平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

えちごトキめき鉄道は日本海ひすいラインを非電化に変えるか?

貨物列車は富山-直江津ディーゼル機関車牽引になるのか?

毎日読むブログの一つに「えちごトキめき鉄道社長(いすみ鉄道前社長)鳥塚亮の地域を元気にするブログ」(以下、「地域元気ブログ」)があります。

「鳥塚亮の乗りたくなる鉄道、行きたくなる田舎。」とともに、えちごトキめき鉄道にとどまらず、鉄道界全体への提言や活動実績は広く知られているところです。

 

2023年4月27日付けの地域元気ブログ「佐賀に来ています。」の記事で印象に残る個所がありました。

2022年秋の西九州新幹線武雄温泉-長崎開業に伴い、長崎線肥前浜-長崎の電化設備撤去に関する部分です。

印象的部分と全体概要を以下のとおり整理しました。

〇 肥前浜-長崎は特急列車が走らなくなった区間であり、ディーゼルカーで十分ということで電化設備を撤去したこと。

〇 えちごトキめき鉄道の大きな課題は線路設備の維持管理であり、その中でも変電所の更新工事や架線柱、架線の取り換えなど、電化部分の設備更新(大規模修繕)の時期を迎えること。

〇 日本海ひすいラインは基本的にディーゼルカーでの運用であること。

〇 妙高はねうまラインの新井-妙高高原は乗客が少なく、現状の地域輸送では電車の必要はないこと。

〇 変電所や電化柱に10億円単位のお金をかけるのであれば、いっそのこと非電化にしてしまうのも一つの方法かもしれないこと。

〇 非電化の場合の貨物列車のルート確保は電気機関車でなくてもディーゼル機関車(以下、「DL機」)でも良いこと。

〇 国の大動脈を維持するために、財政的に弱体な沿線の市が電化設備の更新費用を負担することにはスキームとして無理があることから、電化設備撤去も一つの方法であること。

〇 電化設備の更新は貨物列車のための名目だが、貨物列車は別に電気機関車である必要はないので、沿線の市が費用を負担できないのであれば、電化設備撤去も選択肢の一つであること。

〇 輸送量が激減したならスペックを軽くすることは正しく、更新期限を迎える施設を放置しておくわけにいかないので、そろそろ決断の時であること。

概要にしては長々と記載しましたが、原文掲載でない点はご容赦ください。

論点は、日本海ひすいライン市振-直江津59.3kmを非電化にするかどうかです。

 

◆ 以下は筆者の関心事です。

〇 非電化にする場合、JR貨物の貨物列車はDL機牽引で対応かどうか?

〇 DL機区間は富山-直江津か。富山-長岡または新津か?

〇 455系・413系3両編成電車は新井-直江津での運用とするか、他会社路線へ乗り入れか、売却か、廃車か?

この電車は、日本海ひすいラインが貨物列車用に電化設備を残しているのを活用したものです。

〇 妙高はねうまライン妙高高原-新井21.0kmも非電化とするか?

区間に貨物列車はなく、定期普通列車は16往復ですが、日本海ひすいラインは19往復です。

日本海ひすいライン気動車をこの区間に充てることは考えられます。

 

◆ 肥薩おれんじ鉄道日本海ひすいラインの列車状況

肥薩おれんじ鉄道の車両はすべて気動車で、電車は皆無ですが、貨物列車用に電化設備を存置しており、その点では日本海ひすいラインと似た状況下にあります。

JR九州787系電車特急「36ぷらす3」が肥薩おれんじ鉄道の貨物用電化を利用して走っているのも、455・413系日本海ひすいラインと似たところがあります。

JR貨物にとっては肥薩おれんじ鉄道が非電化になるとDL機の経費、八代での機関車交換などの課題が生じます。

川内-鹿児島46.1kmも、距離は短いもののの電化設備は活用されなくなります。

長崎線鍋島-長崎のようなオフレールステーション方式は、八代-鹿児島では困難と見られます。

本州から鹿児島への機関車運用は以前、直流→交直流→交流の、計3種の電気機関車運用でしたが、今は九州内での交直流機関車の鹿児島直行により効率化したとの判断と思われます。

一方、JR貨物では室蘭線千歳線東室蘭-札幌貨物ターミナルで、電化を活用せず五稜郭-札幌貨物ターミナルの北海道内全区間をDL機としている事例もあります。

これは約120km程度の電化活用による電気機関車投入、東室蘭の機関車交換、千歳線分岐点から札幌貨物ターミナル構内の電化工事等の費用対効果判断と考えられます。

 

◆ 日本海ひすいラインの対応想定

日本海ひすいラインの市振-直江津は59.3kmです。

肥薩おれんじ鉄道八代-川内116.9kmの約半分ですが、貨物列車本数は日本海ひすいラインの方がずっと多くなります。

大阪-青森間は旅客列車距離1023.4kmで、市振-直江津59.3kmの比率は約6%です。

6%の区間だけ非電化に戻してのDL機牽引はJR貨物にとって非効率になります。

JR貨物と国を中心に、肥薩おれんじ鉄道同様、電化設備維持費確保のための線路使用料保証金等の協議をして貨物列車のための電化設備の有効活用の方向性かと思われますが、電化設備の持ち主が非電化にするというのだから、仕方ないからこの区間はDL機にするかという判断になります。

 

以上ですが、筆者の考えなどとうにお見通しでしょうし、的外れもあるでしょうが、失礼ながら釈迦に〇〇を承知の上で書きました。

毎日忙しい中でも1日も欠かさず「地域元気ブログ」を書き続けるパワーには敬服します。

蛇足ですが、筆者の拙ブログが今のところ毎日書けるのも「地域元気ブログ」のお陰です。

今後ますますのご活躍、従来の慣例にこだわらない「どうしたらお客様に喜んでいただけるか」の新たな発想を期待しています。

 

※写真は本文と無関係です。