平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

「函館新幹線」東京-函館直通5往復ダイヤを想定する

「函館新幹線」5往復の中で函館へE5系直通と3両編成乗入不可をどう乗り切るか?

旅行総合研究所タビリスで、北海道新幹線函館乗り入れに関する、下記3点の記事を拝見しました。

便宜上、(1)(2)(3)の記号を振らせていただきます。

(1) 2024年3月31日付け、「『新幹線函館駅乗り入れ』計画に無理はないか? 調査報告を読み解いてみた」

(2) (同)「『函館新幹線』実現へ5つのハードル。実現のカギは秋田新幹線に?」

(3) 2024年4月1日付け、「函館新幹線の『現実解』を考える。まずは札幌~函館のみでスタートを」

 

北海道新幹線函館駅乗り入れの調査報告書公表に伴う課題点と解決案を詳細に探求した労作で、とても参考になる有益な内容です。

自分はこの中で、「(函館から)東京直通5往復、札幌直通8往復程度を想定」という箇所に関心を持ちました。

今回は当該記事を参考にさせていただいた上で、東京-函館5往復のダイヤを想定してみたいと思います。

以下、当該記事に倣って北海道新幹線函館駅乗り入れを「函館新幹線」と記載させていただきます。

また、記事から引用させていただいた項については便宜上、(1)(2)(3)として上記項目番号で表記させていただくことをご了承ください。

 

(2)の中の、「現実的な解決方法は?」の項目から一部を引用させていただきます。

(以下引用)

筆者の私見として解決策を考えてみると、現実的なのは、秋田新幹線用のE6系またはその後継車両を、函館新幹線にも使用することでしょう。耐寒性能が足りなければ、その点だけは改修します。

耐寒型E6系7両編成を、函館~札幌間の道内列車に主に使います。E6系7両の編成定員は324人。現行の「北斗」が5両編成で230人なので、十分対応できます。

仮に東京へ直通するのであれば、東京~盛岡間でE5系10両を増結し、盛岡で増解結します。E5系10両は東京~盛岡折り返しという形です。

これなら、盛岡以南は「はやぶさ・こまち」と同じ17両となり、仙台以南の座席数減少を避けられます。E6系新函館北斗方に連結されるので、盛岡での増解結もしやすいでしょう。現状の新青森発着の「はやぶさ」を函館発着にして、盛岡以北をE6系に置き換える、というような考え方です。

(以上引用)

 

次に、(3)の中の、「函館駅乗り入れ3パターン」の項目から一部を引用させていただきます。

(以下引用) 

このうち、分割併合なし(フル規格10両)は、輸送力が過剰で、札幌への供給座席数が減るなどの問題があります。

分割併合ありについては、例示された7両+3両の分割が非現実的という問題があります。これについては、秋田新幹線と共通車両にして盛岡増解結にすれば解決が可能ではないか、ということを、当サイトの記事で示しました。

(以上引用)

 

東京-札幌主体ダイヤの中で、東京-函館をE6系7両編成でいかに盛り込むか?

列車編成については、フル10両(E5系)、フル7(E5系)+3両(E5系)、フル7両(E5系)+ミニ3両(E6系)、ミニ10両(E6系)、ミニ7両(E6系)をそれぞれ検証された中での結論としてE6系7両編成を函館乗り入れとし、東京-盛岡はE5系10両編成を併結することで東京-盛岡の輸送力を確保するという考えに賛成します。

 

ご指摘のとおりE5系10両の東京-函館直通は輸送力過大であり、またE5系7両+E5系3両またはE6系3両は、3両という短編成の新幹線組成をJR東日本が容認するとは思えません。

E6系10両による単独運行では東京-盛岡の輸送力が不足します。

したがって、東京-盛岡はE5系10両とE6系6両の併結による17両編成、盛岡-新函館北斗-函館はE6系7両がよいとする考えに共感します。

 

東京-札幌と東京-函館の列車ダイヤをどう使い分けるか?

記事を拝見させていただいての解釈として、

〇 東京と北海道の列車は、E5系10両編成による東京-札幌運行を基本とし、そこに東京-函館の列車は併結しない。

〇 東京-北海道の列車のうち5往復についてはE6系7両による東京-函館運用とし、東京-盛岡でE5系10両編成を併結する。

以上のように受けとめました。

 

(3)の中の、「拡張余地を残す」の項で、記事では以下のようにまとめられています。

(以下引用)

いずれにせよ、運用上、東京直通はハードルが高そうですし、道内利用だけでも一定の需要があります。函館新幹線は、まずは札幌~函館間を最優先で検討するのが「現実解」で、そのうえで、東京直通への「拡張余地」を残しておくことが妥当ではないでしょうか。

(以上引用)

 

函館地域側が、函館から札幌直通で幕を開け、東京直通はしばらく待ってもよいとするならご指摘のようになりますが、東京直通が皆無では、その見通しを明らかにしない限り理解されないように感じます。

そこでE6系7両による東京-函館のダイヤを思案してみたいと思います。

 

東京-函館5往復ダイヤ設定の前提要件を整理する

記事を参考にさせていただいた中で、自分の考え方を整理させていただきます。

現状の東京-新函館北斗の定期直通列車は10往復で、うち1.5往復は「はやぶさ」単独運行ですが、残8.5往復は「こまち」を併結しています。

東京-札幌直通列車を何往復設定するかによりますが、所要時間約5時間30分、毎時1往復設定とすると、始発駅が6時台から18時台の発車で最大13往復となります。

毎時1往復設定とは限りませんが、一応13往復として、その13往復のうち8往復が東京-札幌、5往復が東京-函館というように分けるでしょうか。

 

