予備パンタグラフは撤去して蓄電池の設置を
JR東日本首都圏の電車を見ると各編成に1両、未使用状態の予備パンタグラフ(以下、「予備パンタ」)車両を見かけます。
予備パンタはE233系以降の通勤形電車、近郊形電車に搭載されています。
「万が一、常用のパンタグラフがすべて使用不能の場合にも1ユニットが使用できるようにされている」とのことです。〈Wikipediaより〉
全部のパンタグラフが破損した際に、予備パンタがあれば最寄りの駅まで走行できるとの考えによるものです。
しかし予備パンタを今でも設置し続けているのはJR東日本だけで、他のJR、私鉄はどこも追従していません。
全部のパンタグラフ破損ということは、架線自体に異常が発生している可能性が高く、予備パンタがあっても使用できない認識と思われます。
一方、E235系1000番台は、「架線の通電時には充電し、架線の停電時には充電された電力を使用して最寄駅等まで走行可能な蓄電池を搭載した、非常走行用電源装置をJR東日本で初めて採用している」〈同Wikipedia〉とのこと。
同じく、東海道新幹線N700系S編成は、「『バッテリー自走システム』を採用。車体下部に大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載し、不測の事態により架線から給電が行われなくなっても(中略)最低限の自力走行ができる仕組みを導入」〈同上〉とあります。
今後の車両には蓄電池、バッテリー自走システムの方が、少なくとも予備パンタよりは実用的であり、優れていると思われます。
E233系以降、相当な数の予備パンタ編成がありますが、既存車も蓄電池の設置等に方向性を変え、予備パンタを順次撤去していく方が非常時に適当と考えます。
余談ですが、蓄電池設置のE235系1000番台が予備パンタも併設し続けているのは妙であり、無駄な感じがします。