平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

特急「鎌倉」はなぜ新松戸まで来ないか?

吉川美南発着で、新松戸までは来ない理由を探ります

再度、特急「鎌倉」の話ですが、今回は新松戸発着の可否について考えます。

「鎌倉」は吉川美南-鎌倉の運行です。

吉川美南から5.6キロ先につくばエクスプレス(TX)と接続する南流山、7.7キロ先に常磐線と接続する新松戸がありますが、その手前の吉川美南までの運行となっています。

2022年度のJR東日本一日平均乗車人員は、吉川美南5,906人、南流山33,562人(TX(TXは34,909人)、新松戸33,675人となっています。

なぜ、吉川美南までで、新松戸までは来ないのでしょうか。

新松戸は常磐線と接続しますが常磐快速は通過し、緩行線電車のみの停車です。

新松戸から鎌倉へは通常、松戸と品川の2回乗り換えで、横須賀線乗り換えになりますが、それで十分だろうということでしょうか。

 

吉川美南発着の背景

吉川美南までの運行としているのは、所属車両が大宮総合車両センター東大宮センター(以下、「東大宮センター」)から武蔵野線へ「鎌倉」の車両を送り込むにあたり、新松戸側の方向へと先へ進むほど、鎌倉側へ戻っての営業コースとしては非効率にもなるあるため、2面3線構造で中間に待避線のある吉川美南を起点とすることが運行上、容易だったためと考えられます。

また、営業上の観点でも同様です。

 

手前の南越谷には構内引込線が2線あり、そこでの折り返しもできますが、吉川美南ならば空いているホーム上で簡単に折り返せることも理由かと思われます。

さらに、「鎌倉」が南越谷止まりだったら、新松戸から南越谷まで武蔵野線電車に乗ってまでの利用は見込めないが、吉川美南発着なら新松戸だけでなく、つくばエクスプレス南流山からの利用も見込める計算もあるように思います。

 

そんな中、「鎌倉」はなぜ新松戸まで来ないのかと、改めて疑問を投げかけられました。

新松戸から鎌倉は松戸と品川の2回の乗り換え、南流山もTXで秋葉原と品川の2回乗り換えなら、南流山で『鎌倉』に乗れれば楽なのにという声でした。

こうした場合、自分がJR東日本の社員になったつもりで、JR東日本に成り代わっていろいろと回答を模索しました。

以下のような内容で答えましたが、毎回のことながらあくまで勝手な想像であり、根拠はありません。

 

〇 「鎌倉」に乗りたいなら新松戸から吉川美南まで武蔵野線電車で来ればいいという、JR東日本の割り切りがあると思われること。(再掲)

〇 武蔵野線新松戸駅ホームは、下り線(西船橋方面)と上り線(南浦和方面)を結ぶ、折り返し用のポイントがないので、東大宮から回送された『鎌倉』用の編成が、新松戸到着後、そのまま南浦和方向に戻ることはできないこと。

〇 「鎌倉」を新松戸始発にしたい場合、市川大野まで回送させて、市川大野での上下線の中間にある待避線に入線して乗務員が前後入れ替わり、新松戸へ戻っての客扱いとなること。

〇 ただし、市川大野にある中線は貨物列車の通過待ち用設備なので、必ずしも市川大野で折り返せるとは限らないこと。

〇 確実に新松戸側に折り返すとすれば、2面4線構造の西船橋になること。

〇 東大宮センターから回送で西船橋まで送り込まれると、西船橋も乗降の多い駅であること(2022年度JR東日本一日平均乗車人員119,941人)から、吉川美南西船橋に「鎌倉」の営業区間拡大ということにもなってくること。

新八柱での新京成、東松戸での北総と合わせ、接続期待効果を持ち出すと際限がなくなること。

〇 東大宮車両基地から見た時、回送で武蔵野線に送り込んでの鎌倉輸送なら、回送距離としても営業的にも吉川美南が適当と踏んだこと。

 

「鎌倉」の編成が東大宮でなく習志野車両センターの休憩車両活用なら

新松戸から「鎌倉」を設定するなら、東大宮センターでの編成では実現の可能性は薄く、むしろ幕張車両センター編成使用による蘇我から京葉線経由での送り込み活用の方が効率的です。

これならば新松戸、西船橋からの「鎌倉」設定の可能性も見込めそうに感じます。

ただしその前に、新松戸、南流山西船橋から鎌倉へ行く際、武蔵野線経由の「鎌倉」があったら乗るか、需要が見込めるかということが論点になりそうです。

ほとんどトンネル走行の武蔵野南線貨物線の走行、トンネルの間にある梶ヶ谷貨物ターミナルを見る異次元体験、東海道貨物線に入った後の東海道本線への入り込みを楽しめるかどうかが「鎌倉」直通以外の、隠れたセールスポイントになるかどうか、鉄道ファン以外の人はどう受けとめるでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、Wikipediaのほか、JR東日本「各駅の乗車人員2022年度」、つくばエクスプレス「1日平均乗車人員(年度別)」を参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。