新松戸のほか西船橋、南浦和、西国分寺の快速停車要望は
昨日の「常磐快速線の新松戸停車を考える」の続編です。
新松戸駅での地下化や、武蔵野線の上を行く高架橋は、現在の線路に並行して新たに最低限1つの線路を敷き、電車を移動させながらの大規模工事となり、経費も膨大です。
新たに1本の線路を敷くため、長い距離の用地確保も伴います。
高架化の場合は騒音や日照問題も出てきます。
新松戸駅の快速ホームは北小金側への地平の設置が適当かと考えますが、資金と用地確保等、課題が多々あるのが現状です。
今回は、武蔵野線沿線で新松戸以外の、JR駅快速停車要望状況について以下の3駅をみてみます。
1.西船橋駅
快速線の西船橋付近を見ると、上下線の間が空いていて快速ホームがすぐに設置できる印象があるものの、西船橋の総武快速停車の要望の声は聞こえません。
ちなみに快速上下線が空いているスペースは、1986年まで貨物取り扱いをしていた名残です。
西船橋からは東京メトロ東西線の始発電車と快速電車、総武緩行線の西船橋始発電車があるほか、武蔵野線電車も半数が東京直通です。
そのため総武快速線の西船橋停車がどうしても必要というまでには至っていないのではないでしょうか。
千葉からは西船橋乗り換えで東京へ行く際、西船橋に総武快速が停車すると総武快速で東京へ行っていた乗客が東西線へ乗り換える結果を招き、JR東日本には旨味がありません。
2.南浦和駅
京浜東北線の脇を走る中距離電車(東北本線、高崎線、湘南新宿ライン)にはホームがありません。
南浦和から東京方面の中距離電車へは赤羽乗り換えとなりますが、地元からの中距離電車の停車要望はないようです。
京浜東北線だけで問題ないのは、南浦和に電車基地があって始発電車の本数も多いためです。
浦和駅では以前、高架を走る東北貨物線にホームがなかったため、湘南新宿ラインは通過していました。
東北貨物線のホーム新設で湘南新宿ラインを停車させることになった際、京浜東北線と東北本線の地平線も同時に高架化した大規模な工事で、工費は400億円以上とも聞かれます。
JR東日本にとっては川口駅への中距離電車の停車が要望されており、仮にこれが実現してさらに南浦和も停車すれば赤羽-大宮間の所要時間がさらに延びます。
3.西国分寺駅
中央線との接続駅である西国分寺は快速のみの停車で、特快は通過します。
(下り快速は、平日は中野から、休日は吉祥寺から先が各駅停車です。)
地元からの中央特快の停車要望はないようです。
国分寺には特快が停車し、2面4線ホームの活用で特快と快速との乗り継ぎがしやすくなっています。
西国分寺を特快が通過しても、隣の国分寺での特快接続がフォローしている形です。
特快の西国分寺停車はホーム上通過のため今すぐにも実現できますが、隣に特快が停車する国分寺があるので特快停車要望は見られません。
武蔵野線からの乗り換えにより中央線ホームの混雑が目立つ傾向にあれば、JR東日本が特快停車を検討する余地は残っています。
常磐線新松戸駅は西船橋、南浦和、西国分寺とは状況が異なります。
北千住からは東京メトロ千代田線への乗り入れとなり、運賃が跳ね上がること。
新松戸から上野へ直通の声には応えられないこと。
北千住乗り換えの場合、地下ホームから地上ホームへの移動が億劫なこと。
新松戸始発の緩行線電車がないこと。
以上の要素が重なり合い、新松戸快速停車の声につながっているのではないでしょうか。
いずれにしても常磐線快速電車の新松戸停車の状況を今後とも見守っていきます。