余裕が必要です。
列車が遅れて飛行機が離陸してしまっても、鉄道側はその賠償責任までは負わないのが通常と思われます。
東京から成田空港に向かう場合、JR総武線、「成田エクスプレス」に支障が起きた場合に備え、京成経由の成田スカイアクセス線、京成本線、常磐線我孫子経由の成田線など事前に運行時間を調べておく方が安心です。
当日に何も起こらず、結果的に無駄な行為に終わったとしても、それはそれでよいことで、一種の保険的な安心感です。
羽田空港へは東京モノレールか京急のいずれかであり、将来はJR東日本の羽田空港アクセス線も加わりますが、まだ7年ほどの期間を要します。
JR蒲田、川崎駅から羽田空港への連絡バス、シャトルバスの時間も予め調べておくに越したことはありません。
心配性、考え過ぎであっても
遅延のことなどその時に考えればよい、原因は鉄道側であって自分のせいではないと思う人もいるかもしれませんが、筆者は心配性、考え過ぎの性分なのでいつも気にしてしまいます。
列車が長時間停まった時に、線路と並行する道路はあるだろうかと、乗車路線の道路地図を事前に見ます。
地図を見ること自体も好みで、時刻表冊子の概念図と全く異なる地形や地名を知ることは、大げさではありますが世界観が広がるようにさえ感じます。
長大トンネルの中だったらどうするのか、考えても仕方がない、なるようになるよと、自分の頭の片隅からも別の声が聞こえてきますが、なにぶん、性分なので仕方ありません。
拙ブログでも過度に心配性的な発想内容の時もありますが、備えあれば憂いなしということでご理解の程、よろしくお願いいたします。
※ 記載にあたり、2024年3月4日の毎日新聞・読売新聞記事と、2014年7月28日付け、乗りものニュース「本当は怖い鉄道の架線」を参考にさせていただきました。
※写真は本文と無関係です。