はやぶさ」単独運行の1.5往復に函館直通列車を併結したくても、盛岡以北は上限10両編成なので出来ません。

はやぶさ」の大部分は「こまち」を併結しますが、盛岡-新函館北斗を「はやぶさ」E5系で運用はできても、そのまま函館へフル規格10両編成が乗り入れるのは指摘のとおり輸送力過剰になります。

はやぶさ」もE6系化して「こまち」と併結するのは、東京-盛岡で輸送力不足になります。

 

そう考えると、東京-函館5往復列車は以下のようになってきます。

〇 「こまち」を併結しない単独の「はやぶさ」運行列車を前提とすること。

〇 東京-盛岡はE5系「はやぶさ」10両と函館直通E6系7両を併結し、東京-盛岡は17両編成、盛岡-函館はE6系7両とすること。

〇 「こまち」は定期列車を前提に現在の本数を確保し、併結する「はやぶさ」は札幌まで、または新函館北斗までの運行とすること。

〇 定期「こまち」の現本数確保の観点から「こまち」の一部を東京-函館に振り替えることは秋田地域の理解が得られないこと。

ただし、定期列車の現状維持を前提に、一部は臨時「こまち」の代わりに東京-函館列車の定期化で置き換えとせざるを得ないこと。

それが望ましくない場合は、仙台-盛岡各駅停車型の「はやぶさ」を同区間無停車化して東京-函館列車に置き換えるか、「やまびこ」の「はやぶさ」化により東京-函館列車を生み出すことになります。

いずれにしても、臨時「こまち」の対秋田と、東京-函館との両立は困難なこと。

〇 「はやぶさ」の札幌行きまたは新函館北斗行きで、新函館北斗からは札幌発函館行き乗り換えで函館に向かうことは、函館地域から不満が出ること。

〇 東京-函館直通列車をダイヤ上で捻出するには、現在の臨時列車を主体とした東京-新青森運行の臨時「はやぶさ」の中から5往復を定期化し、東京-盛岡はE5系「はやぶさ」10両と函館直通E6系7両で組成し、盛岡-函館はE6系7両単独とすることが望ましいこと。

この場合、盛岡-新青森新函館北斗の輸送力が低下するが、現在の定期列車での実施でなく、臨時列車の定期化による増発ということで理解を求めること。

〇 5往復設定に観点から、東京-函館直通列車は2~3時間間隔で1往復とすること。

 

具体的な想定ダイヤ

以下、5列車または6列車で時間帯を想定してみました。

極力、「こまち」を併結しない、単独の「はやぶさ」で考えましたが、一部は臨時「こまち」の代わりに東京-函館列車を充てざるを得ませんでした、

新函館北斗の折り返し時間は「こまち」大曲駅と同様の2分、新函館北斗-函館の所要時間は15分としました。

なお、時刻の「:」表記は略させていただきます。

 

◆ 下り(東京→新函館北斗

東京発→新青森発→新函館北斗着→新函館北斗発→函館着(現在の臨時列車名)

① 東京708→新青森1017→新函館北斗1111着、1113発→函館1128着(現「はやぶさ3号)

② 東京1026→新青森1342→新函館北斗1442着、1444発→函館1459着(現「はやぶさ303号)

③ 東京1128→新青森1451→新函館北斗1551着、1553発→函館1608着(現「はやぶさ389号)

④ 東京1344→新青森1654→新函館北斗1754着、1756発→函館1811着(現「はやぶさ59号)

⑤ 東京1628→新青森1940→新函館北斗2040着、2042発→函館2057着(現「はやぶさ37号)

⑥ 東京1844→新青森2200→新函館北斗2300着、2302発→函館2317着(現「はやぶさ69号)

 

◆上り(新函館北斗→東京)

函館発→新函館北斗着→新函館北斗発→新青森発→東京着(現在の臨時列車名)

① 函館712→新函館北斗727着、729発→新青森829→東京1144(現「はやぶさ12号)

② 函館1113→新函館北斗1128着、1130発→新青森1230→東京1556(現「はやぶさ386号)

③ 函館1317→新函館北斗1332着、1334発→新青森1434→東京1756(現「はやぶさ358号)

④ 函館1500→新函館北斗1515着、1517発→新青森1617→東京1932(現「はやぶさ36号)

⑤ 函館1759→新函館北斗1814着、1816発→新青森1916→東京2240(現「はやぶさ66号)

 

以上、東京-函館直通5往復列車を生み出すには、臨時列車の定期化しかないということを前提に想定してみました。

一部は臨時「こまち」併結ダイヤを利用せざるを得ず、臨時「こまち」の本数は減らさざるを得ません。

この点は対函館5往復の捻出と対秋田の臨時列車との優先度、ダイヤバランス、輸送実績の兼ね合いとなりますが、いかがでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、旅行総合研究所タビリスの、以下の3点の記事を参考にさせていただきました。)

・2024年3月31日付け、「『新幹線函館駅乗り入れ』計画に無理はないか? 調査報告を読み解いてみた」

・2024年3月31日付け、「『函館新幹線』実現へ5つのハードル。実現のカギは秋田新幹線に?」

・2024年4月1日付け、「函館新幹線の『現実解』を考える。まずは札幌~函館のみでスタートを」